みなさんこんにちは!
ボイトレ講師の木皿です。
今年も残すところあとわずかとなりました。
皆様にとって2025年はどんな1年でしたか?
振り返ってみると、日々の出来事の積み重ねが、あっという間に1年をかたちつくっていたように感じます。
私自身も、学びや気付きの多い一年でした!
いよいよ年の瀬の12月29日は、実は「シャンソンの日」なんです。
1990年の12月19日に、東京の銀座委で営業していたシャンソン喫茶「銀巴里」が閉店しその記念日として制定されました。
銀巴里は、美輪明宏など有名な歌手を送り出した日本発のシャンソン喫茶。
実はここ仙台でも根強いシャンソン文化があります。
今回は、日本のシャンソン歌手について紹介していきます!
目次
シャンソン(Chanson)とは
フランス語で歌われる歌、特に詞の内容や表現を重視した、大人向けの歌唱スタイルを指す言葉です。
言葉の表現が中心で、メロディよりも、詩の内容・語りかける表現が重視されます。
感情表現が濃く、その独特な語りとニュアンスが特徴。
人生の愛や悲しみが楽曲のテーマになることが多いですね。
シャンソンの歴史
① 起源:中世(12〜13世紀)
「Chanson」という言葉自体は「歌」を意味する一般名詞として誕生。
トルバドゥール(吟遊詩人)が宮廷で詩を歌い、恋愛や騎士道をテーマにしました。
この時代は現在の「シャンソン」のイメージとは異なり、物語性・語り芸が中心でした。
② 古典シャンソン:16世紀
器楽と歌が均等に扱われ、芸術性が増していきます。
ここまでは「芸術音楽」としてのシャンソンで、 現代日本で言われる“シャンソン”とは距離がありました。
③ 近代シャンソン(19世紀末〜20世紀初頭)
シャンソンがパリのカフェやキャバレー文化の中で発展。
庶民的で、語りに近い歌が生まれたのがこのころです。
イヴ・モンタンなどが代表的なアーティストでした。
④ 黄金期のシャンソン(1940〜1960年代)
日本で認識されている「シャンソン」と非常に近い時期です。
編成はピアノ・アコーディオンが多いです。
詩の美しさが最重視され、語るように歌うスタイルです。
エディット・ピアフやシャルル・アズナヴールなど、この時期の曲は日本でも特に愛されています。
⑤ 現代のシャンソン(2000年代〜現在)
ジャンルとしてはより広義になり、「フランス語で詩的に歌う歌全般」へ拡大。
ポップス、ジャズとも融合しています。
日本のシャンソン歌手
1. 日本シャンソンの黎明期〜黄金期の代表
● 越路吹雪
日本にシャンソンを広めた最重要人物ともいえる歌手です。
宝塚出身で、「愛の讃歌」「サン・トワ・マミー」など多くを名唱しました。
宝塚時代に、舞台を見に来た人から「あなたは語る歌い手になるべき」と言われたことをきっかけにシャンソン歌手になったというエピソードがあります。
● 美輪明宏
日本シャンソンのアイコン。
「ヨイトマケの唄」などを独自の世界観で歌います。
現代でも俳優やナレーターとしても幅広く活動していますね。
若いころに生活費を稼ぐため、軍のキャンプ回りをして歌を披露したのがプロ歌手としての始まりと語っています。
2. 1970〜1990年代に活躍したシャンソン歌手
● 金子由香利
前述した銀巴里のステージに立ったシャンソン歌手。
「再会」「雪が降る」などで人気でした。
柔らかい語り口調ながらしっかり言葉の立つ歌いまわしが美しいボーカルです。
● 菅原洋一
「今日でお別れ」などポップスでも有名ですが、シャンソンとしての活動も長い歌手です。
90歳を過ぎた現在も精力的に活動し、その唯一無二の存在に魅惑された新規の若いファンも増えています。
3. 2000年以降のシャンソン歌手
● 佐々木秀実
現代日本シャンソンの代表格。
表現力と声質に定評があります。
13歳のころに急性喉頭腫瘍を発症し、その手術の前夜に病室で聴いたエディットピアフの「愛の讃歌」に心を救われ、シャンソン歌手になることを決めたそうです。
●戸川昌子
推理作家として有名ですが、シャンソンの歌い手としても強烈な個性を持つ歌手です。
銀巴里の素人飛び入り企画で歌っているところを美輪明宏に目を付けられ、レギュラーに加わったのが歌手になったきっかけでした。
4. シャンソンをベースとした表現者(系統・影響下)
必ずしも純粋なシャンソン歌手ではありませんが、強く影響を受けた現代の歌手も。
● 中島みゆき
語りの歌唱、人生をテーマにした詩世界はシャンソン的です。
● 椎名林檎
アズナヴールの影響を公言。
シャンソンの名曲「枯葉」をカバーしています。
シャンソンを歌うコツ
① 発声:大きな声ではなく“語るための声”
シャンソンの核は 話すように歌うこと。
以下を意識するとシャンソンらしい響きになります。
・地声寄りで、息を多く含ませすぎない
・声を張り上げない
・低音〜中音域を丁寧に響かせる
・言葉のニュアンスを口先で作るように発音する。言葉を立てるように発音する
② 表現:感情の“濃さ”が命
シャンソンは感情のアップダウンが重要です。
そのためあえて声質を変え演じながら歌うことも多いです。
・ささやき(秘密を告げるように)
・叫び(心の底から)
・吐息混じり(弱さ・儚さ)
・硬い声(怒り・孤独)
これらを 1曲の中で織り交ぜる のがシャンソンらしさにつながります。
③ リズム:正確さより“語りのリズム”
シャンソンはリズムに少し遊びがあります。
メロディより言葉に合わせて、間を作ったりまくしたてるように話したり、タイミングを変える感情によってフレーズが伸びたり縮んだりします。
まずは歌詞を読みこみ、感情の動きをメモして楽曲を理解することも重要ですね。
④感情表現:人生経験のような“説得力”
曲の部分ごとに感情を変えるイメージです。
物語がすすむにつれて、「急に気持ちの色が変わる」 のがシャンソンらしさ。
練習するときはまずはこれでもかというくらい大げさに感情を出してみましょう。
“歌のうまさより、伝わる声” が評価されるジャンルです。
まとめ
いかがでしょうか?
高音や高速ラップなど超絶技巧が注目されるトレンドもありましたが、シャンソンのように物語を歌声でうまく表現することが音楽の神髄といってもいいかもしれませんね!
気になった方はぜひ「愛の讃歌」「ヨイトマケの歌」などの簡単な歌から歌ってみてくださいね。
ナユタスでは、感情表現を発音・発声・表情などあらゆる側面からアプローチして指導しています。
豊かな歌い方を身につけたいかたは、ぜひ体験レッスンへおこしください♪
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最後まで読んでいただきありがとうございました!
それではまた👋
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この記事を書いた人
〇木皿菜々(きさらなな) 【プロフィール】
仙台出身のボーカリスト。FMいわぬまラジオパーソナリティ。
オリジナル曲、ソウル, R&B, 歌謡曲, 特撮・アニソンを主に、弾き語りやバンドで演奏活動するほか、クラシック・ミュージカル声楽家として結婚式場や披露宴会場で歌唱。CM・ドキュメンタリーなどのナレーション業も行う。
レーベル所属バンドマン、トップライバー、プロ歌手など累計1000人以上に指導。

