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ボイトレ

ボイトレならポルタメント!音域を広げて表現技法も磨けます

ボイトレならポルタメント!音域を広げて表現技法も磨けます

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歌を歌うとき、いろいろなテクニックを駆使して素敵な表現をしたいですよね。

でも、それってプロの歌手や歌が得意な人だからできることだと思っていませんか?

ボイトレには、体の使い方や発声練習など、さまざまなトレーニングがありますが、もちろん、表現方法を磨くためのトレーニングもあります。

そして、数あるテクニックの中から今日ご紹介するのは、ポルタメントです。

ポルタメントは、歌の要所要所で魅力的なアクセントやスパイスになります。

また、ポルタメントのトレーニングは、テクニックだけではなく高音域や低音域を出しやすくするトレーニングでもあります。

ポルタメントをマスターして、表現力の幅を広げながら高音域や低音域で伸びやかな声を手に入れましょう。

ボイトレにプラスしたいポルタメントとは

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ポルタメントは、ある音からある音までを、なめらかにスライドさせて移動するテクニックのことを言います。

しゃくりやフォールと非常に似たテクニックで、よく混同されがちですが、実は、似て非なるもの。

ただ、人によっては、しゃくりやフォールを交えたテクニックをポルタメントと定義する場合もあります。

ポルタメントは、クラシック音楽や声楽でよく使われる言葉で、「声を運ぶ」という意味です。

ポルタメント発声などと言われますが、ポルタメントは発声法でもあり音楽技法でもあります。

ポルタメントの効果とは、ポルタメントってどんなイメージ

ポルタメントを使うと、疾走感のある曲なら加速感や高揚感を表現することができます。

ポルタメントする音域が広ければ、より盛り上がりを見せることもできるでしょう。

バラードであれば、切ない感情を表したり、落ち着きを感じることもできます。

また、感情が強くのらない場面だとしても、ポルタメントがアクセントとなり抑揚がつくことで、歌にグッと味がでます。

文章ではイメージがつかみにくいかもしれませんが、

・音が直線ではなく曲線を描いている
・物が落下していくときの効果音

などと、イメージしてみてください。

例えば、ドからソまで音階を上がるとき、「ド、レ、ミ、ファ、ソ」と一つ一つの音をはっきり発音するのではなく、「ドレミファソ」と、なめらかにスライドしていきます。

このとき、音と音の境界線が分からないくらいなめらかであることがポイント。

そして、最初の「ド」と最後の目的地である「ソ」の音は明確にしておきます。

中間の「レミファ」をスライドさせ、目的の「ソ」にたどり着いたら「ソ」の音にしっかり腰を下ろすようなイメージです。

よく使うテクニックなので、ぜひ習得しておきましょう。

ただし、ポルタメントを曲中で使うと、よいスパイスにはなりますが、使い過ぎないようにしてください。

どんなに素晴らしいテクニックも、多用すると鬱陶しく思われる可能性があるので注意です。

ポルタメントはボイトレのストレッチにもなる

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ポルタメントは、ボイトレにおいて声帯のストレッチにもなるんですよ。

発声練習や歌唱で、音程が外れてしまうと悩んでいる人の中には「わたしは歌が下手で」という方もいますが、音程が外れてしまうのは、筋肉のストレッチ不足の可能性があります。

音程を合わせるときは耳を使っていますが、耳だけではありません。

耳で聞いた音に合わせるように、喉周辺の筋肉を使って音程を調整しているのです。

筋肉がほぐれていなければ、思うように動かせず、音程がズレてしまうのも納得ですよね。

そのため、発声前にストレッチをしておくことは大切なことなのです。

ボイトレや歌の前には、声帯のウォーミングアップとしてポルタメントを取り入れてみましょう。

リップロールをしながらポルタメントをするのが、効率も良くおすすめです。

ポルタメントのボイトレ方法を詳しく解説

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実際に、ポルタメントを使ったボイトレをしてみましょう。

ボイトレのときは、ピアノやピアノアプリなど音程を確認できるものを用意してください。

まずは2つの音でゆっくりと

① 「ドド#」の音をピアノで出しながらゆっくり交互に歌います
② 一音ずつにアクセントがつかないように、音程はあくまでもなめらかに移動しながら繰り返してください

まずはゆっくりゆっくり始めましょう。

テンポが速いとどうしても一音一音をはっきり発音してしまいます。

また、音が下がるときは喉がゆるみやすいので、アクセントがつきがち。

特に気をつけましょう。

ドとド#の間で、音の曲線を描くようにイメージしてくださいね。

音は「ド」じゃなくても大丈夫です。

あなたの音域に合わせて行いましょう。

慣れたら「ドレ」「ドレ#」「ドミ」と半音ずつ音を上げていきます。

ポルタメントは低音のボイトレ練習にも良い

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ポルタメントは、低音域を出しやすくするためのボイトレとしても活用できます。

出しにくい低音の音をピンポイントで出そうとすると、音をつかみにくくズレてしまいますよね。

しかし、ポルタメントを使えば、中音域からなめらかに音程を下げていけるので、目的の音まで自然に到達できてしまうのです。

そうすると、出しにくいと思っていた低音が案外、楽に出せて、その感覚をつかむことができます。

ちょっと不思議な感覚になりますが、出しにくいと思っていた音が出せるのは素直に嬉しいものです。

苦手意識もなくなりますし、ぜひ試してみてください。

やり方は簡単です。

① あなたの出しにくいと感じる低音をピアノで確認し、目的とします
② まずはその音を「あー」と発声してみます
③ 中間音あたりから、狙った音に向かってなめらかにポルタメントしていきます

どうでしょう、うまくいきましたか。

ポイントは、リラックスして行うことです。

ボイトレの高音練習にも効果的なポルタメント

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ポルタメントは高音のボイトレにも適しています。

理屈は、低音域を出しやすくするのと同じことです。

低音と同じで、高音もやはり一発ピンポイントでは、目的の音が出せないことが多いです。

高音の場合は、喉に力が入ってしまうので余計に。

ですが、ポルタメントでなめらかに上がっていくと、出しにくい高音をスルッと超えてしまうこともあります。

試してみましょう。

① 高音の場合もまずは、あなたの限界だと感じる音を確認して、いちど発声してみましょう
② 今度は、ポルタメントで低音から高音へ、高音から低音へと何度か往復します
③ このとき、音程は曖昧でかまいません
④ 少しずつ音域を広げていきましょう

この練習を何度かしていると、高音を出すコツや感覚がつかめてきます。

ポルタメントを速くして、音のなめらかさがなくなってしまう場合は、慣れるまでゆっくりでも大丈夫です。

また、「ドレミファソ」からはじまる半音階のスケール練習もポルタメントでやってみましょう。

慣れてきたら、「ドレミファソラシド」と1オクターブで挑戦してみてください。

高音発声のコツを自然に感じられるようになりますよ。

【まとめ】
ボイトレならポルタメント!音域を広げて表現技法も磨けます

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ポルタメントのボイトレは、流れにのっていったらスルッと限界を超えていたということがあるので、少し不思議な感覚になるのですが、超えられたときの喜びはひとしおですね。

できた!という喜びがボイトレのモチベーションにつながったりもします。

何度も練習していくことで、その場限りではない、しっかりとした発声として身につけていきましょう。

また、音楽技法の面で見たポルタメントも使いこなすことができれば、もう一味、歌にアクセントをくわえることができます。

音楽技法を習得すると、表現したいと思ったことを音楽という形に変えられます。

あなた自身もより歌を楽しめますし、カラオケでは歌が上手いと評判になること間違いなしです。

歌の上達を目指して、テクニックをどんどん磨いていきましょう。