ボイストレーニングにおける「母音レッスン」は、
歌声の響きや明瞭さ、そして喉への負担軽減に直結する
非常に重要な練習です。日本語の特性上、普段の会話では
あまり口を大きく動かさない傾向があるため、
歌を歌う際には意識的に母音をコントロールする必要が
あります。
1. 各母音の正しい口の形と響きの意識
日本語の5つの母音「あ」「い」「う」「え」「お」には、
それぞれ最適な口の形と、声が響く位置(共鳴腔)が
あります。これを意識して発声することが基本です。
〇「あ」:
・口の形: 口を縦に大きく開けることを意識します。
上の歯と下の歯の間に指が2~3本入るくらいが目安です。
顎をしっかり下げ、喉の奥が広がる感覚を意識しましょう。
・響き: 口腔全体、特に口の奥の方に響きを感じます。
西洋的な「a」の音を意識すると良いでしょう。
〇「い」:
・口の形: 口を横に広げすぎず、縦にも意識して開ける
ことで、平べったい響きになるのを防ぎます。
両頬を少し上げ、口角を上げるように意識すると、
響きが明るくなります。
・響き: 比較的高く、口の前の方、特に上の歯の裏や
鼻の付け根あたりに響きを感じるイメージです。
〇「う」:
・口の形: 唇を顔の中心に寄せるようにすぼめます。
ただし、力みすぎないように注意し、口の中の空間は
保つようにします。
・響き: 低く、口の奥から喉のあたりに響きを感じます。
喉頭(のど仏)が下がり、喉が開く感覚を得やすい
母音です。声を深くする効果があります。
〇「え」:
・口の形: 「い」よりも少し口を縦に開けるイメージです。
笑顔を作るように口を横にも少し広げつつ、口の中の空間を
保ちます。
・響き: 「い」と「あ」の中間くらいの響きの位置を
意識します。
〇「お」:
・口の形: 親指が1本縦に入るくらいに口を開け、唇を
丸めるようにします。唇の両端が緩まないように
注意しましょう。
・響き: 喉の奥の方で響く感覚が強い母音です。これも
「う」と同様、喉を開きやすい母音です。
共通のポイント:
・喉を開く意識: どの母音でも、あくびをする時のように
喉の奥の空間を広げる意識を持つことが重要です。
・舌や顎、唇の脱力: 必要以上に力まず、リラックスして
動かすことを心がけましょう。
・同じ響きを保つ: 母音が変わっても、声の響きの質や
声量が大きく変わらないように意識することが、
安定した歌声に繋がります。
2. 練習方法
〇単独での発声:
・それぞれの母音を、一定の音程(例えば真ん中のド)で
長く伸ばして発声します。この時、上記の口の形と響きを
意識します。
・メトロノームに合わせて、各母音を「ター」や「マー」
などのように発声し、リズムに乗せる練習も有効です。
〇母音スケール練習:
・「あー、いー、うー、えー、おー」と順番に音程を
変えずに発声する練習。
・音階を上行、下行しながら、各母音で発声します。
例えば「ドレミファソラシド」を「あーあーあー・・」と
歌い、次に「いーいーいー・・・」というように
繰り返します。
〇母音のみで歌う練習:
・好きな歌の歌詞を、子音を取り除いて母音だけで
歌ってみます。
・例:「きらきらひかる」→「いあいあ いあう」
・これにより、声が一つにつながっている感覚
(レガート)を身につけることができます。
母音レッスンは、地味な練習に思えるかもしれませんが、歌唱力向上に欠かせない土台作りです。毎日少しずつでも継続することで、確実に効果を実感できるでしょう。
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