上手い人ほどやっている「歌い出す前」の準備とは ―実は歌う前に“勝負”は決まっています―

「最初の1曲目が一番歌いづらい」
「高音が出る日と出ない日の差が激しい」
「カラオケで数曲歌うと、すぐ喉が疲れてしまう」

こうした悩みを持っている方はとても多いですが、実はその原因の多くは歌い方そのものではなく、“歌い出す前の準備不足”にあります。

上手い人やプロのボーカリストほど、いきなり歌い始めることはありません。
歌う前に必ず「声と身体の準備」を行っています。

声は、喉だけで出しているものではありません。
声帯・呼吸・姿勢・身体の使い方がすべて連動してはじめて、安定した声になります。

準備をしないまま歌い始めると、

・息が浅くなる
・喉に余計な力が入る
・音程が安定しない
・高音で喉を締めてしまう
・声枯れしやすくなる

といったトラブルが起こりやすくなります。

逆に、正しい準備を行うだけで
「声の出やすさ」「安定感」「喉の楽さ」は大きく変わります。

まず最初に行うのは、声ではなく身体をゆるめることです。

特に重要なのは
・首
・肩
・胸まわり
・背中

これらが固まっていると、息の通り道が狭くなり、声が詰まりやすくなります。

・肩をゆっくり回す
・首を左右に倒す
・背中を伸ばす

たったこれだけでも、声の通りは変わります。

次に行うのが呼吸の準備です。
この段階では、まだ声を出す必要はありません。

・鼻から自然に息を吸う
・口から細く長く吐く

これを数回繰り返すだけで、
「今日は息が浅いな」「今日は吐きやすいな」と、自分の状態が分かるようになります。

息が整っていない状態で歌うと、
声を喉で支えるクセがつきやすくなります。

ここで初めて、声を出します。
ただし、いきなり大きな声は出しません。

・ハミング
・ため息に軽く声を乗せる
・話し声に近い高さで伸ばす

このような「小さくて楽な声」で、声帯を少しずつ起こしていきます。

上手い人ほど、最初は驚くほど静かです。

高音チェックは準備の最後です。

・無理に張り上げない
・出る範囲で軽く確認する

ここで違和感があれば、
「今日は無理しない」という判断ができるのも、上達者の特徴です。

準備段階で喉に負担をかけないことが、結果的に歌を安定させます。

「時間がない」という方でも大丈夫です。
3〜5分あれば十分です。

これだけで、歌い出しの不安定さは大きく減ります。

歌が上手くなる＝
難しいテクニックを覚えること
と思われがちですが、

実は
「正しい準備ができているかどうか」が、最初の分かれ道です。

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