アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のオープニングテーマとして制作された、YOASOBIの『祝福』。
アニメでは、運命に縛られた主人公・スレッタが、苦しみを乗り越え、自分の意思で未来を選ぶ姿が描かれています。
今回は、アニメの世界観をそのまま表現している『祝福』の歌詞を解説していきます。
YOASOBI『祝福』歌詞解説
この楽曲は、与えられた運命に抗って自分の足で立つという、アニメのテーマを軸に描かれています。
タイトルの『祝福』は、ただのお祝いの言葉ではなく、“自ら選び取った人生への肯定”を意味しています。
そんな楽曲に込められたメッセージを、歌詞の流れに沿って解説していきます。
冒頭“遥か遠くに浮かぶ星を～”
“遥か遠くに浮かぶ星を
想い眠りにつく君の
選ぶ未来が望む道が
何処へ続いていても
共に生きるから”
“遥か遠くに浮かぶ星”は、まだ手の届かない夢や自由を象徴しています。
ここでの“君”はスレッタが乗るガンダム・エアリアルの眠っている魂を表現。
運命に囚われながらも、その光を信じる姿が描かれています。
“共に生きるから”という言葉には、エアリアルや仲間との絆、そして孤独ではないという優しいメッセージが込められています。
与えられた運命と渇望“ずっと昔の記憶～”
“ずっと昔の記憶
連れられて来たこの星で君は
願い続けてた
遠くで煌めく景色に
飛び込むことが出来たのなら”
このパートでは、過去から続く宿命と憧れが描かれています。
“連れられて来たこの星”は、自らの意思ではなく“与えられた運命”を表現。
しかしその中でもスレッタは、憧れを捨てず、夢を見続けてきました。
“飛び込むことが出来たのなら”という願いは、自由への渇望と未来への一歩を暗示しています。
進めばふたつ“一人孤独な世界で～”
“一人孤独な世界で
祈り願う 夢を描き 未来を見る
逃げ出すよりも進むことを
君が選んだのなら”
恐怖や痛みから逃げるのではなく、それを受け入れて進む「選択の瞬間」が描かれています。
“逃げ出すよりも進むこと”には、スレッタがアニメの中でよく言葉にしていた「止まればひとつ、進めばふたつ」を感じさせます
運命に支配されてきた彼女が、初めて自分の意志で未来を掴もうとする瞬間です。
サビ“誰かが描いた～”
“誰かが描いたイメージじゃなくて
誰かが選んだステージじゃなくて
僕たちが作っていくストーリー
決して一人にはさせないから
いつかその胸に秘めた刃が鎖を断ち切るまで
ずっと ああ 共に闘うよ”
スレッタが他者に操られる存在ではなく、自らの物語を生きる存在へと変わる様子が描かれます。
“誰かが描いた”“誰かが選んだ”というフレーズは、定められた運命を否定。
“刃が鎖を断ち切るまで”という表現が、スレッタの強さと解放への覚悟を感じさせます。
そして“共に闘うよ”は、孤独な戦いに寄り添う絆を表現しています。
“これは君の人生～”
“これは君の人生（誰のものでもない）
それは答えなんて無い（自分で選ぶ道）
もう呪縛は解いて
定められたフィクションから今
飛び出すんだ 飛び立つんだ”
クライマックスでは、運命からの完全な解放が描かれます。
“これは君の人生”という言葉が、スレッタの自立を力強く肯定しています。
“呪縛”や“フィクション”という言葉が、与えられた設定や支配の象徴で、そこから飛び立している瞬間です。
この瞬間こそ、自分の選んだ道に贈られる最高の『祝福』なのです。
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『祝福』は、これまでのガンダムシリーズが描いてきた「戦いの宿命」を越えた、生き方の自由をテーマにしています。
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