「歌ってみた」動画や歌唱系のコンテンツでは、テンポをよくするため
呼吸音(ブレス)を完全にカットする編集が一般的になっています。
しかし、音響心理学や音響物理といった観点から言えば、
ブレスを消すことは声の説得力や存在感を大きく損なう原因になります。
ブレスが必要とされる理由を、ボイトレの基礎と音響物理から解説します。
ブレスは「声の立ち上がり」を決める予備動作
歌声は、ただ声帯を振動させるだけでは成立しません。
その前に必ず予備動作があり、ブレスはその中心にあるのです。
ブレスが担う役割には、以下のようなものがあります。
● 声門下圧の準備
呼気によって肺内圧が整い、最初の一音から安定した音圧が生まれます。
● 聴覚の予測をつくる
聞き手の脳は、ブレス音を手掛かりに「次に来る声の強さ」を予測します。
ブレスを消すとこの予測ができず、声が唐突に表れたように感じられるため、
脳に不自然な編集音として処理されやすくなってしまいます。
このように、ブレスは声の「助走」として必要不可欠な情報と言えます。
ブレスの瞬間に「声の楽器」がセットされる
一般的にボイトレでは、吸気は単なる空気補給ではなく、
声道(共鳴腔)の形を整える動作と捉えられます。
まず、吸気の仕方で次に発せられる声の周波数特性が決まります。
これを「フォルマントのセット」と言います。
さらに、ブレス音には次に発する母音の入り口が微かに含まれています。
この移行部をカットしてしまうと、声の響きが分断され、平坦で奥行きのない声に聞こえます。
ブレスは、声という楽器の「形づくり」の一部なのです。
編集で消すべきは「ノイズ」であってブレスではない
もちろん、マイクに近すぎて発生する吹かれ音や、不快な高域ノイズは処理すべきでしょう。
しかし、それは単に削除するというより整音という方がより正確です。
ブレスが残ることで、まず音響心理的な安心感につながります。
適度なブレスは「生身の人間が歌っている」証になり、聞き手の没入感を高めます。
さらに、ブレスの存在が楽曲のダイナミクスを支えます。
激しい曲では強く、バラードでは深く静かに、というように、
ブレスの流速と音響が曲の構造と同期することで、歌の表現力は大きく向上します。
ブレスは「ノイズ」ではなく、声のリアリティを支える情報音なのです。
ブレス編集に関する素朴な疑問
Q: ブレスを残すとテンポは悪くならないの?
A: 不要な間は詰めても構いませんが、吸気の瞬間を残すことで自然さを保てます。
Q: ブレスがうるさくて気になるんだけど…?
A: その場合でも削除するのではなく、EQで高域を抑えたり、
音量を少し下げる「整音」の範囲にとどめましょう。
Q: ブレスがあると素人っぽく聞こえるんじゃ?
A: むしろ逆です。適切なブレスはプロの歌声に共通する身体性を生むからです。
Q: ブレスを綺麗に録るにはどうすればいいの?
A: マイク位置、吸気の角度、鼻と口の使い分けで改善できます。
ブレスは「聞こえない音」であり、声の一部
編集でブレスを消すと、
・声の立ち上がり
・共鳴の準備
・聴覚的リアリティ
・ダイナミクスの流れ
これらがすべて失われてしまいます。
動画編集でブレスを扱う時は、ごみとして削除するのではなく、
声の一部として捉えることが、最も自然で説得力のある歌声に繋がります。
出典
・日本音響学会「歌唱音声における吸気音の音響的特徴と知覚的役割に関する研究」
・ヨハン・サンドバーグ「歌唱の科学」
・日本ボイスアドバイザー協会「発声時における呼吸筋の連動と声道形状の相関」
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