ボイトレでピアノ伴奏を使った発声練習パターン6選を紹介します
ボイトレの基礎練と言えばピアノの伴奏に合わせて行う発声練習です。
小学校の音楽の時間でやったことがある人も多いでしょう。
ボイトレや歌唱において、この発声練習はとても重要なものです。
スポーツ選手がスポーツをする前にウォーミングアップをするように、ボイトレでも喉への負担を軽減させるために、声帯のウォーミングアップをしなければなりません。
また、伴奏を使った発声練習は、ウォーミングアップだけでなく、発声やリズム、音程の練習としても大切な役割があり、練習の目的によって、伴奏パターンはいろいろ変化します。
今回は、6つの伴奏パターンをご紹介しますので、ぜひ、ウォーミングアップや普段の練習の参考にしてみてください。
ボイトレの伴奏パターン①ドレミファソファミレド
ひとつ目のボイトレは、ウォーミングアップにも使えて音程やリズム練習にも活用できるスケール練習です。
・伴奏パターン「ドレミファソファミレド」
「あー」の声で、伴奏に合わせて「ドレミファソファミレド」を歌っていきます。
音階は半音ずつ上げていきましょう。
最初は地声で発声していき、音域が高くなりきつくなったら裏声に切り替えます。
裏声でもキツくなってきたら、音階を半音ずつ下げてスタート地点まで戻りましょう。
発声練習と言えば、このスケール練習を思い浮かべる人も多いですよね。
ボイトレを知らない人でも知っている、定番のスケール練習です。
ボイトレの伴奏パターン②ドミソミド
次のボイトレも、多くの人がイメージする発声練習です。
・伴奏パターン「ドミソミド」
こちらも、半音ずつあげていきます。
2度と4度の音を抜いた練習で、音が2個先まで飛ぶので、音程を正しくとれるように意識しましょう。
音程を意識するというのは、ピッチを合わせるということです。
ピッチを合わせるというのは「ド」であれば「ド」のど真ん中に近い音を出すということ。
「ド」というひとつの音の中でも、ピッチがズレると、出してる音は「ド」だけれど、微妙にズレて感じるという現象が起きます。
いきなりピッチをど真ん中に当てにいくのは難しいかもしれませんが、意識はしておきましょう。
また、音を正確に当てることも大事ですが、リズムや声の強弱を揃えていくことも意識します。
他の音は安定しているのに、最高音の「ソ」になると声が張りあがる、ということがないように練習していきましょう。
また、
「ドーミソーミドー」
と、一音一音の長さが変わらないように、
「ドミソミド」
と、音の長さを均一に合わせることも気にしてみてください。
ボイトレの伴奏パターン③リップロールのスケール練習
ここでは少し、変化球を。
リップロールを使ったボイトレです。
・伴奏パターン「ドレミファソファミレド」
「ドレミファソファミレド」を、リップロールで発声していきます。
こちらも、半音ずつ上がっていき、限界まで達したら半音ずつ下がってきましょう。
リップロールは、喉の筋肉をほぐしたり声帯を整えたり、さまざまな効果があります。
リップロールで音階を歌うのは難易度が高いですが、マスターできるように、少しずつ練習していきましょう。
声を使わないリップロール、伴奏なしで低音高音を行き来するリップロールから始めてもOKです。
ボイトレの伴奏パターン④ロングトーン
ひとつの音を長く伸ばす、ロングトーンの発声練習です。
ロングトーンは、腹式呼吸をしっかりと使い安定した声をださなければなりません。
ひとつの音を伸ばすだけなので、簡単に思われがちですが、安定した声でブレずに音を伸ばし続けることは結構難しいものです。
ぜひ、チャレンジしてみましょう。
・伴奏パターン「伸ばす音に合わせた和音」
① 音を決めます
② ドであれば、ドの音で「あーーーー」と声を伸ばします。
③ 20秒以上を目指しましょう
息がブレることなく、安定した声で伸ばすことを意識します。
数秒で声が途切れる、息が続かない場合は、
・息をたっぷり吸えていない
・息を吐きすぎている
・肺活量がない
などの原因が考えられます。
それらを改善するためのボイトレを取り入れて、安定したロングトーンができるようにしていきましょう。
ロングトーンは、ボイトレの中でも重要なトレーニングです。
声が不安定だと、歌声もぼやけたり頼りない感じになってしまうので、ロングトーン練習で安定した声を手に入れましょう。
ボイトレ伴奏パターン⑤アタックの練習
次のボイトレは、アタックを良くするための練習です。
アタックとは、言葉(声)をパーンと強めに発音することです。
アタックがうまくできると、歌の出だしがカッコよくきまります。
歌の出だしは、歌においてとても重要なポイントで、出だしの一音がきまるだけで「歌が上手い」と思わせることができるほど、インパクトがある部分ですが、発声練習だけでは上達できません。
ボイトレの基礎練にアタック練習をプラスして、出だしに必要なスピードと、ピッチの感覚を養っていきましょう。
・伴奏パターン「ドレミレド」
① 「ドレミレド」を「はっはっはっはっは」とスタッカートで歌います
② 半音ずつあげていきましょう
大切なのは、一音一音、キレよく、鋭く歌うこと。
また、この練習は、腹式呼吸ができていないと難しく感じるでしょう。
声で音を切るのではなく、腹式呼吸の息で音を切っていくイメージです。
そのため、リズムに合わせてお腹も同じように動いているのが正解です。
腹式呼吸をマスターすること、腹式呼吸で発声できているかを意識して行いましょう。
ボイトレ伴奏パターン⑥音の切り替え練習
最後は、音の切り替えに有効なボイトレです。
歌は、縦横無尽に音から音へ声が走り続けますよね。
バラードなど、ゆっくりな曲なら音の切り替えもしやすいですが、テンポが速いと音がズレてしまったりします。
そんなときのために、音の切り替えの練習もしておきましょう。
・伴奏パターン「ドーミードミドミドー」
この練習の発声は「あー」ではなく、「ドーミードミドミドー」と音名をそのまま声に出して歌いましょう。
最初のドミは四分音符、真ん中のドミドミは16分音符、最後のドは4分音符のリズムでいきます。
こちらも、半音ずつ上がっていきますよ。
細かいリズムに合わせて音程(ピッチ)、音の切り替え、発声など気を付けなければならず、難易度が高いですが、繰り返し練習することでコツをつかんでいきましょう。
伴奏付きのボイトレ発声練習は音域を広げるのにも効果的
ピアノの伴奏に合わせながら行うボイトレは、高音や低音をきれいに出したいという方にもおススメです。
高音を例えにお話しすると、目標とする高音をいきなり出すと、どうしても音が外れてしまいがち。
しかし、「ドレミファソファミレド」や「ドミソミド」など、スケール練習を利用して、少しずつ音を上げていくと、目的の音を外さず自然に出せる確率が上がります。
そして、高音が出る感覚を体感して覚えていくことで、その音域が出しやすくなっていきます。
また、今回ご紹介したスケール練習は、テクニックの習得につなげるためにも、
・口の開け方
・共鳴腔の移動
・喉の開き方
・姿勢
・息の吐き方
・腹式呼吸
などなど、ボイトレの基本とされていることをしっかり意識しながら行ってくださいね。
また、発音も「あー」や「はー」ばかりではなく、「くっ」や「ネイネイ」など、目的に合わせて変化させるのもおすすめです。
鍵盤がない方は、動画サイトの伴奏動画を活用したり、ボイトレアプリ、鍵盤アプリなどを使いましょう。
【まとめ】
ボイトレでピアノ伴奏を使った発声練習パターン6選を紹介します
ピアノ伴奏を使ったボイトレの基礎となる、発声練習パターンをご紹介しました。
誰もが知っている定番の発声練習から、ちょっと難易度高めの練習まで、いくつかありますが、目的に合わせたものをボイトレに取り入れてみてください。
ただし、正しい発声ができていないうちは、喉を痛めてしまう可能性があります。
無理に高音を出そうとしたり、大きな声を出そうとせず、今のできる範囲で練習してください。
最初は不安定でも、継続することで必ず上手にできるようになるので、じっくり取り組んでいきましょう。