【MV】FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」
FRUITS ZIPPERの「わたしの一番かわいいところ」は、2022年4月に配信、翌年CD化された彼女たちの2ndシングルで、SNSを中心に大きく話題となり、TikTokで数億回再生され、グループの知名度を大きく拡げた一曲です
作詞・作曲を手がけたのは、ヤマモトショウ氏
彼は「世界一かわいい音楽を作る」を掲げ、アイドルソングを数多く手がける作家であり、本作でも「かわいい」に振り切った世界観を描いています
🎀背景と制作コンテクスト
プロデューサーの木村ミサ氏は、デビューライブで披露する5曲の中でも“かわいい”路線を特に狙った曲として本作を選び、「わたしかわいい」を前提にどう表現するか設計しました
ヤマモトショウ氏との共作によって、アイドルとファンの関係性を「褒められる vs 褒める」の双方向性として巧みに描き出しています
🧠自己肯定と相互承認
歌詞の中核は非常に強い自己肯定感とファンへの賛辞です
サビ前半では、
わたしの一番、かわいいところに気付いてる
そんな君が一番すごいすごいよすごすぎる!
という表現で、まず「君=ファン」の観察力や愛し方を賛美し、それによって「わたし=アイドル」のかわいさが成立しているという構造を取っています
自信をもって「かわいい」を前提に語るその言葉には、「承認する側とされる側が互いに意味を与えあう関係」が映し出されており、その深さが現代のアイドルソングとして共感を得ています
📜構造の緻密さ:「気付く」の繰り返し
「気付き」にまつわる表現が繰り返されるのも特徴的です
サビ第一部では、ファンがアイドルの魅力に気付き、続いてアイドルもそれに気付く
「気づく」ことで、関係の主体が相互に自覚し、肯定しあう構造になっています
これは、ただ褒められるだけではなく、自分自身を自覚し承認するメタ認知的な展開として非常に高度です
🔙過去への共感と回想
歌詞の冒頭「携帯のアンテナを光らせて それが超キュートなあの頃だって知ってたり」というフレーズは、アイドルとファンが共有してきた過去のトキメキを象徴的に示しています
「携帯のアンテナ」が通信や共有、ファンとのつながりを象徴し、その時代が“超キュートだった”と、あとからでも二人で振り返っているという感慨があります
若い頃の記憶やノスタルジーを通じて、「かわいい」と感じた初期の感覚を大切にしている姿勢が感じられます
🍬比喩と欲求:甘さと褒め言葉への願い
2番では「褒められまくったお菓子は他よりちょっと甘くなるって聞いたような」という比喩で、褒められることで自分がより“甘く”“豊かに”なるという心理が歌われます
「もっとわかりやすくていいんだよ、お待ちしてます(おねがい!)」というフレーズには、ストレートな承認を求める真剣さと可愛らしさが交差しています
💕終盤の切なさ:永遠への願い
ラストのサビ第二部、
わたしの一番、かわいいところをよく見てる
そんな君がほんとに超ラッキーな人すぎる!
そして君が何年たってもそう思えるように
わたしはそれに気付いた
では、ファンへの「君」が自分を見続けてくれていることへの感謝と、将来にわたってその価値を維持できるように、自分自身も努力しようと「気付いた」ことを歌っています
だが一方で、「何年たってもそう思えるように」は、変化する中で自己肯定感を保ち続ける困難さや切なさも滲ませており、若さゆえの儚さとリアリティが漂います
🧩総じての印象
『わたしの一番かわいいところ』は、単なるアイドルソングに留まらず、「かわいい」を媒介にした自信と承認、過去と未来への感謝と願いが詰まった高度な構造を持っています
歌詞の中に散りばめられた「気付き」の連鎖と、アイドルとファンの双方向的な関係性、そしてほんのり漂う切なさが、この楽曲を多くの人の心に刺さる名曲たらしめています♬
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