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透き通った声の出し方が知りたい!透明感のある歌声を作る8つの方法

「透き通った声の出し方を知りたい」「透き通った歌声になりたい」と思っている方は多いでしょう。透き通る声は、聞く人に清涼感や心地よさを与え、歌声の魅力を一層引き立てます。

この記事では、透き通った声の特徴や自宅で実践できる具体的な練習方法、透き通った歌声を持つ歌手の例などを解説します。

歌の表現力を高めたい、透明感のある声で歌いたいという人はぜひ参考にしてみてください。

透き通った声の特徴


透き通る声とは、一般的には以下のような特徴を持つ声を表すことが多いです。

  • 声に不要な雑音が少なく、クリアで聞き取りやすい
  • 声質が比較的高めで明るい印象
  • 適度な空気感を含んでいる

これらの要素が組み合わさることで、「透明感のある声」や「クリアボイス」と表現されるような、魅力的で透き通る声になります。

透明感のある歌声を作る8つの方法


透き通った歌声は、日々の練習によって身につけることができます。ここでは、透明感のある歌声を作るための具体的な8つの方法を紹介します。

声の響きや安定感を向上させ、より透き通った声を扱えるようになりたいと考えている人は、ぜひ実践してみてください。

1.ウォーミングアップによる発声準備をする

運動前に準備運動をするように、歌う前にはウォーミングアップを行いましょう。

透き通った声を出すには、声帯周りの筋肉を柔軟にすることが重要です。軽いストレッチやハミングなどをウォーミングアップとして行うのがよいでしょう。ウォーミングアップで声帯周りの筋肉を柔軟にするとスムーズな発声ができるようになり、透き通った声を出すために必要な土台作りができます。

また、ウォーミングアップは喉の健康を守るためにも重要です。ウォーミングアップをせずにいきなり声を出す練習を始めると、喉に大きな負担がかかり、声帯を痛めたり声がかすれたりする原因になります。

2.腹式呼吸を身につける

透き通った声を出すには、安定した呼吸が不可欠です。腹式呼吸を身につけることで、肩や胸に余計な力が入らず、リラックスして発声できます。

腹式呼吸は、鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹(おへその下あたり)に空気をためるイメージで行いましょう。息を吐く時には、吸うときの倍くらいの時間をかけて口からゆっくりと吐き出します。

腹式呼吸を意識することで、息の量やスピードが安定し、声のコントロール力が向上します。立った状態でも座った状態でも練習できますが、慣れるまでは座って行うのがおすすめです。

3.喉を開いて歌う

透き通った歌声を目指す上で、喉を開く発声方法は非常に重要です。「喉が開いている」とは、咽頭共鳴腔という声の響きを作る空間が広がっている状態を指します。

喉を開く感覚をつかむには、あくびをする時の喉の状態を意識するのがおすすめです。あくびをすると、顎と首の間あたりが膨らむのを感じられるでしょう。これが、喉が開いている状態です。

具体的に言うと舌根と喉仏が下がり、軟口蓋が上がっている状態ですが、部分ごとに意識するのは難しいでしょう。まずは舌を平らにすることを意識し、喉仏に触れてきちんと下がっているか確認しながら発声練習をしてみてください。

適切に喉が開いていると、普段より楽に大きな声を出せるようになります。

4.リラックスした状態で発声できるようにする

体に無駄な力が入っていると、声帯周りの筋肉が硬直し、声がスムーズに出にくくなります。その結果、声がかすれたり、響きのない声になったりすることがあります。

また、体に無駄な力が入っていると必要以上に背を反ったり、上顎を上げ過ぎたりしてしまい、上手く喉が開かなくなることもあります。伸びやかな透明感のある歌声には、体全体のリラックス状態が必要です。

リラックスした状態を作るためには、軽いストレッチをしたり、深呼吸をしたりするとよいでしょう。鏡があるなら、自然な姿勢を保てているのか目で見てチェックしてみるのもおすすめです。

当スクールに通う生徒さんのなかには「リラックスしているつもりなのに、声に力みがあると言われる」という方もいます。この場合、最初はリラックスしていても歌唱中に余計な力が入ってしまっているケースが多くみられます。

歌っている最中も定期的に体に余分な力が入っていないかチェックし、力を抜くように心がけることが大切です。

5.声の響きを意識する

透き通った歌声は、声の響きと密接に関係しています。

声は声帯の振動が、口腔や鼻腔といった体の中の空間で共鳴することで、豊かに響く音になります。特に鼻腔での共鳴は、声に明るさやクリアな印象を与え、透き通った歌声に近づけるために重要です。

声の響きを意識するトレーニングには、ハミングが効果的です。口を閉じて「ん~」と発声し、鼻腔に響かせることを意識してみましょう。

声の響きをコントロールできるようになると、より魅力的な透き通る声になります。

6.リップロールをマスターする

リップロールとは、唇を閉じて息を吐き出し「プルプル」と唇を振動させるボイストレーニングです。

リップロールを行うことで、唇や顔周りの筋肉がリラックスし、声帯周りを柔軟にできます。また、息のコントロール力が向上し、安定した声で発声できるようになるでしょう。

唇を軽く閉じて少し前に突き出し、鼻から息を吸い込み、唇のわずかな隙間から息を出しながらプルプルと唇を振動させてみてください。最初は長く続けられなくても構いません。継続的にリップロールのトレーニングを行い、長く続けられるように練習しましょう。

単純なリップロールを長時間続けられるようになってきたら、音程を上下させながら行うとさらに効果が期待できます。リップロールはウォーミングアップとしても最適で、練習の最初に取り入れるのがおすすめです。

7.タングトリルのトレーニングをする

タングトリルとは、舌先を上の前歯の付け根あたりに軽くつけ、「トゥルルル」と舌を振動させるトレーニングです。舌の脱力や声の響きを改善するのに役立ちます。

タングトリルを正確に行うには、舌に余計な力が入らないようにすることが重要です。舌に力が入ってしまうと、うまく振動させることができません。練習する際は、まず舌先を「らりるれろ」と言う時の位置に置き、リラックスした状態で息を吐き出して舌を振動させます。

息を吐く時は、均一な速度で、真っ直ぐ前に吐き出すイメージを持って行いましょう。慣れてきたら、音程をつけたり、様々な速さで行ったりすることで、より効果的なトレーニングになります。

喉周りの筋肉を柔軟にし、舌の脱力方法を体感的に学べるタングトリルは、喉を開く感覚を掴むのにも役立ちます。

8.発音と滑舌を強化する

透き通った声で歌うためには、発音と滑舌を強化することが不可欠です。発音が不明瞭だったり、滑舌が悪かったりすると、歌声が聞き取りにくく透明感が感じられなくなります。

日本語の歌詞は母音で成り立っている部分が多いため、まずは母音(あ・い・う・え・お)をはっきりと発音する練習から始めましょう。口を縦にしっかりと開けることを意識してください。鏡を見ながら口の開き方をチェックして練習するのも効果的です。

次に、子音をクリアに発音する練習を行います。「さ行」や「た行」など、特に注意が必要な子音を意識して、舌の動きを確認しながら丁寧に発音します。早口言葉の練習も滑舌向上に役立つでしょう。ただし、力みすぎると喉に不要な力をかけるクセがつくなど逆効果になることもあるため、リラックスした状態で取り組むことが大切です。

洋楽を歌うなら外国語特有の発音についても学ぶ必要があります。当スクールでは、洋楽・発音矯正コースもあるため、歌いたい楽曲の正しい発音を学ぶこともできます。

透き通った声に近づくためのポイント


透き通った声の出し方を習得するには、練習方法だけでなく、日々のケアや意識も重要です。続いては、透き通った声に近づくためのポイントを紹介します。

こまめに休憩をとる

透き通った声の出し方を目指してボイストレーニングを行う際は、こまめに休憩をとることが大切です。

長時間無理に練習を続けると、声帯を痛めてしまい、かえって声枯れやかすれの原因となる可能性があります。透き通った声を目指しているのに、声のコンディションを損ねてしまっては本末転倒です。

効率的に上達するためにも、短時間で集中して練習に取り組み、合間にしっかりと休憩を挟みましょう。短い時間でも毎日継続することで、効率的に透明感のある声を養うことができます。

自分に合ったトレーニングを選ぶ

透き通る声を目指すためのトレーニング方法にはさまざまな種類がありますが、すべての人に同じ方法が合うわけではありません。自分の声質や課題、レベルに合ったトレーニング方法を選ぶことが重要です。

例えば、息のコントロールが苦手な場合は腹式呼吸やロングブレスを中心に練習したり、声の響きを改善したい場合はハミングや共鳴腔を意識した練習を取り入れたりするなど、自分の弱点を克服できるような練習方法を選びましょう。

また、練習を続ける中で効果を感じられない場合は、別の方法を試したり、トレーニング内容を見直したりすることも必要です。自分に合った方法を見つけることが、効率よく透き通る声を手に入れる鍵となります。

独学に頼らない

透き通った声の出し方を習得するために、書籍やインターネットの情報だけを参考に独学で練習する人も多いでしょう。しかし、正しい方法で練習を行わないと効果が得にくかったり、喉を痛めてしまったりするリスクがあります。

特に発声の癖は自分では気づきにくいため、独学で勉強していると誤った方法で練習を続けてしまうリスクがあります。透明感のある声を身に付けるための練習が、透明感を損なう癖の強化になってしまっては元も子ありません。さらに、一度ついた癖を矯正するためには、新たなテクニックを習得するよりも長い時間を必要とすることが多いです。

効率的かつ安全に透き通った声の習得を目指すのであれば、ボイストレーナーなど専門家から指導を受けることを検討しましょう。プロの指導を受けることで、自分の声の現状を正確に把握し、自身に最適な練習方法や注意点についてアドバイスを得られます。

これにより、遠回りすることなく理想の透き通った声に近づけるでしょう。

【透明感のある声は女性歌手だけじゃない】透き通った声が魅力の男性歌手もいる


透き通った声と聞くと女性歌手をイメージする人が多いですが、実は男性歌手にも透明感のある声を持つ人がいます。男性の透き通った声は、そのクリアな響きと繊細な表現力で聴く人を魅了します。

例えば、スピッツの草野マサムネさんやSEKAINOOWARIのFukaseさん、小田和正さんなどが透明感のある歌声を持つ男性歌手として挙げられます。

彼らの歌声は、高音域の伸びやかさや、声に含まれる空気感が特徴的で、多くのリスナーに透き通った声として認識されています。男性の場合、これらの歌手の歌声を参考に、発声方法や表現の仕方を学ぶことも、透き通った発声の練習をするうえで役立つでしょう。

NAYUTASで透き通った声の習得を目指そう

透き通った声の出し方を習得するには、継続的な練習と正しい知識が不可欠です。すぐに理想の声になれなくても、焦らず根気強くトレーニングに取り組みましょう。

日々の小さな積み重ねが、確実に声の変化につながります。また、自分の声に意識を向け、どのように響いているか、どこに力が入っているかなどを観察することも大切です。自分の声と向き合い、楽しみながら練習を続けることが、透き通った声を手に入れるための一番の近道です。

NAYUTAS(ナユタス)では、ボーカルコースや洋楽コース、K-POPコースなど、あなたが持つ「こんな風に歌いたい」という希望を叶えるための学習コースを多数ご用意しています。プロの講師によるマンツーマンレッスンで、効率的にあなたの悩みや改善したい点の指導が可能です。透明感のある透き通った歌声を手に入れたいという人は、ぜひNAYUTASをチェックしてみてください。