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【歴史】バレエはなぜ「美しくあること」を求められるようになったのか?

バレエはなぜ「美しくあること」を求められるようになったのか?

~宮廷文化が生んだ“見せるダンス”の始まりとは🩰~

こんにちは!NAYUTAS月島校のおみつさんです😉
皆さん、バレエというと、どのような印象を持っていますか?

「姿勢が美しい」「華やか」「優雅」といった印象を持つ方が多いのではないかと思います。
最近ではお子様の習い事、という印象をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか?

実は息子の習い事で、バレエを検討していたおみつさんです🤗

でもふと考えてみると、なんだか少し不思議なんです。
なぜバレエだけが、これほどまでに
「美しくあること」を強く求められる芸術になったのでしょうか?

どうやら、バレエの誕生した場所と時代にその答えがあるようです。


バレエはルネサンス期イタリアの宮廷から始まった

バレエの原型が生まれたのは、15世紀〜16世紀のイタリア🍝
ルネサンス期の貴族たちの宮廷では、舞踏・音楽・詩・演劇を組み合わせた豪華な催しが頻繁に行われていました。

この文化をフランスに持ち込んだのが、
フランス王アンリ2世の王妃となった カトリーヌ・ド・メディシス です。

カトリーヌはイタリア文化の庇護者であり、
宮廷芸術としての舞踏を積極的に発展させました。

1581年にパリで上演された
『王妃の喜劇的バレエ(Ballet Comique de la Reine)』
は、世界初の本格的バレエ作品とされています。
(ちなみに、夜10時から翌朝3時半まで続く、非常に大規模なものだったそうです⏰🌠)

この時点で、すでにバレエは

🩰貴族のための舞台芸術

🩰観客に見せるための芸術
として成立していました。


ルイ14世が「バレエの型」を決定づけた

バレエ史において最も重要な人物の一人が、
フランス王 ルイ14世(太陽王) です。

彼は若い頃、自ら舞台に立ち、
『夜のバレエ』で太陽神アポロン役を演じたことから「太陽王」と呼ばれるようになりました🌞

しかし太陽王の本当の影響力は、そこではありません!

1661年、ルイ14世はなんと
王立舞踊アカデミー(アカデミー・ロワイヤル・ド・ダンス)
を設立します。

そこで行われたのは、

🩰正しい姿勢とは何か

🩰足の向きはどうあるべきか

🩰腕の動きはどう整えるべきか

といった、ダンスの「規範化」でした。

現在のバレエの基礎である、5つの基本ポジションを体系化したのも、
ルイ14世の宮廷舞踊教師であった ピエール・ボーシャン です。

つまりバレエの持つ美しさとは、

自然発生的に生まれたものではなく、
王権と制度によって「設計された美しさ」だった

ということになるのですね。私たちが持つ優雅なイメージとは少し違う気がしますよね🙄


バレエは「芸術作品」として洗練されていく

18世紀になると、バレエはさらに発展します。

ジャン=ジョルジュ・ノヴェールは
『舞踊とバレエに関する手紙』(1760年)で、

ただ美しく踊るだけでなく、
感情や物語を伝える芸術であるべきだ

と主張しました。

ここからバレエは
「技術の美しさ」だけでなく
「表現芸術」としての側面を持ち始める事になり


ロマンティック・バレエが「幻想的な美」を作った

19世紀になると、バレエの美意識はさらに強まります。

この時代の代表作は下記2作品

『ラ・シルフィード』(1832年)

『ジゼル』(1841年)

そしてこの時代に新たに生まれた特徴が、

🩰トゥシューズでのポワントワーク

🩰ロマンティック・チュチュ

🩰妖精・精霊・幻想的な存在を描く世界観

です。

「より軽やかに」「浮遊しているように」「現実離れした存在として」踊ることが理想とされ、
バレエの「美」はますます抽象的で高い理想へと向かっていく事となります。


ドガの絵画が伝える「現実のバレエ」

バレエ絵画といえば、
画家 エドガー・ドガ の「踊り子」、「バレエのレッスン」「踊りの花形」等は非常に有名ですよね。

彼の作品には、

  • 練習中に疲れて座り込むダンサー

  • ストレッチをする現実的な身体

  • 完璧ではない姿勢

が多く描かれています。

華やかな舞台の裏側にある
訓練・疲労・努力・身体の現実
を描いた画家として、ドガはとても象徴的な存在です。

ドガの絵を読み解くと、
バレエが「理想の美」を追求する一方で、
貴族のたしなみだったバレエが19世紀には大衆化し、貧しい階層の少女たちが職業として選ぶようにもなり、
また、現代ほど発達していないトゥシューズに大きな苦痛を感じながら、
現実のダンサーたちは極めて精神的にも身体的にも過酷な状況の中にいた、ということが見えてきます。


バレエ史を知ると、「苦しさ」の正体が見えてくる

バレエの歴史をたどると、

  • 宮廷の権力

  • 国家の制度

  • 芸術の理想

  • 身体への規範

そうしたものが幾重にも積み重なって
「こう動くべき」「こう見えるべき」という美意識が緻密に形成されてきたことが分かります。

今、多くの人が感じる

  • きれいにできないと恥ずかしい

  • 正しく動けないとダメな気がする

  • 自分には向いていないのではないか

という感覚は、決して個人の問題だけではなく、
様々な歴史的な価値観の延長線上にある、とも言えるのではないか?と感じます。


おわりに

バレエの持つ「美しさ」は、
偶然生まれたものではなく、
長い歴史の中で、制度・思想・文化によって形づくられてきたものでした🩰

だからこそ、
バレエを学ぶことは単に身体を動かすことではなく、
数百年分の歴史的な価値観に触れることでもあります。

その背景を知ると、
バレエというものがより多角的に、そして立体的に見えてくるのではないでしょうか😊


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NAYUTAS月島校は、月島という街で、
大人の方が静かに自分と向き合える場所として、
子ども達がのびのびと成長する場所として、
表現に触れる時間を大切にしています👶👩‍🍼👨‍🍼

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