ボイトレにソルフェージュがおすすめのわけ!練習方法やコツを解説
ボイトレをしていても、いざ歌を歌うとうまく音程が取れないし、よく音を外してしまう。
また、リズムが複雑な曲をスムーズに歌えないなど、練習の中でも思うようにいかない苦手な部分ってありますよね。
しかし、自分には歌は向いていないのかな…と落ち込むことはありません。
まずは、苦手や不得意を克服するための、正しい練習方法を取り入れて実践してみることが大切です。
そこで今回は、音程やリズムをとるのが難しいという方におすすめの練習方法「ソルフェージュ」をご紹介します。
ソルフェージュとは、音感を鍛えたり楽譜を読むための音楽の基礎トレーニングで、楽器や声楽など、音楽を勉強している人にとっては必須のトレーニング。
音大受験でもソルフェージュの試験があります。
ボイトレにもソルフェージュが必要なの?と思われがちですが、ソルフェージュの練習は歌においてもたくさんの良い効果をもたらし、上達するためにはぜひ取り入れたい練習のひとつです。
ここでは、ボイトレに必要なソルフェージュの考え方や実際のトレーニング方法、練習のコツなどまとめているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ソルフェージュで鍛えるボイトレの基礎
ボイトレにもぜひ取り入れたいソルフェージュ。
ソルフェージュのレッスンをすると、主に次のような力を身につけることができます。
・楽譜がスラスラ読めるようになる
・音やリズムを聞き取る力がつく
・楽譜を見て楽譜通りの音程やリズムがとれるようになる
・音楽理論を理解する
・相対音感を鍛える
・耳コピできるようになる
このように、ソルフェージュでは音楽の基礎となる部分を鍛え、音感を養っていきます。
なんだか難しそうに感じてしまいますが、自分が発声する音がどの音なのか、どんなリズムなのか、音の長さはどれくらいなのかなど、耳でしっかり聴きとれることや音楽的に理解することは、音楽(歌)を作り、表現していくうえでとても大切なことです。
音楽の仕組みが理解できると、より音楽を楽しめるようにもなりますし、ボイトレをしていくうえでのメリットもたくさんあるんですよ。
ボイトレでソルフェージュ!音感を磨こう
ボイトレでは、主に音感やリズム感を鍛えるためにソルフェージュのレッスンをします。
ソルフェージュのレッスンを取り入れていけば、
・正確な音程が取れるようになる
・正確なリズムが取れるようになる
など、音程やリズムにおいて基礎力の向上につながります。
正確な音程がとれるようになると、歌が安定するだけでなく、ハモリを心地よい響きで歌えるようになるでしょう。
それは、声と声のハモリに限らず、バック演奏の楽器の音とハモるときも同じで、自分の声をきれいに聴かせることができます。
また、よくあるのが、慣れているカラオケの音源ではスムーズに歌えるけれど、ピアノの伴奏やいつもと違うバック演奏でメロディラインの音がないと、出だしの音が分からなくなったり、音程やリズムがまったくつかめず混乱してしまうというもの。
ボイトレにソルフェージュを取り入れ音感を磨いていけば、メロディラインの音がなくても、バック演奏の中から鍵となる音を見つけて、そこに合わせてメロディの音程を取れるようになっていきます。
聴く力が鍛えられれば、ハモリの和音を耳で聴いただけでどの音とどの音でハモっている、なんてことも分かるようになりますよ。
歌を覚えて実際に歌唱するまでが、とてもスムーズになるのです。
ボイトレに楽譜は必要?ソルフェージュで覚えたい譜読み
ボイトレや歌は、自分の声をコントロールするので、ある程度音感があれば耳で聴いて音程やリズムをとることができますよね。
そのため、音源だけでも練習は可能です。
しかし、楽譜が読めると様々な面でメリットがあり、音楽的にもレベルアップが望めます。
ひとつは、出したい音程やリズムを視覚で正しく確認することができます。
また、耳で歌を覚える場合、メロディラインを追ってしまいがちですが、楽譜が読めると音楽の全体の構成を見ることができます。
サビに向かってどのように盛り上がっていくのか、また、歌詞と音のつながりも分かりますし、バンドスコアを読むことができれば、他の楽器とボーカルの関係性や役割が見えてきます。
たとえば、サビのあとにギターソロが入るとき。
あなたは、サビの終わりの音をどのように歌っていますか。
直前のボーカルの声がギターに少しかぶった方が良いのか、ギターを聞かせるためにギターソロの前にはボーカルの音を切った方が良いのかなど、楽譜には音符や記号で的確に記されています。
全体の音楽の流れを理解すれば、音楽的にもまとまりができ、曲の仕上がりもよくなりますよ。
このように、楽譜を読み理解することは、表現力の向上にもつながりますし、何よりも音楽が分かると音楽がさらに楽しくなります。
音楽性を高めるためにも、ソルフェージュはボイトレのメニューに組み込んでいくのがおすすめです。
ボイトレ実践!ソルフェージュの練習方法
それではソルフェージュの練習方法をご紹介します。
ボイトレでは、ピアノやキーボードを使ってスケールの練習をしていきます。
1. 楽譜通りにピアノを弾く
2. その音に合わせて歌う
3. 最後は自分の声だけで歌う
最後は、ピアノの音がなくても正確な音程をとります。
慣れてきたらピアノの音で確認をせず、はじめから自分の声だけで歌ってみましょう。
スケールのパターンは、
・ドレミファソラシド
・ドド#レレ#ミファファ#ソソ#~(半音階)
・ドミソミド
・ドレミレド
の音形や、
・ドミレファミソファラ
・ドファレソミラファシ
など、3度や4度で上がっていくなど、パターンはさまざまです。
※分かりやすくスケールの基本の音を「ド」にして書いていますが、自分に合ったキーで練習してくださいね。
スケールは、基本のレガートの他にもスタッカートで。
また、リズムを変えるなどいくつもの練習方法があるので、慣れてきたらいろいろなパターンにチャレンジしてみてください。
スケール以外にも、簡単なメロディーを使ったトレーニングもありますよ。
そして、ボイトレの上達を目指す人向けに、ソルフェージュのトレーニングができるアプリもあります。
ゲーム感覚で問題に挑戦していけるので、練習の成果を試したい人、ソルフェージュは難しそうでちょっと苦手意識がある…、という人でも気軽に楽しむことができます。
録音機材を活用しよう
ボイトレでソルフェージュをするときには、録音機材を用意しましょう。
スマホのアプリでも大丈夫です。
自分の声を録音しておくと、どの音がズレているのか客観的に聴いて確認することができます。
とくに、ピアノの音で確認せず、はじめから自分の声のみで歌うときには必ず録音をして、音程がとれていたか確認しましょう。
ソルフェージュがうまくできないときのボイトレのコツ
うまく音程がつかめないときは、発声だけに注目せず体の使い方も意識してみてください。
姿勢はどうなっているか、腹式呼吸で発声できているかなど。
どんなときに音がズレてしまうのか、体の癖が見つかるかもしれません。
そして、練習のコツですが、うまくいかないときに「ドレミファソラシド」「ドミソミド」とやみくもに歌っていても解決しません。
まずは隣り合った音同士の幅の感覚をつかんでいきましょう。
たとえば、「ドレ、ドレ、ドレ」とドとレだけを反復して感覚としてつかんでいきます。
「ドミソミド」も同じで、「ドミ、ドミ、ドミ」と3度ひらいた音の幅を感じましょう。
この練習では、相対音感も身についてきます。
また、「ドド#」「レレ#」など、隣り合う半音の練習もしてみてください。
自分では正しくトレーニングできているか分からない、上達しているか判断できない場合には、ボイトレスクールに通ってプロのレッスンを受けるのがおすすめです。
【まとめ】ボイトレにソルフェージュがおすすめのわけ!練習方法やコツを解説
ポップスを歌う場合、ボイトレにソルフェージュは必要なのかと思われがちですが、テクニック的にも、また音楽への理解を深めるという意味でもぜひ組み込みたいおすすめのトレーニングです。
ソルフェージュや楽譜は、苦手意識を持つ人もいるかもしれませんが、ソルフェージュでトレーニングをつむと、逆に音楽やボイトレをするうえで苦手なことが減っていきますよ。
音程やリズム感が鍛えられればテクニック面で上達し、楽譜を読み音楽を理解すれば、ボイトレでもスムーズにできることが増えるからです。
それはやがて、大きな自信につながっていきます。
ぜひ、ボイトレにソルフェージュのメニューを取り入れ、音楽を楽しんでいきましょう。