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ボイストレーニング

ボイトレは体にいい?呼吸・姿勢・発声の関係をエビデンスからわかりやすく解説

ボイトレ

みなさん、こんにちは!

中野でマンツーマンのボイストレーニングが受けられるNAYUTAS中野校です!

「ボイトレをすると呼吸が深くなる?」「姿勢にも良い影響がある?」「歌うことは体にもいいの?」と気になったことはありませんか。

ボイストレーニングでは、声だけでなく、呼吸や姿勢、口の開け方、身体の余計な力みなどを確認することがあります。そのため、「声の練習なのに、意外と身体を使う」と感じる方もいるでしょう。

ただし、最初に大切なことを整理しておきます。ボイトレをすれば健康になる、肺活量が必ず増える、自律神経が整う、免疫力が高まる、といった効果を一律に断定することはできません。

一方で、発声に呼吸が必要であることや、姿勢によって発声時の身体の使われ方が変化することは、日本国内でも研究されています。

今回は「ボイトレは体にいい」という言葉をそのまま受け取るのではなく、呼吸・姿勢・発声と身体には実際にどのような関係があるのかを、日本国内の研究も取り上げながらわかりやすく整理します。

そもそも声は「喉だけ」で出しているわけではない

声というと、声帯や喉だけを使って出しているように思うかもしれません。

しかし、実際の発声には呼吸をはじめ、身体の複数の機能が関係しています。

声が生まれる基本的な流れは、次の5段階で考えるとわかりやすくなります。
1:肺から息を送り出す
2:空気が喉頭にある声帯を通る
3:声帯が振動して音が生まれる
4:喉・口・鼻などを通ることで音の響きが作られる
5:舌や唇などを動かして言葉を作る

つまり、ボイトレで呼吸や姿勢について扱うのは、単なる健康体操としてではありません。

声を出すときに呼吸・発声・身体がどのように連携しているのかを確認することが、発声練習の一部になるからです。

ボイトレと体の関係1|呼吸と発声は切り離せない

ボイトレ

ボイトレでよく耳にする言葉の一つが「呼吸」です。

声を出すには、肺から送り出される空気が必要になります。ただし、「深呼吸をたくさんすれば良い声になる」「腹式呼吸さえできれば歌が上手くなる」というほど単純ではありません。

発声で大切なのは、歌うフレーズや出したい声に合わせて、必要な息を使えることです。

呼吸の使い方を確認するときには、次のような状態がないか見てみましょう。

  • 長いフレーズの途中で息が足りなくなる
  • フレーズの最初で息を使いすぎてしまう
  • 息を吸うたびに肩が大きく上がる
  • 高い声になると呼吸と発声のバランスが崩れる
  • 息を使おうとして身体全体を固めてしまう

こうした状態があるからといって、必ず呼吸そのものに問題があるとは限りません。「息が足りないから大量に吸う」と決めつけるのではなく、どこで息を吸い、どのように使っているのかを確認することが大切です。

「腹式呼吸ができれば全部解決」ではない

ボイトレでは「腹式呼吸」という言葉もよく使われます。

しかし、呼吸法だけを身につければ、音程・声量・高音・リズム・表現といった歌の課題がすべて解決するわけではありません。

歌唱には呼吸だけでなく、声帯の働き、共鳴、発音、音程、リズムなど、さまざまな要素が関係しています。

そのため、呼吸練習の目的は「正しい呼吸法の形を覚えること」だけではなく、自分の発声に必要な息をコントロールしやすくすることと考えるのがよいでしょう。

日本の研究でも「呼吸」と「発声」の関係が調べられている

呼吸と発声の関係については、日本国内にも参考になる研究があります。

2017年に『日本老年医学会雑誌』へ掲載された研究では、論文発表時に日本医療科学大学および桜美林大学大学院老年学研究科に所属していた伊藤直子氏と、桜美林大学大学院老年学研究科の渡辺修一郎氏が、地域で生活する高齢者を対象に呼気筋訓練の効果を調べています。

研究では、介入群31人と対照群15人を設定し、介入群では最大呼気圧の75%に相当する負荷を用いた呼気筋訓練を8週間実施しました。その結果、最大発声持続時間や最大呼気圧など、複数の指標で変化が確認されています。

ただし、この研究を一般的なボイトレへそのまま当てはめることはできません。理由は次の3点です。
1:一般的なボイストレーニングを調べた研究ではない
2:対象者は地域在宅高齢者である
3:専用の負荷を用いた呼気筋トレーニングを行っている

したがって、この研究を根拠として「一般的なボイトレをすれば肺機能が向上する」と結論づけることはできません。

一方で、呼吸筋の働きと発声持続時間が無関係ではないことを示す国内研究として、呼吸と発声の関係を理解するうえでは参考になります。

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ボイトレと体の関係2|姿勢は発声時の身体の使われ方と関係する

「歌うときは姿勢を良くしましょう」と言われたことがある方も多いでしょう。

姿勢と発声の関係についても、日本国内で研究されています。

2019年には、医療法人社団鶴友会 鶴田病院に所属する小田原守氏と、熊本保健科学大学の研究者らが、「姿勢が最大発声時の呼吸補助筋の筋活動に及ぼす影響」を発表しています。小田原氏の職種や肩書きは公開されている論文情報からは確認できないため、ここでは確認可能な所属と研究テーマに基づいて紹介します。

この研究では、呼吸器系・筋骨格系・発声器官に既往歴のない健常成人14人を対象に、背臥位・端座位・直立位という3つの姿勢で最大発声時の音圧レベルや腹直筋、外腹斜筋の筋活動を測定しました。

その結果、腹直筋では姿勢による有意差は確認されなかった一方、外腹斜筋では端座位と比較して背臥位で有意に高い筋活動が確認されました。研究者らは、最大発声時の呼吸補助筋の筋活動は姿勢の違いによって変化することが示唆されたとしています。

ただし、この研究は14人を対象とした小規模な研究です。「この姿勢なら必ず良い声が出る」「姿勢を変えれば歌唱力が上がる」と証明した研究でもありません。

それでも、日本の健康な成人を対象とした研究で、姿勢の違いによって発声時の身体の使われ方が変わる可能性が示されていることは、ボイトレで姿勢を確認する意味を考えるうえで参考になります。

「良い姿勢=胸を張る」ではない

姿勢が発声と関係するからといって、背筋を無理に一直線へ伸ばしたり、胸を強く張ったりすればよいわけではありません。

「姿勢を良くしよう」と意識しすぎることで、かえって次のような状態になることがあります。

  • 胸を張りすぎる
  • 腰を反りすぎる
  • 顎を強く引く
  • 肩を後ろへ強く寄せる
  • お腹をずっと固める

こうした姿勢がすべて悪いと一律に判断することはできませんが、身体を固めることで呼吸や発声がしにくくなるのであれば見直す余地があります。

ボイトレで考えたいのは、見た目だけの「正しい姿勢」を作ることではありません。呼吸しやすく、首や肩などを必要以上に固めずに声を出せる状態を探すことがポイントです。

ボイトレと体の関係3|自分が「力む場所」に気づきやすくなる

声を出そうとすると、必要以上に身体へ力を入れてしまうことがあります。

特に、高い音や大きな声を出そうとするときには、自分の身体に次のような変化が起きていないか確認してみましょう。

  • 肩が上がる
  • 首を前へ突き出す
  • 顎へ強く力を入れる
  • 顔全体を固める
  • 身体全体で無理に声を押し出そうとする

もちろん、歌では身体を使って表現することもあります。そのため、「身体に力が入る=すべて悪い」という意味ではありません。

重要なのは、その力が表現や発声に必要なのか、それとも出しにくい声を無理に出そうとして生じている力みなのかを区別することです。

鏡や動画を使ったり、レッスンで第三者に見てもらったりすると、自分だけでは気づきにくい身体の癖を発見できる場合があります。

「ボイトレで肺活量が増える」は一律には言えない

ボイトレでは呼吸を扱うため、「ボイトレをすれば肺活量が増える」「歌えば肺が鍛えられる」といった説明を見ることがあります。

しかし、こうした表現には注意が必要です。

先ほど紹介した伊藤氏・渡辺氏による国内研究では、呼気筋訓練後に最大発声持続時間や最大呼気圧などの変化が確認されています。

ただし、そこで行われているのは一般的な歌唱レッスンではなく、最大呼気圧の75%に相当する負荷を用いた呼気筋訓練です。

「呼吸筋を専門的にトレーニングした結果、呼吸・発声に関する一部の指標が変化した」ことと、「一般的なボイトレを受ければ肺活量が増える」ことは同じではありません。

ボイトレでは呼吸のタイミングや息の使い方を練習できますが、それを医学的な肺機能の改善と同じ意味で説明しないことが大切です。

歌うことは身体を使う活動ではある

歌うときには、呼吸だけでなく、姿勢を保ち、口や舌を動かし、ときには身体全体を使って表現します。

この点を専門的な立場から扱っているのが、音楽療法とVocology(歌声の科学)を研究分野とする昭和音楽大学客員教授・羽石英里氏です。昭和音楽大学の公式プロフィールでは、羽石氏はカンザス大学大学院で音楽療法の修士号・博士号を取得し、パーキンソン病を対象とした音楽療法研究にも取り組んできた研究者と紹介されています。

羽石氏は2023年、『音声言語医学』に「音楽療法―歌による発声リハビリテーション―」という総説を発表し、歌唱を利用した発声リハビリテーションについて解説しています。

ただし、ここで中心的に取り上げられているのは、主としてパーキンソン病患者などを対象とする発声・発話機能のリハビリテーションです。

したがって、「歌えば健康な人の身体機能も改善する」「ボイトレにはリハビリテーションと同じ効果がある」とは言えません。

この研究領域から一般的なボイトレについて読み取れるのは、歌唱では呼吸や体幹を含む身体の複数の機能が使われているという範囲です。

「歌う=運動不足解消」と考えるのは避けよう

一曲しっかり歌ったあとに、「身体が温まった」「少し疲れた」と感じることはあるでしょう。

しかし、そこから「歌えば運動不足を解消できる」「ボイトレが筋トレの代わりになる」と結論づけることはできません。

健康維持を目的とした運動と、ボイストレーニングでは目的が異なります。

ボイトレの主な目的は、声や歌唱をトレーニングすることです。その過程で呼吸や姿勢、身体の使い方にも意識を向けると考えるのが自然でしょう。

ボイトレで大切なのは「身体への意識」を持つこと

ボイトレ

ボイトレと身体の関係を、「健康効果があるか、ないか」だけで考える必要はありません。

むしろ大切なのは、歌っているときに自分の身体で何が起きているのかを知ることです。

身体の使い方を確認するときには、次のようなポイントがあります。

  • どのタイミングで息を吸っているか
  • 一つのフレーズでどのくらい息を使っているか
  • 高音で首や肩へ力が入っていないか
  • 歌いにくい部分で姿勢が変化していないか
  • 顎や口、舌を必要以上に固めていないか

普段の生活では、自分の呼吸や姿勢をここまで細かく観察する機会は多くありません。

ボイトレでは声をきっかけに、「自分がどのように呼吸し、どう身体を使って声を出しているのか」を確認できます。

これは病気を予防したり、身体機能を治療したりする話とは別です。より目的に合った発声を目指すために、自分の身体の使い方も知っていくということです。

鏡や動画を使って自分の身体を確認してみよう

自分の発声時の癖を知る方法として使いやすいのが、鏡や動画です。

ただ自分の姿を見ながら歌うのではなく、見るポイントを分けると確認しやすくなります。

動画を確認するときは、次の順番でチェックする方法があります。
1:1回目は肩の動きを見る
2:2回目は首と顎を見る
3:3回目は息を吸う瞬間を見る
4:4回目は高音を出す瞬間を見る

このように見るポイントを分けることで、「何となく力んでいる」という感覚を、より具体的な課題へ変えられます。

たとえば、「高音になると右肩が上がる」「息を吸うたびに顎が上がる」とわかれば、次の練習で確認するポイントも明確になります。

健康のためなら「たくさん声を出すほどいい」わけではない

身体を使う活動だからといって、長時間歌い続ければよいわけではありません。

特に、次のような状態がある場合は注意しましょう。

  • 声を出すと喉に痛みがある
  • 突然声がかすれた
  • 以前より明らかに声が出しにくい
  • 発声すると強い違和感がある

こうした状態が続いている場合に、「もっとボイトレで鍛えれば治る」と自己判断するのは避ける必要があります。

ボイストレーニングは、病気や音声障害を診断・治療するものではありません。声の痛みや明らかな異常が続く場合は、耳鼻咽喉科などの医療機関へ相談しましょう。

「自律神経が整う」「免疫力が上がる」はどう考える?

歌やボイトレについて調べると、「自律神経が整う」「免疫力がアップする」「ストレスがなくなる」といった表現を見ることがあります。

歌唱と心理・生理的な変化を調べた研究そのものは存在します。

しかし、研究対象、歌唱条件、時間、測定項目などはさまざまです。特定の研究で何らかの生理指標が変化したとしても、一般的なボイトレを受けるすべての人に同じ健康効果が生じるとは限りません。

現在の研究から比較的整理しやすいボイトレと身体の関係は、次の3点です。
1:発声には呼吸との協調が必要である
2:姿勢によって発声時の身体の使われ方が変化する可能性がある
3:発声練習を通して身体の力みや癖を確認できる

「健康になるからボイトレをする」というより、より使いやすい声を目指す過程で、呼吸・姿勢・身体の使い方にも目を向けると考える方が、現在確認できる知見に合っています。

マンツーマンなら自分の呼吸・姿勢・声の癖を確認しやすい

ボイトレ

同じ歌を歌っていても、つまずくポイントは人によって異なります。

たとえば、次のような悩みがあります。

  • フレーズの途中で息が続かなくなる
  • 高音になると肩へ力が入る
  • 大きな声を出そうとすると喉が苦しくなる
  • 歌っている途中で姿勢が崩れやすい
  • 自分に合った呼吸のタイミングがわからない

こうした悩みの原因が、すべて呼吸や姿勢にあるとは限りません。声帯の使い方、音程、共鳴、発音など、ほかの要素が関係している場合もあります。

だからこそ、実際に自分が声を出している状態を見ながら、どこに課題があるのかを整理することが大切です。

NAYUTAS中野校では、ボイストレーニングをマンツーマンで行い、一人ひとりの目標に合わせてレッスンを組み立てています。

ボーカルレッスンだけでなく、話し方、舞台・ミュージカル、声優など、目的に応じた声のレッスンも用意されています。

全員が同じ姿勢や呼吸法を形だけ覚えるのではなく、自分がどの場面で声を出しにくいのかを確認しながら練習することがポイントです。

よくある質問

ボイトレをすると呼吸が深くなりますか?

ボイトレでは、歌や発声に合わせて息を吸うタイミングや量、吐き方などを確認することがあります。

ただし、一般的なボイトレによって誰でも呼吸機能が向上したり、肺活量が増えたりすると断定することはできません。まずは発声に必要な呼吸を使いやすくする練習と考えるのが適切です。

日本でも姿勢と発声の関係は研究されていますか?

研究されています。

鶴田病院の小田原守氏と熊本保健科学大学の研究者らが2019年に発表した研究では、健常成人14人を対象に、姿勢による最大発声時の呼吸補助筋活動の違いを調べています。その結果、姿勢によって一部の呼吸補助筋の活動が変化することが示唆されました。

ただし、小規模な研究であり、「姿勢を改善すれば歌唱力が上がる」と直接証明した研究ではありません。

呼吸筋を鍛えると声も長く出せますか?

日本医療科学大学・桜美林大学大学院老年学研究科の研究者らによる国内研究では、地域在宅高齢者への8週間の呼気筋訓練後に、最大発声持続時間や最大呼気圧などの変化が確認されています。

ただし、これは専用の呼気筋トレーニングを用いた研究であり、一般的なボイトレと同じものではありません。

ボイトレは健康法としておすすめですか?

ボイトレの主な目的は、発声や歌唱のトレーニングです。

呼吸や姿勢、身体の使い方へ意識を向ける活動ではありますが、病気の予防・治療や一般的な運動の代わりになるものではありません。

まとめ|国内研究から見ても、発声と身体は無関係ではない

ボイトレについて「体にいい」と一言でまとめてしまうと、実際に確認されている以上の健康効果をイメージさせる可能性があります。

一方、日本国内にも発声と身体の関係を調べた研究があります。

今回の記事で押さえておきたいポイントは、次の3つです。
1:健常成人を対象とした国内研究で、姿勢によって最大発声時の呼吸補助筋活動が変化することが示唆されている
2:高齢者への呼気筋訓練では、最大発声持続時間や最大呼気圧などに変化が確認された研究がある
3:日本の音声・音楽療法分野でも、歌唱と呼吸や身体機能の関係が研究されている

ただし、2は一般的なボイトレではなく呼気筋訓練であり、3には疾患のある方を対象としたリハビリテーション研究も含まれます。

したがって、「ボイトレをすれば健康になる」と結論づけるのではなく、発声には呼吸や姿勢など身体の使い方が関係しており、ボイトレではそれらを確認しながら声を練習できると捉えるのが適切でしょう。

NAYUTAS中野校では、マンツーマンで、一人ひとりの目標や悩みに合わせたボイストレーニングを行っています。

「歌うとすぐ息が足りなくなる」「高音になると身体に力が入る」「自分の発声に合った呼吸や姿勢を知りたい」という方は、喉だけを見るのではなく、呼吸・姿勢・身体の使い方まで含めて自分の声を見直してみてはいかがでしょうか。

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