ボイトレでベロをコントロール!ミックスボイスに効果的な動きとは?
ボイトレでいろいろなトレーニングをしているけれど、思うように高音が出ない、声がこもって響かない。
そのためには、ベロ(舌)のボイトレが必要だと分かりつつ、難しさを感じている方もいるのではないでしょうか。
ベロは普段意識して使わないので、コントロールしようとするとぎこちなくなってしまうんですよね。
しかし、歌の上達のために、ベロのコントロールは欠かせないポイント。
ベロを動かすための筋肉を鍛えておきたいところです。
そこで今回は、簡単にできて即効性の高いベロのボイトレをご紹介します。
効果を感じやすいトレーニングなので、歌においてのベロの大切さも体感として理解しやすくなります。
ベロのボイトレに苦手意識がある方は、ぜひトライしてみてください。
ベロのボイトレはベロの筋トレ
ベロのボイトレは、ミックスボイスの習得や、高音域を出しやすくするのに有効です。
ベロのトレーニングを数分行っただけでも声が出やすくなったと感じられるほど、ベロの役割は重要なんですよ。
また、喉の負担を減らす、滑舌が良くなるなどベロのボイトレをするとさまざまな面で良い効果を発揮します。
もし、高い声が出しにくい、声がこもってしまうのであればベロに余計な力が入っていたり、ベロが適切な位置にないことが原因かもしれません。
ベロに力が入ってしまったり、ベロの根元が喉の奥の方に下がりすぎると、喉が狭くなってしまい声が出しにくくなったり、逆にベロの位置が上がってしまうと口の中の空間が狭まり声が響かなくなってしまいます。
このベロの上がる、下がるの絶妙な動きと感覚が難しく感じるところだと思いますが、ポイントを押さえながらベロを正しい位置に置くためには、ベロを動かす筋肉を鍛える必要があります。
ボイトレで理想のベロの位置はあくびの形
ボイトレでベロの正しい位置として分かりやすいのが、あくびの形です。
実際にあくびをしてみて、そのときのベロや口の中の感覚をじっくり感じてみてください。
ベロの根元が下にさがり、喉の奥は空間ができていませんか。
また、そのときベロの先は歯に軽く触れるか触れないかの位置にありますよね。
個人差はあると思いますが、この形から大きくズレることはないでしょう。
今度はあくびの形のまま、実際に声を出してみます。
ただ、あくびの形で、ベロが喉の奥に下がっている状態で会話をしたり、歌を歌うのは難しいですよね。
この場合、あくびの形でベロが少し前に出ている状態にしておくのがベストです。
ただし、口の中の空間は確保しておいてくださいね。
何も意識せずに発声したときよりも、声の響きや広がりを感じられます。
ベロの形もチェックしよう
ベロの形にも注意してみましょう。
ベロの形がU字になっているのは、ベロに力が入っている状態でNGです。
ベロが力んでいると、喉にも負担がかかってしまい、特に高い声は出しにくくなってしまいます。
なるべくベロが平らになるように、鏡でチェックしてみてください。
ベロの使い方については、ベロだけでなく顎や喉など、どこを意識するかという点だけでもいろいろな考え方やメソッドがありますが、まずは、基本としてあくびの形を意識してみましょう。
ボイトレでベロを鍛えるメリット
ベロのボイトレには、さまざまなメリットがあります。
・声が前に出やすくなるので、自然と明るい印象になる
・声が響くようになるので高音域や低音域が安定する
・ミックスボイスの習得に効果がある
他にも、ベロの筋肉を鍛えると、喉の負担が減り、歌唱のときの声枯れや喉の痛みなども減ります。
また、ベロの動きがなめらかになるので、滑舌も良くなるでしょう。
そして、これは少し例外的な話ですが、ベロのボイトレをするとベロの力みが分かるようになります。
わたしは最初、ベロは普段から脱力しているものだと思い込んでいて、力を入れる方が難しいと感じていました。
しかし、ベロは自分が思っているよりも力んでいます。
それに気付けるのも、ベロのボイトレなんです。
ベロを意識してトレーニングをしていると、今すごく力が入っているという感覚が分かるようになってきます。
もし、わたしと同じようにベロの力みが分からないという方は、ボイトレをすることで力みが分かるようになります。
力みは取り除きたいのですが、その感覚を知ることは、これから歌を歌っていくうえでのメリットになりますよね。
このように、ベロのボイトレにはたくさんのメリットがあるので、ボーカリストだけでなく、アナウンサーや俳優など声を使う仕事をする人たちも実践しているんですよ。
ベロを鍛えるボイトレ方法
それでは、ベロのボイトレ方法をご紹介します。
どのトレーニングも簡単にできて、効果は高く即効性があります。
実践後は、歌うときや喋るときに口元がとても軽くなりますよ。
また、発声がスムーズになり、声の通りもよくなります。
さらには、むくみが取れたような感じで顔のスッキリ感もあります。
実際、ベロのボイトレには美容効果もあると言われているので、ぜひ試してみてください。
ベロのストレッチ
まずはストレッチです。
① 口を開けてベロを下に突き出します。
② 次はベロを真上、右、左、正面と順に動かします。
ポイントは大きく動かすこと。
これだけでも、ベロを動かしやすくなったのを感じられますよ。
ベロの根元のトレーニング
次のトレーニングもとても簡単。
① ベロを「あっかんべー」のようにして思いきり下に突き出しそのままキープします。
② 疲れたら戻します。
③ ①と②を数回繰り返します。
ベロは、根元に効いている!と感じられるくらい思いきり突き出しましょう。
カウントと動きをつけてやってみよう
今のトレーニングに、カウントと動きをつけていきます。
① ベロを「あっかんべー」のようにして思いきり下に突き出し10カウントします。
② ベロを振り子のように左右に10回動かします。
③ 今度はベロを真上に突き出し10カウントします。
④ さっきと同じく振り子のように左右に10回動かします。
1と2は間に休憩を挟まず、合計20カウントと捉えてリズムに合わせるように行いましょう。
3と4も同様に行います。
美容効果もアリ!ベロ回し体操
次は、口を閉じてベロを動かします。
① 口を閉じたら口の中でベロをぐるっと一周回します。
② 反対に回します。
このとき、歯の裏側ではなく外側の歯に沿って大きく回してください。
声が出やすくなるほか、顔のたるみ改善にもなりますよ。
ベロを出して「ドミソミド」の発声練習
次は声を出していきます。
① 「あっかんべー」の形でベロを下に突き出します。
② その状態で「ドミソミド」の発声練習で半音階ずつ上がっていきます。
「ドミソミド」と発音はせず、ベロを出した状態で出るそのままの声で歌います。
鍵盤楽器がある方は伴奏をつけてみてください。
楽器がない方は、「ドミソミド」の伴奏動画があるので、そちらを活用してくださいね。
このトレーニングは他のトレーニングに比べると少し大変そうに見えますが、ベロの脱力ができているとスムーズに歌えます。
途中で疲れてしまう人は、ベロに力が入っているかもしれません。
そのときは、あくびの形を作り、
・喉とベロをリラックスさせる
・口の中の空間を意識する
など、基本の形を整えてやり直してみましょう。
【まとめ】
ボイトレでベロをコントロール!ミックスボイスに効果的な動きとは?
ベロの使い方は、頭で考え過ぎると少し難しく、感覚を覚えてしまった方が習得が早いと思うかもしれません。
しかし、身体の構造を覚えたり、発声のときにどこがどのように動いているのかを知ると、トレーニングのときに声の出し方や力の抜き具合のイメージがしやすくなるので、練習がスムーズになり、成果がでやすくなることもあります。
いきなりたくさんのことを覚えるのは大変ですし、頭で考えながら実技を行うと混乱してしまいがちですが、少しずつコツコツ進めていくと身体を意識しながら歌うことも身につきますし、やがて、そこまで意識をしなくても身体がうまく使えるようになっていきます。
ベロのボイトレは効果的で、歌に与える影響も大きいです。
ぜひ、マスターして理想的なミックスボイスや高音を手に入れましょう。