そのボイトレ正しい?ポップスとクラシックの違いを知ろう
ボイトレをしている人の中には、ポップスやロックをうまく歌えるようになりたい、という目標をもっている人も多いですよね。
カラオケをうまく歌いたい、SNSやライブなどでシンガーとして活躍したい、プロを目指したいなど目的はそれぞれにあるでしょう。
しかし、目指す場所は違えど、ポップスを歌いたい人なら共通して知っておきたいことがあります。
それは、ポップスの上達を目指すならポップスが上達するためのボイトレをする、ということです。
ボイトレとひと言で言ってもジャンルはさまざま。
もし、ポップスをうまく歌いたい人が、クラシック(声楽や合唱)の歌い方を習っても「練習してもなんだか歌いにくい…」なんてことになりかねません。
ポップスとクラシックでは歌い方が全然違うのです。
ネットで気軽に情報収集できるので、独学で勉強する人も多いですが、せっかくの練習時間とその成果をムダにしないためにも、自分に必要な情報を選び活かせるように、まずはポップスとクラシックの違いについても知っておきましょう。
ポップスとクラシックのボイトレは別物!?

声楽や合唱などをやってきた人がポップスを歌うと、とても歌いにくいということがあります。
そもそも、ポップスとクラシックではジャンルが違うので、歌唱法や体の使い方など、ボイトレで身につけたテクニックがポップスを歌うためのものじゃないからです。
もちろん、ポップスとクラシックで考え方や練習方法など共通する部分もありますし、歌という根本は同じ。
しかし、そこから枝分かれしてジャンルが変わっていくんですね。
陸上競技にたとえてみましょう。
陸上という大枠の中にも、短距離、長距離、幅跳びなどの種目があり、目的によってするべき練習や鍛える場所が変わってきますよね。
歌も同じで、上達のためにただボイトレをすればよいわけではないのです。
ポップスを歌うなら、ポップスのためのボイトレをしなければなりません。
しかし、ジャンルが違うからと言ってまったく無関係なわけでもないんですよ。
ポップスでも、ハモリをするときにはクラシックの要素が必要になってくることもあります。
ボイトレでは、先生によってクラシックの練習方法を取り入れてレッスンすることもあるでしょう。
ポップスの上達を目指すならポップスのボイトレが必要

次にあげるのは、ポップスとクラシックの声の違いと特徴です。
ポップス
・息の漏れが少ない
・声の立ち上がりが早い
・しっかりした声
・言葉がはっきりしている
・力強い
クラシック
・息の漏れが多い
・声の立ち上がりが遅い
・声に広がりがある
・響きが豊かでやわらかい
比べてみると分かりますが、ポップスとクラシックは対照的ですよね。
ボイトレの観点から見ても、目指す場所が違うことがわかります。
ですから、ポップスを歌いたい人がクラシックのためのボイトレを続けていても、ポップスの上達にはつながりにくく、ポップスのためのボイトレが必要になります。
ポップスとクラシックのボイトレで鍛える場所やテクニックが違う大きな理由

ポップスとクラシックにはもうひとつ、大きな違いがあります。
それは、
・ポップスはマイクを使って声を響かせる
・クラシックは空間を利用して声を響かせる
ということです。
グランドピアノやアコースティックギターなど、生の楽器は音を楽器の胴体の部分に共鳴させることで大きな音が出ます。
声楽などもそれと同じなので、胴体や頭蓋骨など体中に声を共鳴させて歌い、発声した音は空間を使って響かせるため、そのためのボイトレをしていきます。
楽団の演奏の上に生歌を乗せていくので、相当な声量も必要ですね。
※クラシックでも現在ではマイクを使って歌いますが、ポップスで使用するマイクとは集音の性能が異なります。
一方、ポップスに求められるのは、マイクに上手くのるような、抜けの良い声の出し方です。
ポップスは、口の周辺の音をマイクにのせるので、クラシックのような空間に広がる大きな声よりも、前に出る声が必要になり、ボイトレではそれに適した発声を行います。
声量もないよりはあった方がよいですが、クラシックのような声量は必要なく、歌によっては小さな声でささやくようなテクニックを、ボイトレで磨いていくこともあります。
この違いはとてもわかりやすく、ポップスを歌う人がマイクを使わず生の声で歌っても、ホールの後ろまで豊かに響き渡る声を出すのはおそらく難しく、歌や声の魅力も伝えきれないかもしれません。
同じく、クラシックの歌手がポップスの人と同じようにマイクを使って歌うと、広がり過ぎた声がマイクに収まりきらず、クラシックならではの美しさは半減してしまうでしょう。
余談ですが、クラシックコンサートを行うホールは、天井や壁が特殊加工されていて、音の反響やふくよかさ、残響などが繊細に聴こえる作りになっていて、生の音楽ならではの美しさを堪能できます。
このように、ポップスとクラシックでは、歌の根本は同じでも、その先の考え方、鍛える場所、必要なテクニックが違うので、ボイトレ方法が変わってくるのも納得ではないでしょうか。
ポップスに有効なボイトレ、エッジボイス

ポップスの上達に向けたボイトレの方法はたくさんありますが、2つ目の章のポップスの特徴で紹介した、
・息の漏れが少ない
・声の立ち上がりが早い
・しっかりした声
・言葉がはっきりしている
・力強い
これらのテクニックの向上に役立つボイトレ方法をひとつご紹介します。
エッジボイスです。
エッジボイスとは、歌の基本でもある声帯を閉鎖する感覚を覚えながら、はっきりした声を出せるようになるためのボイトレです。
息漏れが改善されれば、長時間でも歌いやすくなり、はっきりした声を出せるようになればマイクの乗りもよくなりますよ。
エッジボイスのやり方
まず、リラックスしましょう。
歌を歌うときも体がリラックスしていることは大事なポイントです。
そして、自分の出しやすい声で「あーー」と発声します。
そこから、音階を下るように、少しずつ声を低くしていき限界まで下げていきましょう。
どこかの地点で、「あーー」の声が「あ゛あ゛あ゛――」に変わります。
カエルの鳴き声のような、ガラガラとした音です。
よく例えられるのが、映画「呪怨」の幽霊が出している声です。
これが、エッジボイスです。
エッジボイスをすると、普段から声のとおりがよくなりますよ。
息漏れが改善されるので、声の輪郭がはっきりして聞こえやすくなるからです。
ポップスを歌いたい人には特に有効なボイトレなので、練習に取り入れてみましょう。
エッジボイスについて、さらに詳しく触れている記事もあるので、ぜひそちらも参考にしてみてくださいね。
この他にも声の立ち上がりをよくする練習や、ポップスのための腹式呼吸など、ポップスのためのボイトレはたくさんあるので、自分に必要な練習を取り入れてどんどん活用していきましょう。
エッジボイスについては下記でさらに詳しく解説しています。エッジボイスに興味のある方はこちらも併せてご覧ください。
ボイストレーニングの定番テクニック、エッジボイスとは?出し方のコツや効果的な練習方法、習得するメリットと注意点も説明
クラシックが向いている人の特徴
クラシックの歌唱法は、ポップスとは異なる発声の考え方や身体の使い方が求められます。マイクを前提とせず、自分の身体そのものを楽器のように使って声を響かせるため、目指す音楽の方向性によって向き不向きがはっきり分かれるのが特徴です。
ここでは、クラシック発声に適性がある人の特徴として、以下の4つのポイントから解説します。
- 声量を活かした歌唱をしたい人
- マイクに頼らない発声を身につけたい人
- 正統派の発声を基礎から学びたい人
- ミュージカルや声楽に興味がある人
それぞれ詳しく解説していきましょう。
声量を活かした歌唱をしたい人
自分の声そのものの力で空間を満たすような歌い方に魅力を感じる人は、クラシック発声に向いています。
クラシックでは、マイクによる音量の補助を前提としていないため、身体全体を使って声を遠くまで届ける技術が重要になります。そのため、自然と声量が鍛えられ、「大きな声を出そう」と力むのではなく、効率よく響かせる感覚を身につけることができます。
この発声が身につくと、単に音量が大きくなるだけではなく、声に芯が生まれ、安定した歌唱が可能になります。
結果として、音程のブレや声のかすれが減り、聴き手に安心感を与える歌声になります。もともと声が大きい人はもちろん、「声量に自信がない」「すぐに声が疲れてしまう」という人にとっても、クラシックのボイトレは声のポテンシャルを引き出す有効な方法といえるでしょう。
マイクに頼らない発声を身につけたい人
マイクがなくても通用する発声を身につけたい人にとって、クラシックのトレーニングは非常に有効です。
ポップスではマイクを通すことを前提としているため、繊細なニュアンスや息混じりの声も表現として成立しますが、クラシックでは声そのものの響きがすべてです。そのため、身体の使い方や共鳴のコントロールを徹底的に学ぶことになります。
このようなトレーニングを重ねることで、無理に喉を使わずに声を響かせる感覚が身につき、長時間歌っても疲れにくい安定した発声が可能になります。また、マイクに頼らない発声は声の基礎力を大きく向上させるため、結果的にポップスを歌う際にも声の通りや安定感が向上するというメリットがあります。自分の声そのものを鍛えたいと考えている人にとって、クラシック発声は非常に価値のあるトレーニングといえるでしょう。
正統派の発声を基礎から学びたい人
歌の基礎をしっかりと身につけたい人にも、クラシックは適しています。
クラシックのボイトレは、呼吸法や姿勢、共鳴の使い方など、発声の根本から学んでいくのが特徴です。そのため、「なんとなく歌えている」という状態ではなく、「なぜこの声が出るのか」を理解しながら技術を身につけることができます。
この基礎力は、どのジャンルを歌う場合でも大きな武器になります。実際に、ポップスやミュージカルの分野で活躍している歌手の中にも、クラシック発声を基礎として学んでいる人は少なくありません。
基礎がしっかりしていることで、声のトラブルを防ぎやすくなり、長く歌い続けることができるようになります。将来的にさまざまなジャンルに挑戦したいと考えている人にとっても、クラシックのトレーニングは非常に有益な選択肢といえるでしょう。
ミュージカルや声楽に興味がある人
ミュージカルや声楽に興味がある人にとって、クラシック発声は欠かせない基礎となります。
これらのジャンルでは、広いホールでも声をしっかりと届ける必要があり、身体を使った響きのある発声が求められます。そのため、クラシックのボイトレで学ぶ呼吸法や共鳴の技術が、そのまま実践に活かされます。
また、クラシックのトレーニングを通して得られる安定した発声は、歌だけでなく舞台表現全体の質を高めることにもつながります。声が安定することで演技にも余裕が生まれ、より豊かな表現が可能になります。
将来的に舞台に立ちたい人や、本格的に歌を学びたいと考えている人にとって、クラシックのボイトレは理想的なスタート地点といえるでしょう。
ポップスが向いている人の特徴
ポップスは、クラシックとは異なり、マイクを通した歌唱を前提として発展してきたジャンルです。そのため、声量だけでなく、声質やニュアンス、感情表現などが重視される傾向があります。「上手い声」だけでなく、「伝わる声」が求められるのがポップスの特徴といえるでしょう。
ここでは、ポップス発声に向いている人の特徴として、以下の4つのポイントから解説します。
- J-POPやロックを上手く歌いたい人
- 感情表現を重視した歌を目指したい人
- 地声を活かした歌唱をしたい人
- カラオケで上手く歌えるようになりたい人
それぞれ詳しく解説していきましょう。
J-POPやロックを上手く歌いたい人
普段からJ-POPやロックをよく聴いていて、「好きなアーティストのように歌えるようになりたい」と考えている人は、ポップスのボイトレが適しています。
ポップスの発声は、クラシックのような強い響きよりも、楽曲の雰囲気に合った声質や表現力が重視されるため、実際に歌いたい楽曲に直結したトレーニングを行うことができます。
例えば、優しく語りかけるような歌い方や、力強く感情をぶつけるような歌い方など、楽曲ごとに求められる表現は大きく異なります。ポップスのボイトレでは、このような表現の幅を広げながら、自分の声の魅力を引き出していきます。
その結果、単に音程が合っているだけでなく、聴き手の心に残る歌唱ができるようになります。好きなアーティストに近づきたいという明確な目標がある人にとって、ポップスのトレーニングは非常に効果的です。
感情表現を重視した歌を目指したい人
歌を通して感情を伝えたいと考えている人にも、ポップスは向いています。ポップスでは、音の正確さだけでなく、「どのように歌うか」が非常に重要です。同じメロディーであっても、声の強弱や息の使い方、言葉のニュアンスによって、伝わる印象は大きく変わります。
そのため、ポップスのボイトレでは、単に発声を整えるだけでなく、歌詞の意味を理解し、それを声で表現する練習も行います。こうしたトレーニングを通して、歌に感情を乗せる感覚が身につき、聴き手の共感を得られる歌唱ができるようになります。「技術だけでなく表現力も高めたい」「自分らしい歌を届けたい」と考えている人にとって、ポップスの発声は理想的なスタイルといえるでしょう。
地声を活かした歌唱をしたい人
自分の話し声に近い自然な声で歌いたい人にも、ポップスは適しています。
ポップスでは、クラシックのように声を大きく変化させるのではなく、地声をベースにしながら音域を広げていくことが多いため、比較的自然な感覚で歌うことができます。
この発声法を身につけることで、無理に作った声ではなく、自分本来の声の魅力を活かした歌唱が可能になります。また、地声をコントロールする力が向上することで、高音域でも安定した声を出せるようになり、歌える楽曲の幅が広がります。
「自分の声を活かしたい」「自然体で歌いたい」と考えている人にとって、ポップスのボイトレは非常に相性の良いトレーニングといえるでしょう。
カラオケで上手く歌えるようになりたい人
カラオケで上手く歌えるようになりたいという目的がある人にも、ポップスのボイトレは適しています。カラオケで歌われる楽曲の多くはポップスであり、実際の楽曲に合わせた発声や表現を学ぶことで、すぐに上達を実感しやすいのが特徴です。
例えば、高音で声が裏返ってしまう、声が細く聞こえてしまうといった悩みも、ポップスのトレーニングによって改善することができます。
また、マイクの使い方や声の抜き方など、実践的なテクニックを学ぶことで、より完成度の高い歌唱が可能になります。趣味として歌を楽しみたい人はもちろん、人前で自信を持って歌えるようになりたい人にとっても、ポップスのボイトレは大きな効果をもたらします。
クラシック発声は独学でも習得できる?
クラシック発声に興味を持ったとき、「まずは独学で始めてみたい」と考える人も多いのではないでしょうか?
現在は動画サイトや書籍など、発声について学べる情報が数多く存在しており、以前に比べて独学のハードルは下がっています。しかし、クラシック発声は感覚的な要素も多く、単に知識を得るだけでは習得が難しい側面があるのも事実です。
独学でも発声の基礎を学ぶことは可能
クラシック発声は、独学でもある程度の基礎知識を学ぶことが可能です。
例えば、正しい姿勢や腹式呼吸の方法、声を響かせるための基本的な考え方などは、書籍や動画を通して理解することができます。こうした知識を身につけることで、発声に対する意識が変わり、これまでよりも楽に声を出せるようになる人も少なくありません。
また、独学には自分のペースで進められるというメリットもあります。時間や場所に縛られずに取り組めるため、忙しい人でも無理なく続けることができます。
クラシック発声に初めて触れる段階においては、独学で基本的な知識を得ることは有効な第一歩といえるでしょう。ただし、知識として理解することと、実際に正しく発声できることは別であるため、その違いを意識して取り組むことが重要です。
しかし感覚の習得には限界がある
クラシック発声の習得を難しくしている大きな要因の一つが、「感覚」の部分です。
声の響きや共鳴の位置、身体の使い方といった要素は目に見えないため、独学では自分が正しくできているかを判断するのが難しくなります。動画で聴いた理想的な声に近づけようとしても、その声がどのような身体の使い方によって生まれているのかまでは正確に把握できません。
その結果、自分では正しく発声しているつもりでも、実際には喉に頼った無理な発声になっていることがあります。
このような状態が続くと、発声が安定しないだけでなく、上達を実感しにくくなってしまいます。クラシック発声は感覚的な理解が重要な分野であるため、独学だけで完全に習得するには限界があるといえるでしょう。
クラシック発声は客観的な指導が重要
クラシック発声を習得するうえで大きな助けとなるのが、客観的な視点からの指導です。
自分では気づきにくい姿勢の崩れや呼吸の浅さ、喉の緊張なども、専門的な知識を持つ指導者であれば的確に見抜くことができます。こうした問題点を早い段階で修正することで、正しい発声を効率よく身につけることができます。
また、クラシック発声は一人ひとりの身体の特徴によって最適な方法が異なります。そのため、画一的な方法を真似するのではなく、自分に合った発声を見つけていくことが重要です。
客観的な指導を受けることで、自分の声の特性を理解し、それを活かした発声を身につけることができるようになります。
効率よく習得するには正しい環境が必要
クラシック発声を効率よく習得するためには、正しい知識と指導を受けられる環境が重要です。
独学でも基礎的な理解は可能ですが、誤った方法に気づかないまま練習を続けてしまうと、上達までに時間がかかってしまうことがあります。一方で、適切な環境で学ぶことで、発声の感覚を早い段階で身につけることができ、無理なく上達することができます。
また、正しい環境でのトレーニングは、声への負担を減らし、安全に発声を身につけることにもつながります。クラシック発声は奥が深い技術ですが、適切なサポートのもとで取り組むことで、その魅力をより深く実感することができるでしょう。長く歌を楽しむためにも、自分に合った学び方を選ぶことが大切です。
独学でクラシック発声を真似するリスク
クラシック発声は、一見すると「大きな声で響かせているだけ」のように見えるため、動画サイトなどを参考にして独学で真似しようとする人も少なくありません。しかし、実際には呼吸・姿勢・共鳴といった複数の要素が密接に関係しており、正しい理解がないまま取り組むと思わぬトラブルにつながる可能性があります。
ここでは、独学でクラシック発声を真似する際に起こりやすいリスクについて、以下のポイントから解説します。
- 喉に余計な負担がかかる可能性がある
- 響きの感覚は独学では習得が難しい
- 自己流の癖が定着してしまう
それぞれ詳しく解説していきましょう。
喉に余計な負担がかかる可能性がある
クラシック発声を独学で真似しようとした場合、最も起こりやすいのが喉への過度な負担です。
クラシックの歌声は迫力があるため、「大きな声を出さなければならない」と考え、無理に力を入れてしまう人が多く見られます。しかし、本来のクラシック発声は喉だけで声を出すものではなく、呼吸と身体全体の共鳴を利用して自然に響かせる技術です。
この仕組みを理解しないまま無理に声量を出そうとすると、喉に強い緊張が生まれ、声がかすれたり、痛みを感じたりする原因になります。さらに、その状態で歌い続けることで、声帯を傷めてしまうリスクも高まります。
正しい方法であれば喉に負担をかけずに響きを作ることができますが、独学ではその感覚を誤解したまま進めてしまう危険性があるため、注意が必要です。
響きの感覚は独学では習得が難しい
クラシック発声の最大の特徴である「響き」は、見た目では分かりにくく、独学で習得するのが難しい要素の一つです。
声は目に見えないため、自分では正しくできているつもりでも、実際には十分に響いていないことが多くあります。特に共鳴の感覚は非常に繊細で、少しの身体の使い方の違いによって大きく変化します。
また、動画などで聴く声は完成された状態であり、その裏にある身体の使い方までは正確に把握することができません。その結果、表面的な音だけを真似しようとしてしまい、本来とは異なる発声が身についてしまうことがあります。
正しい響きを習得するためには、自分の状態を客観的に確認しながら修正していくことが重要であり、そのためには専門的な視点からの指導が大きな助けになります。
下記では独学について、メリット・デメリットを含めて詳しく解説しています。こちらも是非ご覧ください。
ボイトレを独学で勉強するメリットデメリットと効果的な練習方法
自己流の癖が定着してしまう
独学で発声練習を続けていると、誤った方法がそのまま癖として定着してしまうことがあります。
最初は違和感があっても、繰り返すうちにその発声が「普通」になり、自分では問題に気づきにくくなります。しかし、このような癖は後から修正するのが難しく、改善するために多くの時間が必要になる場合があります。
特にクラシック発声では、わずかな姿勢の崩れや呼吸の使い方の違いが声に大きく影響します。間違った癖が定着した状態で練習を続けると、思うように上達しないだけでなく、声の安定性や表現力にも影響が出てしまいます。
効率よく発声を習得するためには、早い段階で正しい方法を身につけることが重要であり、自己流のまま進めてしまうことは上達の妨げになる可能性があります。
クラシックとポップスのボイトレに関するよくある質問(FAQ)
クラシックとポップスの違いについて理解が深まると、「自分はどちらを選ぶべきか」「後から変更できるのか」など、新たな疑問を持つ人も多くなります。ここでは、クラシックとポップスのボイトレに関して、初心者から特に多く寄せられる質問について分かりやすく解説します。
ボイトレを始める前の不安や疑問を解消する参考にしてください。
Q:クラシックとポップスはどちらが難しいですか?
A:一概にどちらが難しいとは言えませんが、求められる技術の種類が異なります。クラシックはマイクを使わずに声を響かせるため、呼吸や共鳴などの基礎技術を細かく習得する必要があります。
一方、ポップスは感情表現や声質のコントロールなど、表現面の難しさがあります。どちらも専門的な技術が必要ですが、自分の歌いたいジャンルや目標によって感じる難しさは変わります。大切なのは難易度ではなく、自分の目的に合った方法を選ぶことです。
Q:クラシック発声を学べばポップスも上手くなりますか?
A:クラシック発声で身につく呼吸法や共鳴の技術は、ポップスにも活かすことができます。特に、声の安定感や音程の正確さは向上しやすくなります。ただし、クラシックとポップスでは声の使い方や表現方法が異なるため、クラシック発声だけでポップスが完璧に歌えるようになるわけではありません。
ポップスにはポップス特有の発声や表現があるため、目的に応じたトレーニングを取り入れることが重要です。
Q:ポップスしか歌わない場合でもクラシックボイトレは必要ですか?
A:必ずしも必要ではありませんが、基礎力を高めるという意味では非常に有効です。クラシックのボイトレでは、声の土台となる呼吸や響きを身につけることができるため、結果としてポップスの歌唱力向上につながることがあります。
ただし、ポップスの表現力を伸ばすためには、ポップスに特化したトレーニングも必要です。基礎と応用の両方をバランスよく学ぶことが理想的です。
Q:途中でクラシックからポップス、またはポップスからクラシックに変更できますか?
A:変更することは可能です。実際に、クラシックを学んだ後にポップスへ転向する人や、その逆のケースもあります。ただし、それぞれ発声の考え方が異なるため、新しい発声に慣れるまでには時間がかかる場合があります。
正しい指導を受けながら進めることで、スムーズに移行することができます。むしろ両方の発声を学ぶことで、声の表現の幅が広がるというメリットもあります。
Q:初心者はクラシックとポップスのどちらから始めるべきですか?
A:最も重要なのは、「自分が歌いたいジャンル」から始めることです。好きなジャンルであればモチベーションを維持しやすく、継続につながります。ただし、基礎からしっかり学びたい場合はクラシック発声が役立つこともあります。
一方で、カラオケやJ-POPを上達させたい場合はポップスのボイトレが適しています。自分の目標に合わせて選ぶことが、上達への近道になります。
【まとめ】
そのボイトレ正しい?ポップスとクラシックの違いを知ろう

同じ歌でも、ポップスとクラシックはまるで対照的です。
ボイトレをするときには、まず自分の歌いたいジャンルがはっきりしていることが大切ですね。
そして、ポップスを歌いたい人は、ポップスの練習方法や発声方法を、クラシックならクラシックのボイトレをしましょう。
ボイトレをしていても、方向を間違えてしまうと最悪の場合マイナスにもなってしまいます。
ボイトレにおいても、たくさんの情報が溢れているので、今の自分には何が必要なのか、よく見極めて情報の選択をしていきましょう。



