こんにちは！ナユタス経堂校 ボイストレーナーのサラです。
「高い声になると苦しくなる」「喉が締まる」という相談は、レッスンの中でもとても多いです。
高音は“強い声”を出しているように見えることが多いですが、
実際には 力で押し上げているわけではありません。
むしろ、無理に力で出そうとすると、声は逆に出にくくなります。
高音が苦しくなるとき、体の中で何が起きているのか
高い音を出そうとしたときに起こりやすい状態は、
- 首と肩に力が入る
- 息が止まる
- 喉の奥が狭くなる
というパターンです。
これは、声を“上に向かって押し上げる”イメージを持っているときに起こります。
声を押し上げる動作は、重心を持ち上げ、呼吸を止めてしまうからです。
高音は「上に押し上げる」ものではなく「前に流す」もの
高音が出やすい人は、声を上下に考えていません。
息に声を“乗せて前へ送っている” だけです。
音程が上がっても、
やっていることは 低音と同じ仕組みのまま です。
違うのは、響きの集まる位置が少し前に寄るだけ。
高音を無理なく出すための感覚づくり
試してほしいのは、とてもシンプルです。
- 深く息を吸う
- 口を閉じて「ん〜」と声を出す
- その響きが 鼻・頬・おでこ のあたりに集まるのを感じる
- そのまま音程だけゆっくり上げていく
ここで大切なのは、
声を大きくしようとしないこと。
息に声が乗っていれば、声は自然と前に進みます。
“強さ”ではなく“流れ”が高音を支えている
高音が安定している声は、決して力強さだけで成り立っていません。
声を支えているのは、呼吸の流れと体の重心です。
- 力めば出る声 → 一時的
- 流れのある声 → ずっと出せる声
歌は、長く歌えることが大切です。
そのためには、力で押す方法ではなく、
身体が無理なく続けられる方法が必要です。
おわりに
高音が出ない原因は、「力が弱いから」ではありません。
力を入れすぎているからです。
声は、押さなくていい。
息に乗せて、前に流すだけ。
その感覚がつかめたとき、
高音は「がんばるもの」から「自然に届くもの」へと変わります。
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