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ボイトレがなり声の出し方を簡単解説!正しいがなりは喉を痛めない?

ボイトレがなり声の出し方を簡単解説!正しいがなりは喉を痛めない?

引用元:https://pixabay.com/ja/

もし、カラオケやライブでがなり声を使うことができたら…。

もう、想像するだけでカッコいいですね。

がなり声は、声のインパクトだけでなく、怒りや強さ、時にはやりきれない切なさのような感情をダイレクトに伝えることができる表現方法でもあります。

ボイトレでがなり声を出すコツは、わりと簡単につかむことができますが、がなり声は喉を傷つけやすいもの。

正しい発声をマスターしなければなりません。

そこで今回は、がなり声を習得するためのボイトレ方法や注意点、がなり声が特徴のアーティスト紹介など、がなり声についてまとめました。

ボイトレでマスターしたい正しいがなりの発声

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がなり声は、シャウト系の発声方法で、唸り声と呼ばれることもあります。

シャウトというと高音で叫ぶイメージがありますが、がなり声は、叫ぶこととは少し異なります。

怒鳴っているときの声に近く、ガラガラとかゴロゴロした声が出るのが特徴で、曲の中で強調したいことがあるとき、アクセントとして使われることが多く、曲の要所要所でがなり声が入ると、力強く迫力もあり、グッと人を惹きつけるカッコいい魅力があります。

プロの歌手でもがなりを使っている人は多く、ぜひマスターしておきたいテクニックのひとつですね。

ボイトレをすれば、がなり声を出せるようになりますが、喉に負担がかかりやすい発声方法なので、正しい練習をしなければ喉を痛めてしまう可能性があります。

そのため、がなり声の練習をするときは必ず正しいボイトレを行いましょう。

がなり声をだすためのボイトレ方法

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さっそく、がなり声を習得するためのボイトレ方法を見ていきましょう。

まず、がなり声を出すときは、仮声帯を閉めた状態で発声をします。

仮声帯とは、声帯の上の部分にあり、食べ物が気管に入らないように蓋のような役割があります。

普段声をだすときには、仮声帯から音は鳴りませんが、がなり声をだすときには、仮声帯も同時に鳴らします。

仮声帯が閉まる感覚とは

仮声帯が閉まる感覚を覚えましょう。

唾を飲み込んでみてください。

飲み込んだときに、喉のあたりでコクっと動く部分があるのが分かります。

そこが仮声帯です。

そして、飲み込んだときの喉の感覚。

それが、仮声帯が閉まっている状態です。

まずは、その感覚を覚えてください。

仮声帯を軽く閉じて発声をしていく

次に、仮声帯を閉めたまま声を出していきますが、これにはコツがあります。

① 咳払いをする

咳払いをしたときに仮声帯が閉まり、そこに強く吐き出された息が通ることによって仮声帯が震え、ガラガラとした音が出ます。

咳ばらいをするとき、喉に意識を向けがちですが、腹式呼吸でお腹から息を送り込んでいることをイメージすると、がなり声の強さが増します。

また、喉の負担を軽減するためにも、腹式呼吸はマストです。

② 咳払いの状態で声を出してみる

仮声帯を閉じ、咳払いの状態で声を出してみましょう。

「あ゛」「あ゛」と、短く切って出してみます。

このとき、喉に力を入れてしまうと喉にダメージを与えてしまうので、腹式呼吸で息を強く出しながら発声してくださいね。

③ 咳払いを伸ばしてみる

「んんー」と咳払いを伸ばしてみましょう。

④ 言葉をのせる

咳払いに言葉をのせていきます。

咳払いを伸ばしながら、「んんーあ゛あ゛あ゛あ゛」「んんーい゛い゛い゛い゛」と母音を使って伸ばしてみると、がなり声が出るようになります。

重たいものを持ちあげようとするときの「んんーん゛ん゛ん゛う゛う゛う゛」のような唸り声をイメージしてみましょう。

実際に重いものを持ち上げてみてもいいかもしれません。

そして、発声をしているときは、仮声帯が軽く閉じている状態をキープできるように意識してみてください。

お腹から流した息を仮声帯にあてて、さらにそこから息を押し出すようなイメージです。

がなり声の発声に慣れてきたら、音程をとりながら練習をしてみましょう。

無理な練習は禁物

がなり声の発声練習は、声帯へのダメージを減らすために、喉には力をかけず必ず腹式呼吸で行ってください。

また、仮声帯を強く閉じてしまうと声を出す際の摩擦も強くなり、ダメージを与えてしまう原因になるので、軽く閉じることがポイントです。

もし、途中で喉が乾燥したりイガイガしてきたら絶対に無理はせず、休憩をはさむか、その日の練習は終わりにしてくださいね。

がなり声のデメリットとボイトレで気をつけたいこと

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がなり声のデメリットは、やはり喉を痛めてしまうことですが、正しいボイトレをしてしっかり発声ができるようになれば、喉にそこまで負担をかけずにがなり声を出すことができます。

そのためにも、正しいボイトレ方法を知ると同時に、なぜ喉を痛めてしまうのか注意点を知っておきましょう。

練習は少しずつ行う

喉を痛めてしまうのは、声帯にダメージを受けているからです。

仮声帯は本来発声のための器官ではないので、発声においては特にダメージを受けやすい声帯なのです。

慣れないうちは、咳払いを少し繰り返しただけでも喉がイガイガしてきて、痛みや違和感が残ってしまうことがあります。

そうすると、歌声にも大きな影響がでてしまうので、いちどにたくさん練習をせず、少しずつ練習してください。

練習が物足りなく感じるときは、1日の中で練習を小分けにして行うとよいでしょう。

喉を開く

ボイトレのとき、喉が開いていないことも声帯を痛める原因になります。

声帯が圧迫されてしまうので、自然な振動ができなくなってしまうためです。

そのため、喉を開いて歌う練習もボイトレに取り入れていきましょう。

おススメは、ハミングです。

ハミング練習

① 口を閉じた状態で鼻歌を歌います
② 鼻腔に声を響かせましょう

ポイントは、体の力を抜いて喉もリラックスしていること。

そして、腹式呼吸で行いましょう。

鼻に声が響く感覚が分からないときは、声を出しているときに鼻をさわってみてください。

鼻から振動を感じればOKです。

ハミングで、ロングトーンや音階を歌ったり、好きな曲を歌ってみましょう。

ハミングのときは、自然に喉が開いている状態なので、ハミングをしているときの声帯の感覚を感じてください。

ボイトレで歌いたい!がなり声が特徴の曲3選

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最後に、がなり声が魅力的な歌手とその楽曲をご紹介します。

音源を聴いて、がなり声のボイトレの参考にしたり、発声をマスターしたあとは、がなり声の練習に歌ってみてくださいね。

ONE OK ROCK「完全感覚Dreamer」

ONE OK ROCKのボーカルTakaは、カッコよくがなり声を使いこなすアーティストとしてよく取り上げられています。

「完全感覚Dreamer」のサビは、力強いがなり声で感情を表現しているんですよ。

アクセントとしてのがなりもそうですが、がなり声でキレイに歌い上げているところも注目したいポイント。

他にも、シャウトやファルセットなどがなり声以外のさまざまな発声法やテクニックを見ることができるので、ボイトレの参考にも聴いてほしい一曲です。

Ado「うっせぇわ」

数年前にリリースされたAdoの「うっせぇわ」も、がなり声の代表的な曲と言えるでしょう。

要所要所に散りばめられたがなり声からは、怒りやイライラ感がよく伝わってきますよね。

強烈な歌詞もそうですが、いくつもの声のテクニックを使い分け、曲中で縦横無尽に行き来する声色もまたインパクトがあり、世界に引き込まれた方も多いのではないでしょうか。

がなり声もそのうちのひとつですね。

クリスティーナ・アギレラ「Fighter」

クリスティーナ・アギレラの「Fighter」も、がなり声が特徴の曲としてよく挙げられています。

言葉の一節にのせた唸るような声のがなり声が魅力的で、スパイスとして効いています。

やはり力強く、感情がダイレクトに見えるのが特徴ですね。

他にも、魅力的ながなり声で歌う歌手はたくさんいます。

真似をして歌ってみたい歌手を見つけて、ボイトレの参考にし、また、レパートリーを増やしてくださいね。

【まとめ】
ボイトレがなり声の出し方を簡単解説!正しいがなりは喉を痛めない?

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がなり声はボイトレで習得できるテクニックですが、正しい発声をマスターするまでは喉を痛めやすいので、練習は喉の様子を見ながら注意して行いましょう。

仮声帯や腹式呼吸などは体の中のことなので、ボイトレで先生の声帯のお手本を見る、というわけにもいきません。

そんなときは、声帯の位置や体の中の空気の流れなど、イメージすることを大事にしましょう。

頭で考えると難しいことも、イメージをしながら実践してみると感覚が見えてきたりします。

がなり声やシャウトを上手に使いこなせたら、インパクトは大きいですし、カラオケやライブも盛り上がりますね。

ぜひ、がなり声を習得するためのボイトレにチャレンジしてみてください。