ボイトレを独学で勉強するメリットデメリットと効果的な練習方法
歌が上手くなりたい、歌の練習をしたい、歌が好き!
そのため、本当はボイトレに通ってプロの指導を受けたいけれど、時間やお金の都合でボイトレ教室に通えないという方もいますよね。
そんなとき、ボイトレを独学で勉強しようと考える方もいるでしょう。
しかし、何から始めればよいのか、どのように勉強すればよいのか、まずそこから迷ってしまう場合もあります。
ボイトレは、独学でも勉強することはできます。
そして、当然ですが独学で勉強することのメリットもあればデメリットもあります。
ここでは、独学のメリットやデメリットについて探ってみましょう。
メリット、デメリットの他に、勉強を始める際のポイントやボイトレの基礎トレーニングをご紹介していきます。
ボイトレを独学で勉強するメリット
ボイトレを独学で勉強するいちばんのメリットと言えば、やはりお金がかからず、時間にも捕らわれず、好きなときに好きなように練習ができる、ということではないでしょうか。
レッスン時間に合わせて予定を空ける必要もなく、自分の仕事の休日や都合に合わせて練習ができるので、自由度が高いですよね。
そして、気分がのらないときには、気兼ねなく練習を休むこともできます。
また、ボイトレに通うのを躊躇する人の中には、相手が先生であっても、人前で歌うことに抵抗があるという人もいるでしょう。
そういった点でも、ひとりで勉強や練習ができるのはメリットになります。
今は、教則本も充実していて、DVD付きの教則本もたくさん出ています。
また、ネットでも情報収集が簡単にできますが、ネットではボイトレ経験者の体験談や、ボイストレーナーの考え方や経験なども見ることができるので、知識を得るだけでなく、ボイトレに関するたくさんの情報を集めることもできます。
ボイトレを独学で勉強するデメリット
次は、ボイトレを独学で勉強するときのデメリットについてみてみましょう。
デメリットを見ると不安になってしまうかもしれませんが、実際に練習を始めたらやはり歌を歌うのは楽しいものです。
デメリットを知ることがメリットになると捉え、勉強を楽しんでいきましょう。
分からないことは自分で解決する
ボイトレを独学で勉強するデメリットのひとつは、分からないことが出てきたときや、うまくできないとき、先生に聞くことができず、答えを自分で探さなければならないことです。
ボイトレ教室であれば、先生がうまくいかない原因とその改善方法を教えてくれたり、お手本を見せてくれるので、ひとりで勉強するときよりも理解が早く、上達スピードもあがります。
自分の練習を客観的に見られない
次のデメリットは、自分の声を客観的に聞けないことです。
自分が聞いている自分の声は、体の中で響かせている声なので、他人が聞いている自分の声とは違うため、自分の声を自分で判断するのが難しいのです。
そのため、間違いや改善点に気付けないまま、進んでしまうこともあります。
そんなときのために、録音を活用して練習する方法をおすすめしますが、スマホやビデオカメラは機種によって、録音された音をきれいに補正する機能があるため、音の強弱や抑揚が整えられてダイレクトに伝わらない可能性も。
それでも録音は、しておきましょう。
体から届く声だけ聞くよりも、ずっと客観的に見られます。
他にも、
・体の適切な場所を正しく使えているか
・声帯の使い方や口の形、舌の位置は適切か
・体や喉の脱力ができているか
など、ボイトレ教室であれば先生が見てくれることも、自分でチェックしながら正しいかどうかの判断をし、改善や練習の必要があれば、自分で考えて進めていきます。
練習計画も自分で立てなければなりません。
このように、独学で勉強するときには、自分で自分の先生役もしていく必要があるのです。
難しく感じてしまいますが、要は自分としっかり向き合っていくということです。
しかし、それはボイトレ教室に通っていても同じこと。
歌の上達を望むのであれば、みんなに共通して言えることですよね。
しかしながら、独学での勉強はどこかで限界を感じてしまうこともあります。
もし、限界を感じてしまったらボイトレ教室に通うことを検討するのもよいでしょう。
オンラインレッスンや短期レッスンを受け付けている教室もあるので、定期的に通うのが難しい人も気軽にレッスンを受けやすくなっています。
独学でボイトレの勉強を始めよう
ボイトレの勉強を始めるとき、ただやみくもに歌い始めてもあまり意味がありません。
まずは、目標を設定しましょう。
目標は、
・歌いたいジャンル
・歌いたい曲
・目標とするアーティスト
など。
ロックやポップス、クラシックなどジャンルによって発声方法も変わるので、目標を決めておくと、練習の方向性が定まってきます。
練習曲を決めよう
目標が決まったら、練習曲を選びましょう。
いきなりひとつに絞らず、何曲か候補を上げておくとよいですね。
好きな曲で練習をするのもありですが、自分の声質に合った曲を選ぶのもおススメですよ。
声質に合った歌は、やはり歌いやすいので練習のしやすさがあります。
練習メニューは必要?
発声や歌の練習メニューは、ある程度決めておくと練習効率があがります。
ストレッチ、呼吸法、発声トレーニング、歌唱トレーニング、表現など、練習メニューを考えると案外やることは多いもの。
最初は何をすればよいか分からないかもしれませんが、練習を始めると自分の苦手や、うまくできない部分が見えてきます。
前回の課題として上がった部分を、練習メニューに取り組むとよいでしょう。
練習時間
ボイトレの練習時間は、ライフスタイルや声帯の状態、体力など人によって変わりますが、長時間の練習はおすすめしません。
ボイトレは、長時間練習すれば上達するというものではありません。
短時間でも、ポイントを絞った練習をした方が成果が出やすく、また、喉の負担も軽減することができます。
目安としては、40分から1時間程度。
それより短い時間でも、喉に疲れや違和感、痛みを感じたらその日の練習は終わりにしましょう。
自宅でのボイトレ勉強方法
自宅で行うボイトレの勉強と、トレーニング方法をご紹介します。
まず、知識を得るための勉強は本やネットで勉強していくことになりますが、勉強しておきたい内容は、
・実践的なトレーニング方法
・ボイトレ理論
・発声の理論
・音楽理論
などを勉強しておくと、実践トレーニングもスムーズにいくでしょう。
初心者向けの易しい本もありますし、何冊も購入しなくても、上記の内容が一冊に詰まった本もあります。
体や声帯の仕組みなど、文章だけでは分かりにくいのでイラストや図解されている本がおすすめです。
また、分かりにくいことは動画など、映像を見て覚えていきましょう。
声帯については、医学的見解で書かれている本がありますが、ボイトレの観点で書かれているものを選んだ方が分かりやすいですし、実践に活かせますよ。
ボイトレの勉強とあわせて行いたい実践トレーニング
ボイトレで実践したい基礎トレーニングの中から、おすすめのトレーニングを3つご紹介します。
勉強とあわせて行うことでトレーニングの理解が進み、トレーニングをすることで知識を体験として落とし込むことができます。
腹式呼吸
ボイトレの基礎である腹式呼吸をマスターしましょう。
数ある発声練習や歌唱トレーニングですが、どのトレーニングをするときも、腹式呼吸はマストです。
① 体をリラックスさせる
② 鼻から大きく息を吸い込む
③ 口からゆっくり吐き出す
腹式呼吸は、横隔膜を使った呼吸法です。
呼吸のときにはお腹が膨らんだり、へこんだりする動きも意識しましょう。
腹式呼吸ができると、歌唱のポイントとなる息のコントロールができるようになったり、声量アップや、音を伸ばすロングトーンがきれいに出るようになります。
また、喉や声帯に負担をかけず歌うことができます。
リップロール
リップロールは、唇を震わせて行う基礎トレーニングです。
練習効果が高いので、プロの歌手もボイトレやウォーミングアップに使っているんですよ。
① 唇を軽く閉じる
② 唇に息をあてて「プルプルプル」と唇を震わせる
慣れてきたら、リップロールをしたまま低音域から高音域へ、高音域から低音域へと声を行き来させてみましょう。
ポイントは、唇に力を入れないことと、強く息をあてないこと。
最初は難しいですが、コツをつかめば長い時間できるようになります。
喉や声帯のストレッチ、表情筋をリラックスさせる他、さまざまな効果があります。
半音階練習
「ドド#レレ#ミファファ#ソ……」と、半音階の音程を歌います。
「ドシシ♭ララ♭ソソ♭ファ……」と、下降パターンも歌ってみましょう。
発声練習にもなりますが、高音域と低音域で声が出にくくなる場所が分かれば、自分の音域を知ることができます。
もちろん、トレーニングをすれば音域を広げることは可能ですが、まずは自分の声の限界を知りましょう。
練習は、ピアノの伴奏があると楽しめますし、音を確認するためにも何か楽器があるとよいですが、楽器がないときは、動画やアプリを活用してください。
半音階の練習は、発声練習をしてから行うことをおすすめします。
自分の声を客観的に聴くことで、改善したいところや課題が見えてくるので、発声練習や歌唱トレーニングは録音しておきましょう。
【まとめ】
ボイトレを独学で勉強するメリットデメリットと効果的な練習方法
ボイトレを独学で勉強することはできますが、教室に通うのと比べてどうしてもデメリットが目立ってしまいます。
しかし、メリットがまったくないわけではありません。
また、情報が溢れているので知識を得やすいですが、プロのボイストレーナーであっても正解やメソッドは人によって違うため、同じ事柄について真逆の主張をする人もいます。
何が正しいのか迷ってしまうこともあるかもしれませんが、いろいろ試して自分が良いと思ったもの、自分に合った勉強法やトレーニング方法を取り入れるようにしましょう。
自由に選べること、それもまた独学で勉強することのメリットですね。