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ボイトレするならモノマネが効果的!知らなきゃ損な練習方法

ボイトレするならモノマネが効果的!知らなきゃ損な練習方法

歌の練習方法のひとつに、モノマネがあります。

誰かのモノマネをすることがどう歌の上達につながるのか、と思われるかもしれませんが、モノマネをすると表現、テクニック、スタイルにおいて新たな気付きや発見があり、歌い方のバリエーションを増やすことができます。

もちろん、テクニックの向上にもつながりますし、いろんなモノマネをすることで、さまざまな筋肉を使うトレーニングにもなります。

しっかり取り組めば劇的な変化も期待できるほど、モノマネは、とても奥深いボイトレなんですよ。

しかし、ただまねをして歌うだけでは効果も半減してしまいます。

ここでは、どんなところを意識してモノマネをすればよいのか、練習のコツやその効果、注意点などもご紹介しますので、ぜひボイトレの参考にしてみてください。

ボイトレにモノマネを取り入れたいわけ

引用元:https://www.pakutaso.com/

人を惹きつける歌を歌う人は、音程やリズムが合っているだけではなく、声を使い分けたり、強弱やビブラート、間や抑揚、発音の仕方などたくさんのテクニックや表現方法を使って世界観を作っていますよね。

一見、淡々と歌っているように見えても、意識してよく聞いてみると、一曲の中にいろんな表現が散りばめられていることが分かります。

一本調子で歌っている人はいません。

それらのテクニックや歌い方、声のバリエーションを習得するためにもってこいなのがモノマネです。

好きなアーティストの歌を何度も聴いて歌っていると、モノマネをするつもりがなくてもそのアーティストに歌い方が似てくることってありますよね。

自然と、癖や歌い方をコピーしている状態です。

ボイトレでは、雰囲気をまねして歌うだけではなく、さらに深く追求していくことでテクニックや表現を磨いていきます。

ボイトレでモノマネをするときに意識したいこと

引用元:https://www.photo-ac.com/

ボイトレでモノマネをするときは、いろいろなことに目を向け、耳を傾けてみましょう。

たとえば、

・声質(声の太さ、曲中での声の使い分け)
・発音
・間のとり方
・ビブラートのかけ方
・フレーズの出だしや終わり
・息継ぎ
・映像があれば体の使い方

など。

細かい部分を聴いてモノマネしていくと「フレーズの終わりをこんな風に歌うと切なさが増す」「発音の仕方で印象が変わる」など、いろいろな気付きや発見があります。

何か気付いたことがあれば、その部分をたくさんまねして頭と体にインプットしていきましょう。

ボイトレでモノマネをするのに効果的な練習方法とテクニック習得のコツ

ボイトレでモノマネをするときは、耳で聞くだけではなく一緒に歌ってみることをおすすめします。

間のとり方、息継ぎ、フレーズの出だしや終わり方など、感覚がよりつかみやすくなるからです。

耳で聞くと一瞬に感じる間も、実際に合わせてみたら意外と間隔が長い、なんて発見もあるでしょう。

さらには、その間の中のどこで息継ぎをするのかなど、細かい部分にも目を向けてみてください。

間のとり方や息継ぎのタイミングでも、音楽の印象は大きく変わります。

一緒に歌ってみることは、自分の癖や苦手にも気付きやすいので、課題が見えてきたり、表現を追求するうえでは本当に勉強になることが多いです。

発見できた苦手や癖は、ボイトレの課題としてチェックしておきましょう。

通し練習よりも部分練習するのがコツ

モノマネの練習をするときは、一曲とおして歌うよりも短く区切って練習すると効果的です。

もちろん、歌の全体像を把握することも大切ですし、通し練習も必要ですが、一曲の中にはたくさんのテクニックが詰まっているので、通し練習ばかりしていると細かいテクニックを見逃してしまいます。

Aメロだけ、1フレーズだけなど、うまくできない部分は特に細分化して取り組んでみましょう。

きれいに発音できない言葉があれば、その言葉の部分を取り出して練習するのもよいですね。

たとえば、米津玄師さんの「Lemon」。

「あの日の悲しみさえ」の部分、「さえ」の「え」がうまくまねできなければ、「さえ」を取り出して練習します。

この部分をマスターするには、モノマネだけで十分か、それとも何か他のテクニックを掛け合わせた方がよいのか、などマスターするための方法も考えてみてください。

必要があれば、今、自分に足りないテクニックのための練習も追加するとよいでしょう。

根気のいる練習ですが、深く追求することでより練習の幅が広がり、内容も濃くなります。

そうして、スタイルやテクニックをまねしてインプットしていくと、歌い方のバリエーションがどんどん増えていきます。

そして、そのテクニックをたくさんの曲の中で組み合わせたり、応用して使っていくうちに、モノマネではなくあなたの個性となっていきます。

テクニックや表現方法は、ボイトレを重ねてしっかり身につけてしまえば、どんな曲を歌うときでも体から自然と出てきて活用できるようになりますし、表現やテクニックの引き出しが多くなる分、自分の表現したいことをより形にしやすくなります。

ボイトレにモノマネを取り入れると○○が良くなる

引用元:https://pixabay.com/ja/

これは、ズバリ耳です。

モノマネをするためには、いろんな音やリズムを聞き分けるために、かなり耳を使いますよね。

そのため、耳が鍛えられます。

耳の良さは歌を歌う上では重要なポイント。

音がよく聞こえる耳という意味もありますが、いろんな音を同時に瞬時に聞き分けられる耳が育つと歌の上達にもつながります。

音感、リズム感、強弱などの抑揚、間など取りやすくなるためです。

また、バック演奏のリズム、ベース、メロディ、歌のハモリなどさまざまな音を聞き取ることができると、音楽的な感性も深まります。

耳は喉と同じくらい大事なんですね。

ボイトレにモノマネを取り入れることは、耳のよい訓練にもなりますよ。

ボイトレでモノマネをするときに注意したいこと

引用元:https://www.photo-ac.com

ボイトレでモノマネをするときに、注意しておきたいことがあります。

1. 同じ人のモノマネばかりしないこと
2. 無理に歌わないこと

ボイトレでモノマネをするときは、好きなアーティストやジャンルに偏りがち。

その方が楽しくボイトレできますし、集中力も高まるのは間違いないのですが、同じ人のモノマネばかりすると、その歌手の癖や歌い方が染みついてしまいます。

それでは、テクニックの習得というよりも、ただのモノマネになってしまうので要注意です。

ボイトレにおけるモノマネは、あくまでも自分の可能性を広げることが目的。

なるべく、いろんな歌手やジャンルを選びチャレンジしてください。

また、自分よりもキーの高い歌手、シャウトを使う曲、しゃがれ声の歌手など、難易度の高いテクニックや発声で歌う曲などは、喉を痛めてしまう可能性があるので、無理にモノマネをしないようにしましょう。

モノマネしたい曲の難易度が高いと感じる場合は、ボイトレスクールでトレーナーの指導を受けて練習するようにしてください。

高いキーを出すための発声法、シャウトやしゃがれ声を出すためのテクニックをしっかり教えてもらえますよ。

ボイトレに取り入れたいモノマネ番外編

引用元:https://www.photo-ac.com/

ここまでは、歌手のモノマネをするボイトレについてご紹介しましたが、モノマネするのは歌手に限らず、猫や犬、鳥、ヘリコプターなど動物の鳴き声や物の音をまねするボイトレもあります。

たとえばネコの「ニャーオ」という鳴きまねは、鼻腔に声を共鳴させるための練習に使われたりします。

これらのモノマネは、喉を開く、筋肉を柔軟にするなど発声のトレーニングとして活用されることが多いボイトレですね。

番外編と書きましたが、動物のモノマネをレッスンに取り入れるトレーナーは多く、定番のボイトレです。

慣れないうちは「鼻腔共鳴」と言われても感覚がよく分かりませんが、ネコの鳴きまねならイメージも明確で実践しやすく、感覚がつかみやすかったりします。

動物のモノマネもぜひ、活用してみてください。

【まとめ】
ボイトレするならモノマネが効果的!知らなきゃ損な練習方法

引用元:https://www.photo-ac.com

モノマネは一見、オリジナリティがなく自分の個性を抑えるようなイメージもありますが、モノマネすることで得られるものは、想像以上に多く、内容の濃いものです。

地道な作業と練習ですが、細かい部分にフォーカスしながら曲とじっくり向き合うので、一曲をコピーするだけでも、かなり多くの気付きや習得があるでしょう。

それは、テクニック、表現、音楽性から自分の癖や苦手など実にさまざまです。

モノマネから習得したものが自分のものとして定着し、自然と音楽表現につながっていることに気付けたときは、自分でも上達を実感できてとても嬉しいものです。

モノマネは、わたしの経験からもおすすめしたい練習方法です。

特に、表現方法がよく分からない方や自分の表現方法に限界を感じている方、表現力を磨きたい方は、ぜひ、トライしてみてください。