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ギターボーカルが難しいという人におすすめのコツ6つ!練習方や参考になるバンドも紹介

ギターボーカルは、バンドの中でも注目される花形の存在です。しかし、ギターと歌唱を同時に行うため、難しいと感じる初心者の方も多いのではないでしょうか。この役割をこなすには、ギター演奏、歌唱力、そして両者を同時に行うテクニックが必要です。

今回は、ギターボーカルを目指す方、またはすでに始めているものの難しさを感じている方に向けて、上達のための具体的な練習方法やおすすめの機材、参考にすべきアーティスト、練習に役立つ情報などを紹介します。

ギターボーカルとは何か


ギターボーカル、略して「ギタボ」とは、バンドにおいてボーカルとギター演奏を兼任するポジションを指します。バンドの「花形」とも称され、曲の世界観をリードしつつ、ギターで楽曲に厚みやリズムを加える重要な役割です。

ギターボーカルは2種類ある

ギターボーカルは、歌に重点を置く「ボーカル主力タイプ」と、歌と演奏の両方を高いレベルで両立する「ダブル主力タイプ」の2種類に分けられます。

どちらも歌とギターの両方を担当することには変わりないですが、ボーカル主力タイプは4ピースバンドなどでリードギターが別に存在し、歌に集中できるよう難しい演奏はサブギターを担当することも多いです。

一方、ダブル主力タイプは3ピースバンドに多く、ギターが自分しかいないため、歌唱も難しい演奏も1人で対応します。どちらかと言えば、ダブル主力タイプの方が高いレベルのスキルを求められるでしょう。

弾き語りとの違い

ギターボーカルと混同されやすいものに「弾き語り」がありますが、両者には明確に違う演奏および歌唱スタイルです。

弾き語りは基本的に1人でギターを演奏しながら歌うスタイルです。一方、ギターボーカルはバンドの一員として、他の楽器隊と共に演奏します。

ギターボーカルの場合、ギターが2人以上いるバンドでコード弾きやカッティングに専念するパターンと、スリーピースバンドなどでリードギターも兼任するパターンがあります。

ギターボーカルを練習するときの6つのコツ


ギターボーカルとして上達するには、ギターと歌唱それぞれのスキルアップに加え、両者を同時に高いレベルで行うための練習が不可欠です。特に軽音部などでバンド活動を始めたばかりの人は、基礎から着実に習得していくことが重要です。

続いては、ギターボーカルを練習するときのコツを6つ紹介します。

1.ギター演奏を習得する

ギターボーカルは、ギターをしっかりと演奏できることが大前提です。

ギター演奏が不安定な状態では、歌唱と同時に行うことは困難です。リズムに合わせて正確なストロークやスムーズなコードチェンジを繰り返し練習しましょう。

特に、演奏中に手元を見ずにコードを押さえられるようにすることも重要です。ダブル主力タイプのギターボーカルとしてリードギターを担当する場合は、フレーズを正確に弾けるように練習する必要があります。

カッティングなども楽曲に合わせて習得していくと、表現の幅が広がります。

2.歌詞を記憶する

ギター演奏と並行して、楽曲の歌詞を完全に暗記することも非常に重要です。

歌詞を見ながら歌うことになると、どうしても視線が下を向きがちになり、ギター演奏やパフォーマンスがおろそかになってしまうでしょう。歌詞をしっかりと頭に入れることで、歌唱表現に集中できるようになり、感情を込めて歌えるようになります。

また、ライブなどで観客とアイコンタクトを取りながらパフォーマンスするためにも、歌詞の暗記は不可欠な要素です。歌詞の世界観を深く理解することも、より良い歌唱につながります。

3.歌とギターを同時に練習する

ギターと歌唱の基礎力が身についたら、いよいよ同時に演奏する練習に取り組みましょう。

最初は歌とギターのどちらかに意識が偏ってしまいがちですが、繰り返し練習することで徐々に慣れていきます。簡単な楽曲から始め、ゆっくりとしたテンポで練習するのが効果的です。

ギターパートと歌唱パートを別々に練習し、それぞれがしっかりとできるようになったら合わせて練習するなど、段階的に練習するのがよいでしょう。同時練習に慣れるまでは時間がかかりますが、根気強く続けることが大切です。

4.リズムを意識する

ギターボーカルは、ギターと歌唱の異なるリズムを同時に扱います。そのため、意識しないとリズムが乱れてしまいがちです。

ギターはあくまで歌の伴奏であるという意識を持ち、歌のリズムが崩れないように注意することが重要です。メトロノームを活用したり、ドラムやベースといった他のリズム隊の音をよく聴いたりしながら練習することで、安定したリズム感を養いましょう。

5.歌につられないようにギターを弾く練習をする

ギターボーカルが難しいと感じる点のひとつに、歌につられてギターの演奏が不安定になることがあります。これを防ぐためには、歌のメロディを鼻歌で歌いながらギターを演奏する練習が有効です。

鼻歌でもつられなくなったら、実際に声に出して歌いながらギターを弾く練習へと進みましょう。歌唱に意識が向いている状態でも、ギターが無意識に弾けるレベルまで繰り返し練習することが重要です。

6.ギターと歌を合わせる際のテンポを調整する

アップテンポの曲では、原曲の速さに合わせようとするとギター演奏も歌唱も慌ただしくなり、スムーズに演奏できないことがあります。そのような場合は、原曲よりもテンポを落として、自分が無理なく演奏できる速さから練習を始めましょう。

歌いやすいテンポでギターと歌を合わせる練習を繰り返し行い、慣れてきたら少しずつテンポを上げていく方法がおすすめです。最終的に原曲のテンポで自然に演奏することを目的として取り組みましょう。

ギターボーカルのスキルアップに役立つ方法


ギターボーカルとしてさらにレベルアップするためには、日々の練習に効果的な方法を取り入れることが重要です。

続いては、ギターボーカルのスキルアップに役立つ練習方法を紹介します。

反復練習を取り入れる

ギターボーカルの上達には、基礎的な反復練習が欠かせません。コードチェンジやストローク、スケール練習など、ギターの基礎練習を毎日続けることで、ギター演奏の精度が向上します。

また、歌唱の基礎である発声練習や音階練習なども継続的に行うことで、声のコントロールや音程の安定につながるでしょう。地道な反復練習の積み重ねが、ギターと歌を同時に演奏する際の安定感に直結します。

筋力トレーニングを取り入れる

ギターボーカルは、ギターを抱えながら歌唱するという特性上、体力が必要です。特にライブなどで長時間演奏する場合、ギターの重さに耐えたり、安定した声量を維持したりするために筋力が必要とされます。

体を大きくする必要はありませんが、腹筋や背筋など、歌唱や姿勢に関わる筋肉を鍛えることで、より安定したパフォーマンスが可能になるでしょう。猫背になると呼吸が浅くなり歌唱に影響が出ることもあるため、良い姿勢を保つためにも体幹を鍛えることは有効です。

ギターボーカルの練習に役立つアイテム


ギターボーカルの練習をより効果的に行うために、さまざまなアイテムを使用するのもおすすめです。自身のサウンドを客観的に確認したり、表現の幅を広げたりするために活用してみましょう。

メトロノームは、正確なリズム感を養うために非常に重要なアイテムです。ギター単体での練習はもちろん、歌とギターを合わせた際のリズムのずれを確認・修正するのに役立ちます。原曲より遅いテンポでの練習にも活用してみてください。

録音機器(スマートフォンやレコーダーなど)を使って自身の演奏を録音し、客観的に聴き返すことも上達には不可欠です。ギターと歌のバランスや、リズムの乱れなどを把握し、改善点を見つけることができます。

ギターボーカルのスキルを学べる場所


独学での練習に限界を感じる場合や、より専門的な指導を受けたい場合は、ギターボーカルのスキルを学べる場所を利用するのも良い方法です。

音楽教室やボイストレーニングスクールでは、プロの講師から直接指導を受けることができます。ギター演奏とボーカルの両方を教えている教室や、弾き語り専門のコースがあるスクールもあります。個々のレベルや目的に合わせたカリキュラムで、効率的にスキルアップを目指せるでしょう。

専門的な知識を持つ講師の指導によって正しいフォームや呼吸法、演奏テクニックなどを学ぶことで、独学では気づきにくい癖や課題を克服できます。

また、他の生徒との交流を通じて刺激を受けたり、モチベーションを維持したりすることにもつながります。無料体験レッスンを実施している教室も多いので、いくつかの候補を試してみるのがおすすめです。

ギターボーカルに適したギターの種類


ギターボーカルにとって、演奏しやすい機材選びは重要です。

アコギとエレキ、それぞれに特徴があり、演奏スタイルや好みに合ったものを選ぶのがおすすめです。ギターの重さも歌唱に影響するため、選ぶ際には必ず試奏してみてください。

フェンダー ストラトキャスター

フェンダー社のストラトキャスターは、ギターの定番ともいえるモデルで、ギターボーカルにも適しています。バッキングからリードまで幅広いプレイスタイルに対応できる汎用性の高さが魅力です。

シングルコイルピックアップを搭載しており、クリアでバランスの取れたサウンドが得られます。エフェクターによる音作りもしやすく、様々なジャンルに対応可能です。

日本製やアメリカ製など様々な価格帯のモデルがありますので、楽器店で実際に音を出して選んでみてください。

ポールリードスミス

ポールリードスミス(PRS)のギターもギターボーカルに適した選択肢のひとつです。

以前は高価なモデルが多かったですが、「SE」シリーズなどのリーズナブルなモデルも登場しており、手に取りやすくなっています。PRSのギターは、ハムバッカーピックアップを搭載しているモデルが多く、ギブソン系のパワフルなサウンドが特徴です。

レスポールタイプが重くて扱いづらいと感じる方にぴったりでしょう。パワフルなサウンドはバンドアンサンブルの中でも埋もれにくく、存在感のあるギタープレイを目指している人におすすめです。

【参考にしよう】上手いギターボーカルがいるバンド


ギターボーカルとして活動する上で、他のアーティストから刺激を受けることは大切です。すでに活躍しているプロアーティストのなかには、魅力的で上手いギターボーカルがいるバンドがたくさん存在します。

彼らのパフォーマンスやギタープレイ、歌唱スタイルを参考にすることで、自身の表現の幅を広げることができるでしょう。かっこいいと感じるアーティストを見つけて、ぜひ深く聴き込んでみてください。

スピッツ

日本のロックバンド、スピッツの草野マサムネ氏は、多くの人に支持されるギターボーカルです。透明感のある伸びやかな歌声と、叙情的で美しいメロディラインが特徴で、多くのヒット曲を発信しています。

ギタープレイは派手さよりも楽曲に寄り添う繊細さが魅力で、弾き語りでのカバーもしやすい楽曲が多いです。ヒット曲以外にもロック色の強い隠れた名曲も多数あります。

彼の歌声とギターの調和は、レベルの高いギターボーカルを目指すうえで非常に参考になるでしょう。

バンプオブチキン

バンプオブチキン(BUMPOFCHICKEN)の藤原基央氏も、日本を代表するギターボーカルの1人です。「バンプ」の愛称で親しまれ、幅広い世代から支持されています。

彼の魅力は、心に響く歌詞と独特の温かみのある歌声、そして楽曲の世界観を表現するギタープレイにあります。デビュー当初からギブソンのレスポールを愛用しており、そのサウンドも特徴的です。

感情豊かな歌唱とギターの絡み合いは、プロアーティストもお手本にしており、彼をリスペクトしているプロギターボーカルは少なくありません。

バックナンバー

3ピースバンド、backnumberの清水依与吏氏も、近年高い人気を誇るギターボーカルです。切ない歌詞とキャッチーなメロディで、特に若い世代から支持されています。

彼のギターは楽曲のコード感をしっかりと支えつつ、歌唱を引き立てるバッキングが中心です。高音域まで伸びる特徴的な歌声と、飾らないMCも魅力のひとつでしょう。

3ピースというシンプルな編成の中で、ギターボーカルがどのようにサウンドを構築しているのか、バックナンバーの演奏を参考にしてみてください。

ギターボーカルに必要なスキルを習得しよう

歌唱とギターを同時に行うギターボーカルは、簡単ではありません。しかし、自分で音楽を奏でながら歌う楽しさや達成感、特有の高揚感は何ものにも代えがたいでしょう。

ぜひ今回紹介した練習のコツを参考に、ギターボーカルに必要なスキルを習得してください。

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