ボイトレでグッグトレーニング!地声のような力強い高音を出そう
ボイトレのひとつ「グッグ」というトレーニングは、ミドルボイスの習得におすすめのトレーニング方法で、多くのボイストレーナーがボイトレメニューに取り入れています。
ボイトレをしている人の中でも、高音域が出しにくい、高音だと声が細くなってしまう、音域を広げたいなど、高音域についての悩みを持つ方は多いですよね。
グッグのボイトレを試してみたいという方もいるでしょう。
しかし、「グッグ」と聞いただけでは、どんなトレーニング方法なのかイマイチ分かりにくいものです。
そこで今回は、グッグにトライしてみたいあなたのために、グッグトレーニングのボイトレ方法や効果についてご紹介します。
グッグとはどんなボイトレ?
グッグとは、アメリカのボイストレーナー、ロジャー・ラブ氏の教則本で紹介されているボイトレのトレーニング方法です。
ロジャー・ラブ氏の教則本は、世界的にも有名で、ボイトレ界隈では「ロジャー本」と呼ばれています。
そしてグッグとは、「グッグッグッグッ」と、「グ」の音で行う発声練習です。
「グ」の発音で発声したり、音階を上がったりするだけのトレーニングですが、さまざまな効果を得ることができるボイトレ法です。
ミドルボイスの習得に役立つボイトレ「グッグ」
グッグは、声門閉鎖しやすい「g」の音を使って発声することで、閉鎖筋を鍛えるのに非常に有効なトレーニング方法です。
ボイトレでは、ミドルボイスの習得のためのトレーニングにも使われています。
ミドルボイスは、ロックやポップスを歌う歌手の多くが習得している声なので、ボイトレをしている人の中にも、ぜひ習得したいと憧れを持つ人もいるでしょう。
グッグの練習でミドルボイスを習得すれば、地声のような強い声で高音を歌えるようになるので、グッグをボイトレに取り入れてトライしてみてください。
では、具体的な効果をみてみましょう。
グッグの具体的な効果
グッグのトレーニングをすると次のような効果が期待できます。
・喉を開く
・芯のある安定した声で中音域、高音域をだしやすくなる
・舌のストレッチ
・はっきりした発音の練習になる
など。
喉を開き、芯のある安定した中高音域が出る、この効果を見てもミドルボイスの習得につながることが分かりますね。
では、ひとつずつ解説していきます。
喉を開く
「グッグ」という発音は、口の中の空間を広くする発音です。
実際にやってみると分かりますが、口はすぼめていても口の中の奥行きはかなり広く空いています。
そして、「グッグッグッグッ」と連続して発音すると、喉仏が下がります。
「ゲッゲッゲッ」「ギッギッギッ」と、音を変えて試してみてください。
「ゲ」や「ギ」で発音するときよりも「グ」の音で発音した方が、声が太く深いのが分かります。
喉を開くという意味でもそうですが、喉仏が上がりすぎてしまうときにも、このグッグのトレーニングをすることがあります。
芯のある安定した声で中音域、高音域をだせるようになる
発声練習や歌を歌うとき、高音になると喉は締まってきます。
しかし、グッグの発音なら高音域に入っても喉を開いたまま声が出せるんですよ。
声がかすれたり、裏返らず、安定した声で楽に高音が出せるようになります。
舌のストレッチ
「グッグ」と発音するときの舌の動きを意識してみてください。
舌の奥の方がよく動いていると思います。
この動きが舌のストレッチになるので、舌をほぐすことができます。
舌がほぐれるということは、リラックスした状態に近付き脱力がしやすいということ。
ミドルボイスをマスターするためには、舌の位置や力の加減、舌の形など舌にも重要な役割があるんですね。
グッグのトレーニングで舌をほぐすことは、ミドルボイスの練習にも大きく役立ちます。
はっきりした発音ができる
グッグのトレーニングの「グ」の発音は、はっきりした発音の感覚をつかむ練習にもなります。
歌の上達を目指してボイトレをするとき、声質や音域、リズムや音程を気にしてトレーニングする方は多いですが、言葉の発音は案外、流されてしまいがち。
しかし、歌には歌詞があり、言葉を音にのせて表現していくので、発音も大切な要素ですよね。
グッグのトレーニングでは、強くはっきりとした発音の感覚を得ることができます。
トレーニングのときは、発音も意識してみましょう。
閉鎖筋と声門閉鎖について
先ほど、グッグのトレーニングは閉鎖筋を鍛えると言いましたが、閉鎖筋についても触れておきましょう。
閉鎖筋とは、声帯付近の筋肉。
声帯は2枚のひだで、閉じたり開いたりします。
ひだの間を空気が通ることで、息や声が外に出て行くわけですが、声帯が閉じた状態で空気が通ると、ひだが振動して声が出る仕組みです。
そして、声帯を閉じるときに使う筋肉が閉鎖筋です。
声帯を強く閉じすぎると詰まったような声になり、開きすぎて緩んだ状態では、息漏れしすぎてはっきりした声を出すことができません。
そのため、ちょうどよい加減で声帯を閉じる必要があるのですが、閉鎖筋を鍛えると、出したい声に合わせて声帯のコントロールができるようになります。
すると、声質や音程、声量の調整もできるようになるので、閉鎖筋は鍛えておきたい筋肉なのです。
また、声門閉鎖とは声帯が閉じた状態のことを言います。
グッグのボイトレ方法
それでは、グッグを使ったボイトレ方法をご紹介します。
誰でもすぐに実践できるシンプルなトレーニングですが、連続的に続けていくと発音や口元が乱れてくることがあります。
ただ声を出すだけではなく、発音、発声、舌の動き、喉の空間など意識しながら行いましょう。
① 口をすぼめて「グ」の形を作ります
② 「ドレミファソファミレド」から始まる音階のスケール練習をしていきます
③ このとき発音は「グッグッグッグッグッグッグッグッグッ」で行いましょう
ポイントは、しっかり「グッグ」と発音することです。
連続で長くやっていると、グッグの発音が難しくなり、「ゲ」や「ガ」に近い音になってしまいがち。
はじめは、音程は正確じゃなくても大丈夫なので、「グ」の発音、喉が開く感覚をしっかり感じて、グッグを習得できるようにしましょう。
もし、楽器がある人は伴奏をつけるとよいですが、伴奏がないときは発音練習だけでも大丈夫です。
ただ、慣れてきたら伴奏も付けて、音程も意識しながらグッグのトレーニングをすると、ピッチのトレーニングにもできるので、おすすめです。
楽器がない人は、ピアノアプリや動画などを活用してください。
グッグの教則本を使ってボイトレをしてみよう
グッグをボイトレでもっと活用したい方は、グッグのトレーニングを推奨しているロジャー・ラブ氏の教則本に実際に触れてみるのもおすすめですよ。
ロジャー本は、ボイトレ理論の説明も分かりやすく、また、実践的な内容になっています。
たとえば、腹式呼吸やミドルボイス、舞台パフォーマンスなどボイトレに役立つ実践的なノウハウが一冊の本に詰まっています。
また、付属のCDでは、現実さながらのボイトレができます。
CDでは、ロジャー・ラブ氏の歌唱力にも圧倒されるでしょう。
グッグのボイトレをより理解したい方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
『ロジャー・ラブ著
歌う力をグングン引き出す ハリウッド・スタイル 実力派ボーカリスト養成術(CD付き)』
【まとめ】
ボイトレでグッグトレーニング!地声のような力強い高音を出そう
グッグは、ミドルボイスの習得や閉鎖筋を鍛えるのにとてもおすすめなトレーニング方法です。
グッグの練習をボイトレに取り入れれば、地声のような強い声で、高音を歌えるようになるでしょう。
また、「グ」の発音で音階トレーニングをすると、いつもより楽に声を出す感覚が分かりやすく、実際歌うときの発声の感覚や、発声に対する意識が変わったりしますので、ぜひ試してみてください。