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喉を傷めない「がなり」の出し方

ロックやJ-POPでも、感情を一気に爆発させるような「がなり」は曲の説得力を大きく上げてくれるテクニックです。しかし、多くの人が自己流で挑戦し、喉を強く締めてしまって声がかすれたり、翌日まで痛みが残ってしまうことがあります。本来、がなりは“喉を壊す歌い方”ではなく、正しく行えば長時間使っても疲れにくい発声法です。ここでは、喉を守りながら迫力のあるがなりを出すための基本ポイントを紹介します。


■ がなりは「喉で叫ぶ技術」ではない

まず知っておきたいのは、がなり=大声ではないということです。
多くの人が、がなりを出すときに喉仏の周りをギュッと締め、声帯に直接負担をかけてしまいます。しかしプロの歌手や声優が使っているがなりは、喉を締めるのではなく息の勢いと共鳴のコントロールで生まれています。
実際には、「声帯を閉じすぎない」「息を多めに流す」「体の支えを使う」など、発声の基礎を応用したテクニックに近いのです。


■ ステップ1:喉を開いたまま息を通す感覚を作る

がなりを安全に出すための第一歩は、喉周りの余計な力みを取ること。
おすすめなのが「ため息エクササイズ」です。

  1. 軽く息を吸う

  2. 口を半開きにして “ハァ〜” と力を抜いて吐く

  3. この息に、ごく軽く声を乗せる

この「声に息が混ざった状態」が、がなりの基礎となる“ブレスィーな発声”です。最初から大きな音を出さず、息と声のバランスを作ることを優先しましょう。


■ ステップ2:体の支えを使って声を前に飛ばす

喉を守るためには、息をただ漏らすだけでは不十分です。
がなりは息を強く流すため、**横隔膜の安定した支え(=呼吸の支点)**が不可欠になります。

・お腹をへこませるのではなく、横に広げる意識で吸う
・息を吐くときにお腹をゆっくり戻す
・胸や肩に力が入らないようにする

この呼吸ができると、喉で無理に押さなくても自然と声が前に抜け、荒々しさの中にも芯のあるがなりが出しやすくなります。


■ ステップ3:「ザラつき」を作る

がなり特有の“ザラッ”とした質感は、声帯の完全な閉鎖を避け、息を多めに混ぜることで生まれます。
ここで大事なのは、意図的に声帯をこすり合わせようとしないこと
力むほど摩擦が強くなり、炎症につながります。

初心者におすすめなのは、
「ハァァ……アッ!」のように、ため息の延長線で短い声を入れる練習。
息の流れを止めずに声を乗せると、喉に負担のない自然な“割れ感”が出てきます。


■ よくあるNG例

・喉仏を押し下げて無理に太い声を出そうとする
・大声で叫んで勢いだけで仕上げようとする
・頬や首に力が入り、顔がこわばってしまう
・息の量が少なく、声帯だけで音を作ってしまう

これらは喉を痛める原因の典型例です。がなりは「頑張るほど失敗する」タイプのテクニックだと覚えておきましょう。


■ がなりは個人差が大きい

同じ方法でも、人によって声帯の形や息の癖、声の響く場所が違うため、最適なアプローチは変わります。
プロがマンツーマンで指導するのは、そこを微調整する必要があるからです。

自分の体に合った“安全ながなり”を習得できれば、
・ライブでも枯れにくい
・高音でも迫力を維持できる
・歌に表情をつける幅が広がる
など、メリットは非常に大きいです。


■ まずは体験レッスンであなたの声質をチェックしませんか?

この記事で紹介した方法を試してみても、「思ったように鳴らない」「痛みが出る」「息が続かない」などの悩みはよくあります。がなりは微妙なバランスが大切な技術なので、実際の声を聞きながら調整するのが習得への最短ルートです。

あなたの声質・息の癖・体の使い方をチェックしながら、安全で迫力のある“あなた専用のがなり発声”を一緒に作っていきましょう。
興味があれば、ぜひ一度体験レッスンにお越しください。
あなたの歌の魅力を最大限引き出すお手伝いをします。

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