ボイトレにプランクは必要?ボイトレおすすめの筋トレとその理由
ボイトレにプランクなどの筋トレや腹筋が必要と聞いたことはあるけれど、ボイトレとどんな関係があるのかはっきり分からない。
ボイトレを進めていくうちに、このような疑問にぶつかることは多いでしょう。
ボイトレというと、発声や喉のトレーニングに注目しがちですが、歌を歌う上で腹筋を強化することは、発声や喉を安定させるための土台作りであり、大きなポイントになってくるのです。
しかし、筋トレが大事だからといって、やみくもにトレーニングをしていては、効果は低くなってしまいます。なぜ必要なのか、どんな効果があるのかを理解したうえで取り組んでいきましょう。
ここでは、ボイトレと筋トレのかかわり、プランクなどのおすすめトレーニング方法をまとめました。自宅でできるトレーニングなので、ぜひトライしてみてください。
ボイトレにプランクが必要な理由
歌を歌うときの発声に、喉や声が大切なのは誰もが想像できるところでしょう。
しかし、喉だけを使って歌い続けていると、すぐに声が枯れてしまう、声が出しにくいなど支障が出てしまい、満足に歌うことができません。
歌の上達のためには、喉や声と同じように、呼吸や身体の使い方を習得しておく必要があります。
ボイトレでは、発声の基礎となる腹式呼吸の練習をしたり、息の流れをコントロールするためのトレーニングをしますが、そのために強化したいのが腹筋です。
ボイトレでプランクなどの筋トレが必要になるのは、魅力的な声で歌を歌うために欠かせないことなのです。
では、プランクなどのトレーニングを行うと、具体的にはどんな効果があるのでしょうか。
プランクで得られるボイトレの効果
ボイトレにプランクなどの筋トレを取り入れると、呼吸、体幹、体力など発声にかかわる基礎、つまり土台の部分が鍛えられます。土台がしっかりしていれば、発声も安定し、喉にかかる負担を軽減させることができます。
逆に、土台が安定していなければ、発声や音程、音域を広げるなど音楽的な練習をしてもブレが生じてしまい、行き詰まってしまいます。結局土台を作り直すトレーニングが必要になってきますから、基礎はしっかり習得しておくのが上達への近道なのです。
それでは、プランクをはじめとする筋トレの具体的な効果を見てみましょう。
声量アップで歌声が安定する
筋トレで腹筋(横隔膜)を鍛えると、呼気(吐き出す息)が増え、声量がアップします。その結果、歌声の安定にもつながりますし、腹式呼吸で歌えば、喉の負担を減らすことができます。
プランクで美しい姿勢をキープ
筋力がないと、背筋を伸ばし続けるのがキツく、猫背になりがちですが、腹筋が鍛えられると、良い姿勢を保ったまま歌えるようになります。
姿勢が良いと見た目にも美しいですよね。また、正しい姿勢は、自然と胸が開くので深い呼吸がしやすくなり、安定した声や、ロングトーンが出しやすくなります。逆に、浅い呼吸を続けていると、横隔膜が凝り固まってしまうので、良い姿勢をキープすることは、歌唱において、大事なポイントになるんですよ。
持久力がアップする
ステージで歌うボーカリストが、長時間さまざまなパフォーマンスをしながら歌い続けることができるのも、腹筋を鍛えているからです。
筋トレで体力や持久力がつくのはもちろんですが、体幹を鍛えることで、身体をしっかり支えることができているので、どんな体勢でも安定した声が出せるのです。
カラオケでも、数曲歌うと疲れてしまう、声が枯れてしまう、という悩みを解消するには、音楽的なボイトレだけでなく、プランクなど筋トレもとりいれていきましょう。
プランクのやり方は?ボイトレにおすすめの筋トレ実践編
ここでは、プランクをはじめとした、ボイトレにおすすめの筋トレをご紹介します。
トレーニングと言っても、ジムに通うこともなく、特別な道具も必要ありません。自宅でできる簡単なトレーニングなので、ぜひ実践してみてください。
プランク
プランクは、体幹や一般的に腹筋と呼ばれる腹直筋、横腹の筋肉である腹斜筋を鍛えることができます。
①うつ伏せになり床に両肘をつきます。
②腰を浮かせます。
③肘からつま先まで一直線になるようにして身体を支えます。
④そのまま30秒キープします。
意識するポイント
・お尻が浮いていないか
・お尻があがりすぎていないか
・呼吸をとめていないか
・肘や肩が内側に入っていないか
しっかり効果を出すためにも、正しいフォームで行いましょう。
慣れてきたら時間を伸ばし、1分間キープできるようにします。
サイドプランク
サイドプランクは、腹斜筋やインナーマッスルなどバランスよく鍛えることができます。
①横向きに寝転びます。このとき、身体は一直線になるようにしてください。
②身体の下側の腕を床について曲げます。
③曲げた腕と足で体を支えながら、腰を浮かせます。
④頭から足先まで一直線にします。
⑤そのまま20秒キープします。
意識するポイント
・腰があがりすぎていないか
・身体がくの字になっていないか
・頭が前かがみになったり、下に落ちていないか
・両足は揃えて真っ直ぐになっているか
とにかく、正しいフォームで身体が一直線になっているかがポイントです。
フォームが崩れていると、効果も落ちてしまうので注意しましょう。
バイシクルクランチ
身体をひねりながら足を動かすバイシクルクランチ。腹筋全体を鍛えるトレーニングです。
体幹も良くなるので、ボイトレにもとりいれていきましょう。
①膝を曲げて座ります。(体育座り)
②太ももをお腹に引き寄せるようにして足を上げます。
③両手を頭の後ろで組み、目線をおへそに向けます。
④自転車を漕ぐように足を動かします。
⑤上半身をひねりながら、右肘と左膝、左肘と右膝をくっつけるように、交互に動かしながらクロスさせます。
20回×3セットを目安にします。
意識するポイント
・足の動きと腕の動きがバラバラにならないように、リズムを合わせる
・腕と足をただ動かすだけではなく、お腹に力が入っていることが大事!
リバース・トランクツイスト
リバース・トランクツイストも、腹斜筋を鍛えるのに効果的なトレーニングです。
①膝を立てた状態で仰向けに寝ます。
②両手は自然なまま床に広げます。
③両足を持ち上げ足を真っ直ぐ上に伸ばします。
④足を揃えたまま、右斜め45度の方向に倒します。このとき、足は床につかないように、ぎりぎりのところでキープします。
⑤ゆっくり元の位置に戻します。
⑥逆側も同じように倒します。
もし、きついと感じたら少し膝を曲げてやってみてください。
意識するポイント
・ウエストのひねり
・正しいフォーム
はじめは、回数よりも丁寧な動作を意識して、慣れてきたら回数を徐々に増やしてみてください。
フォームが崩れると腰を痛めてしまう可能性もあるので、無理をせず丁寧に行ってくださいね。
プランク以外にもトライしたいボイトレ必須の筋トレ
プランクを中心に、腹筋を鍛えるトレーニングをご紹介しましたが、ボイトレではその他にも鍛えておきたい筋肉があります。
「歌を歌いたいのに筋トレばかり!」と思ってしまうかもしれませんが、魅力的な声の表現は、さまざまな要素が織り重なって作り上げられています。
筋トレも大事な要素のひとつで、音楽的な練習にも必ず役に立ってきますので、がんばりましょう。
とは言っても、ボイトレがつまらなくなってしまわないように、ボイトレ全体のバランスを見ながら上手に活用してくださいね。
表情筋を鍛えよう
声には楽器と同じように音色があります。たとえば、かたい声とやわらかい声、明るく通った声としっとりした声など。それらの音色は、表情筋を鍛えることで変化させやすくなり、歌の表現の幅も広がります。
また、表情筋のトレーニングはボイトレの基礎。表情筋を鍛えると高音域の声を出しやすくなるので、積極的にトレーニングしていきましょう。
表情筋トレーニング
①目、鼻、口など顔のパーツを中心にぎゅっと集めます。
②次は、目、鼻、口を思いきり開きます。これ以上開かない!というところまで開きましょう。
③①と②を繰り返します。
ちょっと変顔になってしまいますが、場所を選ばないトレーニングなので、人目が気になるときは、トイレやお風呂などでやってみましょう。
もうひとつ、表情筋を鍛えるトレーニングです。
①「あえいうえおあお」「かけきくけこかこ」と、声を出さずに口だけを動かしてア行からワ行まで続けます。
このトレーニングのポイントは、口の形をしっかり意識することです。
「ア」だったら口を横に大きくあける、「ウ」は口をしっかりすぼめる、「オ」は口を縦長に開くなど、表情筋を意識しながらしっかり形を作りましょう。簡単そうに見えますが、やってみると意外と疲れてきます。
しかし、効果はバツグン。このふたつのトレーニングを少ししただけでも、喋るときに口元が軽く、声がいつもよりハッキリして発声もしやすくなっているのを感じられますよ。
トレーニングを積んでいけば、より高い効果を得られるでしょう。
声帯の筋肉を鍛えるトレーニング
声帯や声帯の周りの筋肉を鍛えることは、ボイトレの中でも欠かせないもの。声帯は、声の大きさ、高さなどをコントロールし、歌に直結する重要な役割を持っているからです。
また、声帯の筋肉を鍛えていると、いつまでも若々しい声でいられます。いわゆる「老け声」になってしまうのを防ぐことができるんですよ。すでに声の年齢的な変化を感じていても、声帯のボイトレをすれば、若返りが期待できます。
リップロール
声帯を鍛えるならリップロールがおすすめ。ボイトレでは欠かせないトレーニングです。
①軽く口を閉じてアヒル口になるように少し唇を突き出します。
②唇に息を出して「プルプル」と唇をふるわせます。
③唇をふるわせた状態で声を出し、最低音から最高音を往復します。
④何度か繰り返します。
途中で音が途切れないようにするのがポイントです。
リップロールが難しいという方は、コツをつかむまで少し時間がかかるかもしれませんが、焦らず、長い目で見て練習してくださいね。
どうしてもできないときは、ボイトレの先生に相談してみましょう。リップロール以外のトレーニング方法を教えてもらうこともできるので、心配しなくても大丈夫ですよ。
【まとめ】ボイトレにプランクは必要?ボイトレおすすめの筋トレとその理由
今回ご紹介したトレーニング方法は、数ある中のほんの一部です。しかし、魅力的な歌声のために実践しておきたいトレーニングばかり。ボイトレに、プランクなどの筋トレをとりいれて、さらなるレベルアップを目指しましょう。
ただし、無理は禁物です。
歌を歌うのが好きで、そのためのトレーニングをしているのに、そこで身体を壊してしまっては、好きな歌も楽しく歌えなくなってしまいます。運動に慣れていない方は、いきなりすべてを制覇せず、回数やトレーニング方法を工夫しながら、徐々に体を慣らしてくださいね。
自分でトレーニングを進めていると、疑問や悩みがどんどん出てきます。でも、それはやる気と向上心があるからこそ。
正しくできているか分からない、練習方法に不安があるときは、ボイトレの先生にアドバイスをもらいながら、あなたに適した方法で進めていくのもよいでしょう。
筋トレをしていれば、身体が引き締まり、体力もつき、ボイトレ以外の嬉しい変化もついてきます。ぜひ、今回ご紹介したトレーニングを実践してみてください。