ボイトレのためのピラティスとは?体を整えることで理想の声を出そう
歌を含めた楽器演奏は心技体のバランスが重要です。
歌は、自分の体が楽器そのものになるので、特に体の安定が必要になってきます。
バイオリン奏者がバイオリンを響かせるように体を使って声を響かせ、安定した音色を出すのも自分の体ひとつでコントロールしなければなりません。
そのためには、テクニック以外にも、姿勢がよいことや体幹がしっかりしていること、柔軟性などが求められます。
そこで、ボイトレをしている人におすすめしたいのがピラティスです。
ピラティスとは、インナーマッスルを鍛えて体全体のバランスを整えるためのエクササイズ。
ピラティスといえば、ダイエットやボディーメイク、健康のイメージが強いので、ボイトレになんの効果があるの?と思いますよね。
しかし、ピラティスにはよい声を出すための大事な要素が満載なのです。
また、目的は上達だけでなく、喉や声の不調の改善などにも有効です。
今回は、そんなピラティスについてまとめました。
ボイトレとの関係性や声にどんな効果があるのか、ぜひチェックしてみてくださいね。
プロも実践しているボイトレに取り入れたいピラティスとは
ピラティスは、体幹を鍛え体のバランスを整えるためのエクササイズです。
専用の道具を使って行うマシンピラティスと、ヨガのようにマットを使って行うピラティスがあり、マシンピラティスはスタジオで行いますが、マットは自宅でも気軽にできるため取り組みやすさがあります。
ピラティスの効果はさまざまで、
・体を正しい位置に戻す
・姿勢が美しくなる
・体幹が安定する
・体のラインがきれいになる
・筋肉をつける
・肩こりや腰痛の解消
・可動域が広がる
・呼吸が深くなる
などがあげられます。
体幹や呼吸、筋肉などパッと見ただけでもボイトレに共通する部分がありますよね。
ボディーメイクやダイエットで人気のピラティスですが、年代や目的に合わせて負荷を変えることもできるので、体力や運動に自信がない人でも安心です。
声優や歌手など、声の仕事をしている人でピラティスに取り組んでいる人もいるんですよ。
ピラティスがボイトレにもたらす効果
ピラティスは、発声にもよい効果をもたらします。
ピラティスは自分の体にじっくりと向き合いながら行うので、ふだんあまり意識しない体の部位や筋肉を頭と体で感じます。
ボイトレをしていると、体の使い方や呼吸が大切なことは、頭では分かっているし理屈も分かっているけれど実際思うように動かせないことってありますよね。
ピラティスでは、体の構造や動きを意識的に感じ、覚えていくことで、喉だけではなく体全体を使って発声するということが体の感覚として分かってきます。
体のコントロールの仕方や動かし方が分かると、声に変化も出ますし、喉や体の故障を防ぎながら自由なパフォーマンスができるようになります。
また、歌やパフォーマンスは体力勝負なところもあるので、ボイトレをしながら体力づくりができるのもよいですね。
では、もう少し具体的に見ていきましょう。
ピラティスで姿勢を整えるとボイトレの効果が変わる
姿勢がよくなり体幹が安定することは、ボイトレにピラティスを取り入れる大きなメリットです。
頭、肩、腕の向き、腰など体の位置が正しいところにあり、よい姿勢を保てることはよい発声の基本です。
そして、お腹周りの筋肉がしっかりしていて体幹が安定していると、息を吐く量が増え声量がアップし、歌唱のとき体を動かしてもその軸がブレず、声も安定します。
また、転倒や怪我の予防にもなります。
さらに、立ち姿が美しいとステージ映えしますよね。
しかし、自分で姿勢を正しているつもりでも、実際は腰が反っていたり首が前に出ていたりと、自分で正しい姿勢を判断するのは難しいもの。
自分では気付かない、少しのズレや歪みで、声の出しにくさや体の疲労につながることもあります。
しかしそれは、少しのズレや歪みを解消することで、うまく出せなかった声が出るようになるということ。
ボイトレをしていても、なかなか上達している感じがしない、うまくいかない部分があるという方は、ピラティスを実践して体から整えてみるとボイトレの効果が変わることが期待できます。
プロのアドバイスで上達スピードが早くなる
姿勢を整えると言ってもそのアプローチ方法はさまざまです。
たとえば、お尻を鍛えることで姿勢を整えるという方法がありますが、これは呼吸が深くなり発声がしやすくなります。
ざっくりと書いてしまいましたが、お尻の筋肉を鍛えてお尻の位置を変えることで、姿勢を整えるだけでなく、発声にかかわるお腹の筋肉にも作用するのです。
こういったメソッドは、体のプロだからこそわかることですよね。
ボイトレや練習はひとりでもできますが、うまくいかない原因、改善点や改善方法は自分ひとりで追及するよりも、プロに見てもらうととてもスムーズで、それを元に練習をすれば上達スピードはぐんとあがります。
思いもよらなかった指摘や、効果絶大な目からうろこのアドバイスをもらえることも多いですよ。
ボイトレの基礎腹式呼吸もピラティスで変わる
ボイトレをしていると、まず最初に出てくるのが腹式呼吸ですよね。
呼吸のために、腹筋を鍛えると聞いたり、実践している人もいるでしょう。
腹筋と言っても、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋などの種類があり、ピラティスでは、どの筋肉をどのように使えば効果的かをより深く学べます。
また、腹式呼吸に欠かせない横隔膜。
あなたは、横隔膜の位置を正しく把握していますか。
案外、勘違いしていたという方も多く、ピラティスで正しい位置を知るなんてこともあります。
横隔膜も、ピラティスでは背中が固ければ使いにくくなるなど、やはりプロだからこその知識やアドバイスをもらえ、横隔膜を使いやすくするためのストレッチで解消していきます。
他にも、どの筋肉とどの筋肉が影響し合っているのかなど、教わりながら体を動かせるので、体の構造について理解が深まります。
頭で理解することは結構大切なポイントで、言われた動きをただ実践するよりも、筋肉や骨がどこでどのように動いているか、どのように影響しているかをイメージできると不思議と効果があがります。
ですから、ピラティスで学んだ姿勢や動きをボイトレで実践するときも、筋肉や骨の動きをよくイメージすることが大切です。
そうすれば、より効果がアップし、深い呼吸ができるようになるでしょう。
また、慣れてくれば歌いながら自分の体の状態に意識を向けて洞察し、必要に応じて体を緩めるなどもできてきます。
ボイトレとピラティスの共通点
ピラティスは、ボイトレと共通する部分がたくさんあります。
ピラティスには基本原則があり、
1. 気付き
2. 呼吸
3. バランス
4. 中心
5. コントロール
6. 集中
7. 効率
8. 流れ
9. 正確性
10. ハーモニー
こうしてみると、歌に共通していることが多いですよね。
ピラティスで実践する意識や集中、流れなど、体以外のこともピラティスをとおしてボイトレや歌に活かせることが多いのです。
また、ピラティスは心や精神の安定、意識なども重視しています。
これは、歌を歌うときの豊かな感情表現を引き出す可能性にもなりますよね。
ピラティスによって、ボイトレがより奥深いトレーニングになるはずです。
すると、テクニック面も向上して、自分の理想の音楽表現に近づくことができるでしょう。
まさに、心技体のバランスが整っていく感じですね。
【まとめ】
ボイトレのためのピラティスとは?体を整えることで理想の声を出そう
今回ご紹介したピラティスのメリットや効果は、ほんの一例です。
もっと細かく部分的なアプローチや効果が本当にたくさんあるんですよ。
また、冒頭でもお伝えしたとおり、歌の上達だけが目的ではなく、喉や声の不調があるときも、ピラティスで改善できることがあります。
ピラティスは、姿勢を整えることで呼吸も自然と深くなり、必要な筋肉が強化される。
とても理想的な流れです。
もちろん、ボイトレの先生も体のことや体の使い方について、知識と経験があるのでレッスンの中でしっかり教えてくれますが、体づくりはピラティスも取り入れてより深く、効率的に学んでいくのもおすすめですよ。