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歌うと声がかすれる原因と治し方|病気の可能性や喉のケアも解説

歌う時に声がかすれるのは、発声方法や喉のコンディションが主な原因ですが、場合によっては病気が隠れている可能性もあります。
この記事では、歌う時になぜ声がかすれるのか、その原因を詳しく解説し、具体的な改善策や喉のケア方法、病院を受診する目安まで紹介します。

  • 普段は声がかすれないのに歌うと声がかすれてしまう
  • 安定した歌声をキープしたい
  • 声のかすれが長期間治らない

上記に当てはまる人にぴったりの情報をお届けします。

記事を最後まで読んで、正しい知識を身につけ、喉を大切にしながら歌を楽しみましょう。

歌うと声がかすれる時の主な原因とは


歌う時に声がかすれるのは、単に歌いすぎという理由だけではありません。
主な原因は、喉に負担をかける間違った発声方法と、喉の酷使や乾燥といったコンディションの問題に大別されます。

自分の声がかすれる原因がどちらにあるのか、あるいは両方なのかを理解することが、改善への第一歩です。
まずは、どのような要因が声のかすれを引き起こすのか、具体的な原因を見ていきましょう。

無理な発声

声がかすれる最も一般的な原因は、喉に過度な負担をかける発声方法です。
特に、喉を締め付けて発声する「喉声」は、声帯に直接的なダメージを与え、炎症や声のかすれを引き起こします。

このような間違った発声方法は、声帯の筋肉を疲弊させ、本来のパフォーマンスを妨げる大きな原因となります。

当スクールに相談に来られる方の多くが、喉声による声のかすれにお悩みを持っています。喉声が原因で歌う時に声がかすれてしまう人は、適切な発声方法の指導を受けることでスムーズに改善するケースが多いです。

声帯の疲労

適切な発声方法を心がけていても、喉のコンディションが悪ければ声はかすれてしまいます。
長時間の歌唱や練習による声帯の酷使は、筋肉疲労や炎症の直接的な原因です。

また、空気が乾燥していると喉の粘膜が乾き、声帯の潤滑がうまくいかずに摩擦が大きくなります。
睡眠不足やストレス、疲労なども自律神経のバランスを乱し、喉の筋肉のコントロールに影響を与えるため、声の不調の原因となり得ます。

呼吸の浅さ

呼吸が浅いと、歌う時に必要な息の量が十分に供給されず、声帯に負担がかかり、声がかすれる原因となります。浅い呼吸では息のコントロールが不安定になり、声帯に無理な力を入れて発声してしまうため、結果として声がかすれるのです。

深い呼吸(腹式呼吸)を意識し、安定した息の量を確保することで、声帯への負担を減らし、かすれにくい声で歌えるようになります。

舌の筋力不足

舌の筋力が不足していると、歌う時に舌が喉の奥に引っ込んだり、不必要に力が入ったりして、声帯の動きを妨げることがあります。舌の付け根(舌根)が上がってしまうと、喉の奥が狭くなり、声帯に負担がかかって声がかすれる原因となるのです。

舌の筋肉を適切に使えるようになると、喉の空間を広げやすくなり、声帯がスムーズに振動できるようになります。これは、響きのあるクリアな声を出すために非常に重要です。

普段の発声のなかで「舌足らず」「滑舌が悪い」と言われる人のなかにも、舌の筋力が弱いケースが多くみられます。適切なボイストレーニングを受けることで、舌の筋力不足は改善可能です。

歌うと声がかすれる場合の予防方法


歌う時の声がかすれるのを予防するためには、事前のウォーミングアップや喉のケアが重要です。喉に負担をかけずに歌うためには、歌う前に声帯を温め、全身の筋肉をほぐしておく必要があります。適切な準備を行うことで、声帯への負担を軽減し、声のかすれを防ぐことができるのです。

ここでは、具体的な予防方法をいくつかご紹介します。

ウォーミングアップをする

歌唱時に声がかすれるのを防ぐためには、喉への負担を最小限に抑え、声帯をスムーズに機能させる準備運動が非常に重要です。特に、声帯を無理なく動かすためのウォームアップは、歌う前の喉のコンディションを整える上で欠かせません。

このセクションでは、歌う前に喉を適切に温め、声のかすれを予防するための具体的なウォーミングアップ方法について解説していきます。

リップロール

リップロールは、唇を閉じて「プルプル」と振動させながら息を吐き出すトレーニングです。この動作は、声帯周辺の筋肉をリラックスさせ、一定の息の量を保つ練習にもなります。

声がかすれた時にリップロールを行うと、声帯への過度な圧力を解放し、喉の緊張を和らげる効果が期待できます。声を出さずに息だけで行うだけでも効果があるため、歌の合間のクールダウンや、発声前のウォーミングアップとしても非常に有効な方法です。

ハミング

ハミングは、口を閉じたまま鼻歌を歌うように「んー」と声を出す発声練習です。声帯を優しく振動させ、喉に負担をかけずに声帯周辺の筋肉を温める効果があります。

声がかすれた時にハミングを行うと、声帯の緊張が和らぎ、声帯の柔軟性を高めることにつながります。また、鼻腔や副鼻腔に響きを感じることで、声の響かせ方を意識する練習にもなります。

首や肩周りの緊張をほぐすストレッチをする

歌う時の不必要な力みは、首や肩周りの筋肉を硬直させ、それが喉の筋肉の動きを妨げる原因となります。
声がかすれたと感じたら、一度歌うのをやめて、首や肩をゆっくり回すストレッチを取り入れましょう。

首を左右にゆっくり倒したり、肩を大きく回したりすることで、血行が促進され、喉周辺の筋肉の緊張が和らぎます。
リラックスすることで発声に関わる筋肉が柔軟に動くようになり、声帯への負担を軽減できます。

適切な呼吸方法を行う

歌う時の声のかすれを改善するには、適切な呼吸方法を身につけることが不可欠です。特に腹式呼吸は、安定した息の量を確保し、声帯への負担を軽減するために重要と言えるでしょう。

胸式呼吸のように胸や肩で浅く呼吸するのではなく、お腹を膨らませたりへこませたりすることで、横隔膜を大きく動かし、効率的に肺に空気を取り込めます。これにより、歌唱中に息が途切れたり、声帯に無理な力を入れたりすることなく、スムーズに発声できるようになります。

呼吸方法はボイストレーニングでも一番最初に指導する基礎的な技術のひとつです。深い呼吸を習得することで、喉の負担を抑えるだけでなく豊かな発声の基礎を作り上げます。

こまめに水分補給する

歌う時の声のかすれを防ぐためには、喉の粘膜を常に潤しておくことが非常に重要です。

喉が乾燥すると声帯の摩擦が大きくなり、炎症を起こしやすくなります。こまめに水を飲む習慣をつけ、特に歌う前や歌唱中、乾燥しやすい環境にいる際は意識的に水分を補給しましょう。冷たすぎる飲み物は喉を刺激する可能性があるため、常温の水や白湯がおすすめです。

【根本改善】声のかすれを防ぎ歌声を安定させるポイント


歌う時に声のかすれを根本的に改善し、安定した歌声を獲得するためには、正しい発声方法を習得し、喉への負担を軽減することが不可欠です。
応急処置で一時的に症状が和らいでも、根本的な改善にはつながりません。

ここでは、歌う時の声のかすれを防ぎ、より質の高い歌声を目指すためのポイントを具体的に解説していきます。

安定した声を出すための腹式呼吸をマスターする

腹式呼吸は、横隔膜を上下させて行う呼吸法で、胸式呼吸に比べて一度に多くの息を取り込み、安定した呼気を供給できるのが特徴です。
歌う時にこの呼吸法を使うことで、息のコントロールが容易になり、声帯に余計な力を加えることなく声を支えられます。

練習方法としては、仰向けに寝てお腹に手を置き、息を吸った時にお腹が膨らみ、吐いた時にへこむのを確認する方法がおすすめです。
この感覚を立った状態でも再現できるように繰り返し練習しましょう。

喉を開いて響きのある声を出す

「喉を開く」とは、喉の奥の空間(咽頭腔)を広げ、声の響きを豊かにすることです。
喉が締まった状態では声帯に負担がかかり、かすれの原因となります。

喉を開く感覚を掴むには、あくびをする時の喉の状態を意識するのが効果的です。
舌の付け根(舌根)が下がり、喉の奥が見える状態を保ちながら声を出す練習をしてみましょう。鏡で喉の様子を見ながら行うと、より効果的です。

この状態でハミングや母音の発声を行うことで、歌う時に自然と喉が開くようになり、無理なく響きのある声が出せます。

正しい姿勢をキープする

正しい姿勢は、歌う時に安定した発声を行うための土台となります。背筋を伸ばし、肩の力を抜いて立つことで、胸郭が広がり、腹式呼吸をスムーズに行うことが可能です。また、頭を真っ直ぐに保ち、顎を引きすぎないように意識すると、喉の空間が確保され、声帯に余計な負担がかかるのを防げます。

体が傾いていたり、猫背になっていたりすると、呼吸が浅くなり、喉に負担がかかる原因となるため、歌う際は全身のバランスを意識した姿勢を保つことが大切です。

適時休憩をはさむ

歌唱中に喉が疲れて声がかすれてきたら、適時休憩をはさむことが非常に大切です。無理に歌い続けると声帯に過度な負担がかかり、炎症や声のかすれを悪化させる原因となります。

短い休憩でも喉を休ませることで、声帯の回復を促し、声の安定につながります。特に長時間歌う場合や、普段から喉に負担がかかりやすい方は、計画的に休憩時間を設けるようにしましょう。

自分の音域を把握する

歌う時に声がかすれるのを防ぎ、より良いパフォーマンスを発揮するためには、まず自分の声の限界を知ることが大切です。

無理な高音や低音を出し続けようとすると、声帯に過度な負担がかかり、結果として声のかすれにつながります。自分の声域を正確に把握することで、歌える曲のキー調整や、喉に優しい歌い方の選択が可能になります。

声域には、無理なく歌える「声楽的音域」と、ギリギリまで出せる「生理学的音域」があります。自分の音域を明確にすることで、効率的なボイストレーニングにも活かせるようになるでしょう。

声が出にくい音域が分かれば、そこを重点的に練習し、声域を広げるための具体的な目標設定ができます。
無理なく美しく歌える音域を知ることは、喉の健康を守り、長期的に歌を楽しむ上で不可欠なステップです。

かすれた声を悪化させないために避けるべきNG行動


声がすでにかすれている時は、喉がダメージを受けているサインです。
この状態で無理をすると、症状が悪化し、回復が遅れるだけでなく、声帯ポリープなどの深刻なトラブルにつながる恐れもあります。

喉をこれ以上傷つけないために、声がかすれている時に避けるべき行動を理解しておくことが大切です。

無理に大声を出したり歌い続けたりする

声がかすれている時に最も避けるべきなのは、喉をさらに酷使することです。
かすれた声で無理に大声を出したり、長時間歌い続けたりすると、炎症を起こしている声帯にさらなるダメージを与えてしまいます。

歌う時に声が出にくいと感じたら、それは喉が休息を求めているサインです。
練習やパフォーマンスを中断し、声帯を休ませる勇気を持ちましょう。
沈黙が最良の薬となる場合も多く、回復を最優先に考えるべきです。

喉を刺激するアルコールやカフェイン飲料を飲む

アルコールやカフェインを含む飲料は、喉のケアという観点からは避けるべきです。
アルコールは喉の粘膜を充血させ、炎症を悪化させる可能性があります。
また、アルコールとカフェインには利尿作用があるため、体内の水分が失われ、結果的に喉の乾燥を招きます。

声がかすれている時は、これらの刺激物を避け、喉を潤す常温の水や白湯、ハーブティーなどを選ぶように心がけましょう。
喉の粘膜を健康な状態に保つことが回復への近道です。

喫煙や乾燥した環境で喉を酷使する

喫煙は、タバコの煙に含まれる有害物質が喉の粘膜を直接刺激し、慢性的な炎症を引き起こすため、声にとって非常に有害です。
声のかすれに悩んでいる場合は、禁煙を検討することが強く推奨されます。

また、エアコンの効いた部屋や冬場の空気など、乾燥した環境も喉の大敵です。
乾燥は声帯の潤いを奪い、正常な振動を妨げます。
加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして室内の湿度を適切に保ち、喉を乾燥から守る工夫が必要です。

長引く声のかすれは病気のサイン?病院を受診する目安


声のかすれは、多くの場合、発声方法や一時的な喉の不調が原因ですが、症状が長く続く場合は注意が必要です。
セルフケアを続けても改善が見られない場合や、他の症状を伴う場合は、背景に何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。

自己判断で放置せず、専門医に相談することが重要です。
ここでは、どのような場合に病院を受診すべきか、その目安と考えられる病気について解説します。

受診の目安

歌うと声がかすれる症状は、一時的な喉の不調であることが多いですが、長期化する場合には注意が必要です。十分な休息やセルフケアを続けても改善しない場合は、何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。気になる症状がある場合は、自己判断で放置せず、耳鼻咽喉科への受診を検討しましょう。

2週間以上声のかすれが治らない場合

声の酷使や風邪などが原因の一時的な声のかすれは、通常1~2週間程度で自然に改善することが多いです。

しかし、十分な休息をとり、喉のケアを心がけているにもかかわらず、2週間以上にわたって声のかすれが続く場合は、単なる喉の疲れではない可能性があります。

慢性的な炎症や声帯に器質的な変化が生じているサインかもしれないため、一度耳鼻咽喉科を受診し、専門医に喉の状態を診てもらうことをおすすめします。

声のかすれ以外に痛みや息苦しさを感じる場合

声がかすれるだけでなく、喉に痛みを感じる、食べ物や飲み物が飲み込みにくい(嚥下困難)、声を出していない時も息苦しさを感じるなどの症状が伴う場合は、注意が必要です。

これらの症状は、急性喉頭蓋炎や喉頭がんなど、より深刻な病気のサインである可能性も否定できません。特に呼吸困難は緊急を要する場合もあるため、このような症状が現れたら、様子を見ずに速やかに医療機関を受診してください。

【声帯ポリープや声帯結節など】声のかすれから考えられる病気

長引く声のかすれの背景には、声帯ポリープや声帯結節といった病気が隠れていることがあります。
声帯ポリープは、声帯の片側にできる血豆のようなもので、声の酷使が主な原因です。
一方、声帯結節は、声帯の両側にできる硬いペンだこのようなもので、歌手や教師など声を職業とする人によく見られます。

これらは良性の病変ですが、声質を大きく変化させる原因となるため、専門的な診断と治療が必要な喉の病気です。

症状が気になる場合は耳鼻咽喉科に相談しよう

声のかすれが長引いたり、他の症状を伴ったりして不安を感じる場合は、自己判断で様子を見続けるのではなく、耳鼻咽喉科に相談しましょう。
耳鼻咽喉科では、ファイバースコープなどを用いて直接声帯の状態を観察し、声のかすれの正確な原因を診断できます。

病気の早期発見と適切な治療は、大切な声を失わないために非常に重要です。
少しでも気になる症状があれば、気軽に専門医の診察を受けることが賢明な判断です。

歌う時の声がすれに関するよくある質問


ここでは、歌う時の声のかすれに関して、多くの方が抱きがちな疑問についてお答えします。
高音域でのかすれの原因や、日々のケアに役立つ情報、専門的なトレーニングの効果など、具体的な質問への回答を通じて、声の悩み解決のヒントを提供します。

高い声を出そうとすると特にかすれるのはなぜですか?

高い声を出す際に声帯が過度に緊張し、喉が締まってしまうことが主な原因です。
高音発声時は声帯が薄く引き伸ばされますが、無理な力で発声しようとすると声帯に強い圧力がかかり、正常に振動できなくなってしまいます。

これが、歌う時に息が漏れたようなかすれた声になる仕組みです。
腹式呼吸で息の量を安定させ、喉を開く発声法を身につけることが改善につながります。

喉のケアにおすすめの飲み物や食べ物はありますか?

喉のケアには、声帯を潤し、刺激を与えないものが基本です。
常温の水や白湯が最もおすすめです。
その他、はちみつは保湿作用と殺菌作用が期待でき、大根は炎症を抑える効果があるとされています。
しょうが湯も体を温め血行を促進しますが、刺激が強い場合は控えましょう。

逆に、カフェインやアルコール、香辛料の強い食べ物は喉を乾燥させたり刺激したりするため、避けた方が良いです。

ボイストレーニングに通えば声のかすれは改善しますか?

喉に負担のかかる間違った発声方法が原因の場合、ボイストレーニングは非常に有効です。
専門のトレーナーから腹式呼吸や喉を開く方法など、正しい発声技術を学ぶことで、声帯への負担を軽減し、声のかすれを根本的に改善できる可能性が高いです。

ただし、歌う時の声のかすれが病気によるものであれば、まずは医療機関での治療が優先されます。

ボイストレーニングと聞くと、多くの人が「歌が上手くなるためのスクール」というイメージを持つかと思います。しかし、実際はその前段階である「正しい発声技術の習得」がスクール生の皆さんに劇的な変化をもたらしています。

トレーニングを受けている人の多くは、これまで正しい声の出し方など指導されたことがありません。まずは、健康的に自分自身の持つ美しい声を出す方法を習得することで、声のかすれは改善でき、のびのびと楽しく歌う土台を作れます。これこそ、ボイストレーニングで学ぶ最大のメリットと言えるでしょう。

まとめ

歌う時に声がかすれる原因は、発声方法の誤りや喉の不調が考えられますが、長引く場合は病気の可能性も視野に入れる必要があります。まずは水分補給やストレッチなどのセルフケアを試していただき、根本的な改善のためには、腹式呼吸や正しい発声トレーニングが重要です。症状が続く場合は自己判断せず、耳鼻咽喉科の受診をご検討ください。

NAYUTAS(ナユタス)では、一人ひとりの原因に合わせたボイストレーニングを提供しており、喉への負担を減らしながら、歌う時の声のかすれを改善に導きます。