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【歌詞考察】玉置浩二「田園」|「ファンファーレ」の30年前の原点|NAYUTAS ナユタス 豊中校|ボイトレ&ダンス

 

「生きていくんだ
それでいいんだ」

玉置浩二さんの「田園」は、この一言に尽きる歌です

 

1996年、玉置さん自身が出演したドラマ『コーチ』の主題歌として生まれ、90万枚を超える大ヒットになりました
でもこの歌は、順調な人の歌ではありません
玉置さん自身が、いちばんぐちゃぐちゃだった時期のことをまとめた詞だと語っています

 

歌い出しは、石コロをけとばし、夕陽に泣いた僕
夜空を見上げて、星に祈っていた君
大人になりきれない、弱いままの二人がいます
アブラにまみれて黙り込んだあいつ
仕事をほっぽらかして、ほおづえをつくあの娘
何もできないで、誰も救えないで、悲しみひとつもいやせないで

 

できないことばかりが、並んでいきます
それでもサビは、責めません

 

カッコつけてないで、やれるもんだけで、毎日何かを頑張っていりゃ、生きていくんだ、それでいいんだ
全部できなくていい
やれる分だけでいい

 

その肯定の仕方が、この歌の優しさだと感じられます
ビルに飲み込まれ、街にはじかれて、それでもその手を離さないで
僕がいるんだ、みんないるんだ、愛はここにある

 

励ましが、だんだん「ひとりじゃない」の確認に変わっていきます

 

ひだまりの中で、がむしゃらに走る僕
そろばんをはじいて、頭をかかえていた君
空のミルクビンにタンポポをさすあいつ
道をはずれちゃって、とほうに暮れるあの娘
何もうばわないで、誰も傷つけないで、幸せひとつも守れないで

 

ここでも、立派な人は出てきません
出てくるのは、いつも普通の人たちです
二番では、そんなに急がないで、そんなにあせらないで、と歌います

 

急がなくても、明日も何かを頑張っていればいい
波に巻き込まれ、風に飛ばされて、それでもその目をつぶらないで
目をつぶらないで見続けること
それも、生きていく力なのだと感じられます

 

タイトルは「田園」なのに、歌われるのはビルの街で生きる人たちです
田園は場所ではなく、やれる分だけを頑張る生き方そのものなのかもしれません

 

最後に残るのは、「愛はどこへもいかない」という言葉です
30年後、67歳になった玉置さんは「ファンファーレ」で、愛に向かって行きなさい、と歌いました
その原点は、すでにこの「田園」にあったのかもしれません

 

愛はどこへもいかない
だから、やれる分だけ頑張って、生きていく
それでいいんだ、と背中を押してくれる歌だと感じられます

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