こんにちは!ナユタス堺東校です😊
紫 今&muqueによる「ブルーチーズ」。
タイトルになっているブルーチーズは、
単に変わった食べ物をモチーフにしているだけではありません。
最初は苦手だったのに、一度味を知ると癖になってしまう。
そんなブルーチーズの特徴が、嫌いだったはずの相手から、いつの間にか抜け出せなくなっていく恋と重ねられています。
さらに歌詞を追っていくと、青はブルーチーズの色から
傷によってできた痣の色へと意味を変えていきます。
今回は歌詞をまとまりごとに追いながら、
この少し危険で中毒的な恋の物語を考察してみましょう👉
恋なんて、君なんて――最初は完全に拒絶していた
Not yummy yummy 恋なんて君なんて
I can’t go back anymore
I can’t go back anymore
曲の冒頭では、恋も君も Not yummy と突き放しています。
美味しくない。欲しくない。
タイトルのブルーチーズにつながる味覚の表現が、すでにここから始まっています。
ところが、その直後に繰り返されるのは、もう戻れないという言葉。
つまりこの曲は最初から、嫌いだったはずなのに、
すでに引き返せなくなった主人公の視点で始まっていると考えられます。
拒絶する言葉と、戻れないという告白。
この矛盾が「ブルーチーズ」の恋の入口です。
傷つくほど、なぜか愛は深くなっていく
傷つくほど深まっていく愛
炙るほど深まる味みたい
どんどん好きになるよりも
どんどん嫌いになれなくなっていく
ここで描かれる恋は、幸せになるほど深まる愛ではありません。
むしろ傷つくほど深まっていく愛。
それを、炙るほど深まる味に重ねています。
特に印象的なのが、好きになっていくではなく、
嫌いになれなくなっていく
と表現していることです。
自分から積極的に相手を好きになっているというより、
傷ついても、嫌な部分を知っても、それでも切り離せなくなっていく。
恋というより、すでに癖や中毒に近い感覚が表れています。
食わず嫌いは、自分を守るための大人の知恵
そんなの全然そそられない
食わず嫌いは大人の知恵
中毒は願い下げ
死んでも惚れないわ
「あっかんべー」
主人公は、恋そのものにかなり強い警戒心を持っています。
特に面白いのが、
食わず嫌いは大人の知恵
という考え方。
普通なら、食わず嫌いは良くないと言われます。
しかし主人公にとっては、危険なものを最初から口にしないことこそ
自分を守るための知恵なのでしょう。
中毒は願い下げと言っていることからも、
恋にハマって自分を見失う危険性を理解しているように見えます。
だから死んでも惚れない。
最後のあっかんべーにも、相手を拒絶しようとする強気な態度が表れています。
しかし、この強い拒絶があるからこそ、このあと訪れる変化がより際立ちます。
嫌いだったブルーチーズが、もう癖になっている
ブルーチーズ
君が嫌いだったけど
おかしい 癖になってる
その青が
もう感電堪忍感情感傷監禁関係が
もう感電堪忍感情感傷監禁関係が
ここで初めて、君とブルーチーズがはっきり重なります。
ブルーチーズは独特な風味や香りを持つ食べ物。
最初は苦手でも、その個性的な味わいが好きになる人もいます。
主人公にとっての君も同じなのでしょう。
最初は嫌いだった。
それなのに、気づけば癖になっている。
重要なのは、ここでも好きになったとは表現していないことです。
好きになったというより、やめられなくなった。
理性では拒絶しているのに、感情のほうが相手を求めてしまう。
そして後半では、感電・堪忍・感情・感傷・監禁・関係と、
似た音の言葉が息つく暇もなく連続します。
刺激を受ける感電。
抑えきれない感情。
傷ついた感傷。
そして、逃げられない監禁のような関係。
一つひとつの意味だけでなく、言葉が次々につながって止まらなくなる感覚そのものが
主人公の感情の暴走を表しているようにも感じられます。
すべては興味本位の一口から始まった
Blue Cheese
興味本位の一口で
お終い 知る前には戻れない
もう感電堪忍感情感傷監禁関係が
もう感電堪忍勘定鑑賞
お口直しも意味ない
あれほど食わず嫌いを貫こうとしていた主人公が、ついに一口食べてしまいます。
しかも理由は興味本位。
本気で恋をするつもりではなかったのかもしれません。
少し気になった。
ちょっと近づいてみた。
それだけだったはずなのに、一度味を知ったらもう戻れない。
ここで冒頭から繰り返されていた
I can’t go back anymore の意味がよりはっきりしてきます。
そして、お口直しも意味ない。
別の何かで忘れようとしても、すでにこの味が残ってしまっている。
食べるという行為と、恋に踏み込むという行為が重ねられている部分です。
ダメだと分かっているほど、美味しそうに見えてしまう
Like cheese
Blue cheese
救えないならいっそ
It’s peak
Sick tease
傷跡になっていても
やけに美味しそうにして
ダメなことわかっていても
そっと虜になっちゃいそう
ここでは、この恋が安全ではないことを主人公自身も理解しています。
傷跡という言葉まで出てくるほど、すでに痛みを伴っている。
それでも相手は美味しそうに見える。
普通なら、傷つけられたら離れようとするはずです。
しかしこの主人公の場合、危険だと分かっていることさえ、
相手の魅力を強めてしまっているように見えます。
最初に中毒は願い下げと言っていた主人公が
ついに自分から虜になりそうだと認め始める。
拒絶から中毒へ。
物語が大きく動く部分です。
もう懲り懲りと言い聞かせても、戻れない
Not yummy yummy 恋なんて君なんて
もう懲り懲り 興味ないね No way No way
あれあれおかしい 戻れない
I can’t go back anymore
I can’t go back anymore
ここでは、冒頭と同じ Not yummy yummy がもう一度登場します。
しかし、最初とは意味が違って聞こえます。
冒頭では本当に恋なんていらないと拒絶していたように見えました。
ところが今は、一度ブルーチーズの味を知ったあと。
だから興味ない、No way と言えば言うほど、
むしろ自分自身へ言い聞かせているようにも感じられます。
そしてすぐに、あれあれおかしい 戻れない。
頭では終わらせたい。
でも感情は戻れない。
主人公自身がその矛盾に気づき始めています。
青が伝染した――君を好きになった結果、自分まで変わっていく
I know in my head, bad…
触れたら食べなくちゃ
I know in my head, bad…
青が伝染しちゃった
頭では bad だと分かっている。
それでも、もう触れてしまった。
そしてついに、
青が伝染しちゃった
と歌われます。
ここまで青は、ブルーチーズ、つまり君を象徴する色として描かれてきました。
その青が主人公へ移ってしまった。
これは単に好きになったというだけではなく、相手との関係によって主人公自身まで変化してしまったことを表しているように感じられます。
相手の味を知っただけではない。
その味が、自分自身の一部になり始めています。
ブルーチーズの青が、心についた痣へ変わる
ブルーチーズみたいだね
この心 痣だらけ
これでお揃いになったね
もう感電堪忍感情感傷監禁関係が
もう感電堪忍感情感傷監禁関係が
ここは、この曲の中でも特に印象的な部分です。
それまでブルーチーズを象徴していた青。
しかしここで、その色が傷によってできる痣と重なります。
君との恋によって傷ついた心。
そこには青い痣が残っている。
そして主人公は、それを悲しむだけではなく、
これでお揃いになったね
と受け入れます。
最初は嫌っていた君。
その君を象徴していた青が、自分にも残った。
傷ついた結果、二人が同じ色になる。
少し怖さを感じるほど、この恋への依存や執着が強く表れている場面ではないでしょうか。
最後には、ブルーチーズを自分から取り込む
Blue Cheese
本日のディナーはどう?
お供してね
どうぞよろしくね
溶かしてこの体内に取り込んで
骨の髄まで美味しく
頂いてあげるわ
ラストでは、主人公の立場が完全に変わっています。
最初は Not yummy、食わず嫌い、死んでも惚れないと、
ブルーチーズを拒絶していました。
ところが最後には、自分から本日のディナーに誘い、
体内に取り込もうとしています。
しかも骨の髄まで。
もう少し味見をする程度ではありません。
相手の存在を、自分の奥深くまで完全に取り込もうとしている。
つまりこの曲は、
拒絶 → 興味 → 一口 → 中毒 → 傷 → 同化 → 取り込む
という流れで進んでいたと考えることができます。
嫌いだったものが好きになったというだけでは終わらず、
最後には自分と相手の境界まで曖昧になっていく。
だからこそ、この恋は甘いだけではなく、どこか危険で中毒的なのです。
なぜタイトルは「ブルーチーズ」なのか?
ここまで歌詞を追うと、「ブルーチーズ」というタイトルが
非常によく考えられたモチーフであることが分かります。
最初は苦手。
一度味を知ると癖になる。
独特な青を持っている。
そして、その青が主人公へ伝染し、最後には心の痣へ変わっていく。
つまりブルーチーズは、この恋の
嫌悪 → 興味 → 中毒 → 傷 → 同化
という変化を、一つのモチーフで表現しています。
さらに曲の最初では食べたくないと拒絶していた主人公が、
最後には自分から相手を取り込もうとする。
冒頭とラストを比べることで、
主人公がどれほどこの恋に侵食されたのかが分かる構成になっています。
まとめ|嫌いだった味が、最後には自分の一部になる
紫 今&muque「ブルーチーズ」に描かれているのは、
好きな人へ素直に惹かれていく恋とは少し違います。
最初は死んでも惚れないと拒絶していた主人公。
それが興味本位で一口味わい、嫌いになれなくなり、
傷ついても離れられず、ついには相手の青が自分にも伝染してしまう。
そして最後には、自分から相手を取り込もうとする。
ブルーチーズという少しクセのある食べ物を使うことで、
好きだけでは説明できない恋の中毒性や危うさが表現されているのではないでしょうか。
この曲を歌うときにも、最初から最後まで同じ感情で歌うのではなく
強気な拒絶から、少しずつ惹かれていく戸惑い、抜け出せなくなっていく焦り、
そして最後には自分から相手を求めるほど変化した感情まで意識すると、
歌詞の物語をより立体的に表現できそうです。
「歌詞の意味を考えながら歌えるようになりたい」
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