歌を歌う上で、「自分らしさ」や「個性」を表現することはとても大切です。
しかし、その個性を最大限に活かすためには、まず自分の歌にある「余計な癖」を見つけ、減らしていくことが重要です。
ここでいう「癖」とは、その人ならではの魅力そのものではありません。
本人が無意識のうちに繰り返してしまう、発声や表現の偏りのことを指します。
例えば、
- 特定の音だけ強く押してしまう
- 語尾をいつも同じように処理してしまう
- 息の量がいつも一定になってしまう
- どんな曲でも同じような歌い方になってしまう
といったものです。
こうした癖は、本人が気付かないうちに、歌の表現の幅を狭めてしまうことがあります。
「癖」があること自体は悪いことではない
もちろん、癖があること自体が悪いわけではありません。
むしろ、自然に出てくる声の特徴が、その人だけの魅力や個性につながることもあります。
大切なのは、「自分で選んでその表現をしているのか、それとも無意識にそうなっているのか」ということです。
技術的な選択肢が少ない状態で出てしまう癖は、時として表現の限界になってしまいます。
例えば、本当は優しく歌いたい場面なのに声が強くなってしまったり、感情を込めたい場面でも毎回同じ歌い方になってしまったり。
そうなると、曲が持っている世界観や感情を十分に伝えることが難しくなります。
癖を減らすと、歌の表現力が広がる
では、なぜ癖を無くすことが大切なのでしょうか。
それは、自分の声を自由にコントロールできるようになるからです。
まっすぐな声、柔らかい声、力強い声、繊細な声。
その場面や曲の雰囲気に合わせて、さまざまな声を選べるようになることで、初めて「自分らしい表現」を作ることができます。
つまり、癖を消すことは個性を失うことではありません。
むしろ、余計な癖を減らしていくことで、本来持っている自分の声の魅力がより際立ってくるのです。
自分の歌を客観的に聴いてみよう
歌の癖を改善するためには、まず自分の歌を客観的に聴くことが大切です。
普段、自分が歌っているときには気付かなかったことも、録音して聴いてみると意外と見つかります。
「この音になると、いつも声が強くなる」
「毎回、語尾が同じになっている」
「思っていたより息が少ないかもしれない」
など、自分では当たり前だと思っていた特徴に気付くことができます。
また、第三者からアドバイスをもらうことも非常に有効です。
そして、ただ「癖を直そう」とするのではなく、「なぜその癖が出ているのか」を考えることも重要です。
発声のバランスや身体の使い方を整えていくことで、無理に直そうとしなくても、自然と不要な癖が減っていくことがあります。
余計なものを手放して、本来の声を引き出そう
歌の上達というと、「高い声を出せるようになる」「音域を広げる」「新しいテクニックを身につける」など、何かを足していくことをイメージしがちです。
しかし、歌の上達は何かを足していくだけではありません。
時には、余計なものを取り除くことで、今まで気付かなかった自分の声の魅力が見えてくることがあります。
「癖を無くす」というのは、個性を無くすことではありません。
自由に歌えるようになるための土台を作り、その上で自分らしい表現を見つけていくこと。
それこそが、歌における「癖を無くす」ことの大切さなのです。
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