ボイトレはメンタルを整えれば上達する!上手くいかないは思い込みです
カラオケやボイトレで上手く声が出せない、思うように高音が出ない、また、自分の声が嫌いなど、歌や声に関する悩みを持っている人は少なくありません。
人前で歌うときは、緊張も重なって余計に歌えない…ということもあるでしょう。
どうにか改善しようと、ボイトレをがんばってみてもいまいち成果を感じられず、自分には才能がないとあきらめかけていませんか。
実は、ボイトレをしても上達しない原因は、素質や練習不足ではなく、メンタルが要因となっている可能性があるのです。
そこで今回は、メンタルの状態が歌や発声に与える影響、そしてメンタルの整え方などをまとめました。
いつまでも上達しない自分がイヤ、自信をもって楽しく歌えるようになりたい、そんなお悩みを持つ人は、いつもとちょっと違う視点から、解決策を探っていきましょう。
メンタルの状態はボイトレに影響する
ボイトレといえば、発声練習、腹式呼吸、発声に必要な筋肉のトレーニング、そして歌唱練習など、身体の使い方やテクニックの習得に意識が向きがちです。
しかし、ボイトレにおいてメンタルを整えることはとても重要なこと。
なぜなら、心と身体はつながっているからです。
そのため、ボイトレでは、技術の向上や身体のトレーニングのほかに、メンタルのバランスを整えることにも意識を向けた方がよいのです。
メンタルが整えば、ボイトレの成果が変わってきますよ。
ボイトレが上手くいかないのはメンタルの思い込み
たとえば、
・高音が出せない
・大きな声を出すことに抵抗がある
・自分の声を好きになれない
などの、自分の声に対する悩み。
これらのうまくいかない原因が、もしあなたの思い込みだったとしたら、ボイトレでたくさん練習をしても、テクニックを学んでも十分に表現することができない状態に陥ってしまいます。
「思い込みが原因ってどういうこと?」と思いますよね。
思い込みとは、本当はまだまだ高いキーを出せるのに、本当は大きな声で気持ちよく発声ができるのに、
「これ以上は高い声が出せない」
「これ以上は大きな声が出せない」
と、あなた自身が思い込んでいる状態です。
心に、「これ以上は出せない」というストッパーをかけてしまっているのです。
しかも、ストッパーは無意識のうちにかけてしまっているので、あなた自身はそれに気付いていません。
そのため、あなたにとっては「出したくても出せない」「なぜかうまくできない」という、悩みになってしまうわけです。
たとえば、高音が出せない思い込みがあるメンタルの状態で発声をすると、次のような状況になりやすいです。
音階練習
音階を使った発声練習をイメージしてください。
実際に、やってみるのもよいでしょう。
「ドレミファソラシド…」と調子よくあがっていき、「これ以上は出せない」と思い込んでいる音に到達したら。
次の音から、急に遠慮がちな弱い声になったり、声がかすれたり、喉がきゅっと締まったり。
これ、練習不足や素質ではなく、あなたが無意識で自分の声を抑えているのかもしれません。
もちろん、限界点はあるでしょう。
音域を広げるのも、それなりに時間が必要です。
しかし、ボイトレでいろいろな方法を試してもなかなかうまくいかない時は、いちど自分の心と向き合ってみるのもひとつの方法です。
メンタルを整えてボイトレの悩みを解消しよう
心にストッパーがかかってしまう原因の多くは、一生懸命歌っていたのに人から馬鹿にされた、大きな声で楽しくお喋りをしていたら「声がうるさい」と叱られたなど、心の傷や、何か自信を失くしてしまうような体験がトラウマとなっていることです。
そして、改善策は、心のストッパーに気付くことと、ストッパーを外すことです。
長年、無意識で思い込んでいたことのストッパーを外すのは、案外、勇気がいることですが、まずは、ストッパーに気付いて意識することができるようになるだけでも、大きな前進です。
次に、ストッパーを外すとても簡単な方法をお伝えするので、ぜひトライしてみてください。
心のストッパーが外れて、ボイトレの悩みが改善すれば、少しずつ自信がついて、自分の声が嫌いという悩みも、自然と解消されていくはずです。
メンタルを整えて、自信を取り戻していきましょう。
ボイトレをしながらメンタルを整える
まずは、「ストッパーを外すんだ」という気持ちを持って、大きな声で心の底から、お腹の底から思いきり歌ってみましょう。
歌うことが難しければ、発声をするだけでも大丈夫です。
ポイントは、カラオケBOX、レンタルスタジオ、車の中など、ひとりで誰の目も気にせず大きな声が出せる場所で歌うことです。
「まわりには誰もいないけど、大声を出して外に声が漏れていたら恥ずかしい」という気持ちにならない環境がベスト。
ただ、一人きりでも、声をだすことに抵抗を感じてしまうと、ただ大きな声で歌うにとどまってしまいます。
大切なのは、心の底から、お腹の底から思いきり声をだすことです。
声をだすことよりも、心を解放するという意識にすると、やりやすくなるかもしれませんね。
わたしの場合ですが、心のストッパーを外して思いきり声をだせたと感じたときは、なんとも言えない高揚感のようなものが湧いてきて、心が解放されたような気分になりました。
そして、一人で声を出すことができたら、ボイトレの時間に、講師の前でも同じように発声してみましょう。
ボイトレは練習の時間なので、失敗しても問題ありません。
ただ、なかなかできないときに、「やっぱり自分にはできないんだ」と、自分を責めないことです。
メンタルは身体にも影響してボイトレの成果を左右する
そうは言っても、人前での失敗は恥ずかしい、という気持ちが拭えないこともありますよね。
「ストッパーは外したいけど、講師の前で思いきり歌うのはまだちょっと勇気が必要で…」なんてこともあるでしょう。
しかし、ここまでお話したとおり、メンタルの状態は歌にも影響を及ぼします。
人は、緊張したり不安なとき、呼吸が浅くなったり、身体がこわばったりしますよね。
緊張で無意識のうちに肩に力が入りガチガチになっていた、あなたにもそんな経験があるのではないでしょうか。
メンタルのバランスが崩れると、身体にも影響がでて、発声の妨げになってしまうのです。
では、不安や恐れに負けず、ボイトレの成果を発揮させるためには、どうすればよいのでしょうか。
完璧を目指さない
ボイトレをするときに、完璧を目指さないことを意識してみましょう。
真面目で一生懸命練習に取り組む人ほど、完璧を求めがち。
知らず知らずのうちに「失敗しないように」と自分にプレッシャーをかけてしまいます。
失敗は成功のもと。
失敗の中にはたくさんの学びがあり、失敗を重ねるほど、自分にとっての正解や成功が見えてくるものです。
とくに、ボイトレにおいては失敗がなければ、講師もあなたに教える必要がないですよね。
講師は、たくさんの生徒の失敗を日常的に見ていますし、失敗があれば改善策を考えるだけで、バカにするようなことはあり得ません。
安心して失敗しましょう。
また、普段の練習ではできていたのに、講師の前ではできなくなってしまうのもあるあるです。
「練習していないと思われたらどうしよう」そんな思いもよぎりますが、講師はちゃんとわかっているので大丈夫ですよ。
「失敗しても、まぁいいや」
完璧を求めてしまうときは、声に出して言ってみてください。
レッスン中であれば、心の中で唱えましょう。
慣れてくれば、この合言葉が肩の荷をおろしてくれますし、時には勇気にも変わります。
また、「失敗はだめだ」という思い込みがある場合は、先ほどと同じで、その思い込みに気付くだけでも心のストッパーを意識できるようになります。
「失敗はだめ!」という気持ちが出てきたら、「失敗しても、まぁいいや」と、その都度、上書きするだけです。
失敗することを、自分に許してあげましょう。
自分の感情を否定しない
そして、「恥ずかしい」「失敗がこわい」などの、マイナスな感情を否定しないことも大切です。
今の自分の気持ちをそのまま受け入れてあげましょう。
それだけでも心がふっと軽くなることがあります。
そもそも、ネガティブは悪いものではありません。
ネガティブになってマイナスな影響が出てしまうのは、ネガティブな自分を責めたり、否定してしまうからです。
ネガティブな感情が出てきたら、
「失敗が怖いんだね」と、自分の感情を客観的に見て、受け入れる癖をつけましょう。
無理に抵抗せず、ありのままの自分を受け入れることができると、安心感が生まれ、いつの間にかリラックス状態に変わっていくこともあります。
【まとめ】ボイトレはメンタルを整えれば上達する!上手くいかないは思い込みです
あなたが、ボイトレをしていてもいまいち成果を感じられないときは、ボイトレの練習からいちどはなれて、自分の心と向き合ってみてください。
思わぬところに、原因が潜んでいるかもしれません。
そして最後に、もし独学のボイトレで悩み、上手くいかない原因が自分で判断できないときは、いちど、ボイトレに通って講師に相談してみるのもよいでしょう。
講師は、多くの生徒を見てきた経験があるので、あなたの上手くいかないポイントの原因を見極めてくれます。
それが、テクニック的な問題なのか、メンタル的なことによる抵抗なのか。
練習をするのも自分と向き合うのも、結局は自分ですが、プロの目で客観的に見てもらい指摘やアドバイスをもらえると、解決のスピードがグンと早まりますよ。