ブログ
ボイストレーニング

そのビブラート、本当に必要ですか?上手く聞こえる人ほど「使わない選択」をしている理由

宇都宮でボイトレ、ボーカルレッスンをお探しの皆さま、こんにちは。
ボイストレーニング&ダンス NAYUTAS宇都宮校です。

「ビブラートができるようになりたいです」

これは、ボイトレを始める方からかなり多く聞く目標です。

たしかにビブラートは、歌に表情をつける大切なテクニックです。
ただ、ここで一つはっきりお伝えしたいことがあります。

ビブラートは、かければかけるほど上手く聞こえる技術ではありません。

むしろ曲によっては、ビブラートを減らした方が今っぽく、自然で、聴きやすくなることがあります。

1. ビブラートとは何か?まずは正しく理解しましょう

ビブラートとは、声の高さや強さを細かく揺らして、音に表情をつける歌唱表現の一つです。
研究分野でも、ビブラートは歌唱音声の基本周波数、つまりピッチの変動として扱われることがあります。

J-STAGE掲載の研究でも、歌唱音声におけるビブラートは、基本周波数の変動量や時間的特徴と関連して評価されていることが示されています。

参照「歌唱音声の類似度評価を目的とした基本周波数の変動量を反映するビブラート特徴量」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejeiss/137/12/137_1607/_article/-char/ja/
最終アクセス:2026年6月9日

つまり、ビブラートは「なんとなく声を揺らすこと」ではありません。
ピッチ、息の流れ、声帯閉鎖、共鳴、リリースが関係する、かなり繊細な表現です。

声帯閉鎖とは、声を出すときに左右の声帯がどの程度閉じているかを指します。
閉じ方が弱すぎると息漏れしやすく、強すぎると声が硬くなります。
ビブラートも、この声帯閉鎖のバランスが崩れると、不安定に聞こえたり、わざとらしく聞こえたりします。

2. 「ビブラート=上手い」は半分正解、半分危険です

多くの方が、ビブラートを「上級者の証」のように考えています。
もちろん、安定したビブラートを自然に使えることは素晴らしい技術です。

ただし、問題は使う場所です。

最近のJ-POPやK-POP、洋楽系のボーカルでは、話すような自然さ、抜け感、ストレートな語尾が魅力になる曲も多くあります。
そのような曲で毎回語尾にビブラートを入れると、曲の持つ軽さや透明感が薄れてしまうことがあります。

たとえば、切ないバラードの最後に一度だけ入るビブラートは効果的です。
一方で、明るくテンポの良いK-POP曲の語尾すべてにビブラートを入れると、少し重く、古い印象になることがあります。

料理で言えば、ビブラートはスパイスです。
スパイスはあると美味しくなります。
でも、全部の料理に大量に入れたら、素材の味が消えます。

歌も同じです。

3. レッスン現場でも「減らした方が良い」と伝えることがあります

NAYUTAS宇都宮校のレッスンでも、
「ビブラートをかけない方が良いですね」
とお伝えすることがあります。

すると、多くの方が驚きます。

「えっ、上手い人はみんな使うんじゃないんですか?」
「せっかくできるようになったのに、使わない方がいいんですか?」

この反応、とても自然です。

実際に、20代女性の生徒さんで、サビの最後に毎回ビブラートを入れていた方がいました。
技術的にはできています。音程も大きく外れていません。

ただ、録音して聴いてみると、曲の雰囲気よりもビブラートの存在感が強くなっていました。

そこで、語尾の一部をストレートに伸ばす歌い方へ変更しました。
すると、声の透明感が前に出て、曲全体がかなり今っぽく聞こえるようになりました。

ここで重要なのが、リリースとプロソディです。

リリースとは、音の終わらせ方、つまり語尾処理のことです。
「伸ばす」「切る」「抜く」「揺らす」「息を混ぜる」など、歌の印象を大きく変えるポイントです。

プロソディとは、声の高さ、強弱、リズム、間、抑揚などを含む、歌や話し方全体の流れのことです。
音声言語の研究でも、プロソディは話者の意図や感情、意味のまとまりを伝える要素として扱われています。

参照「日本人英語学習者の英語音声文理解におけるプロソディー情報の影響」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/secondlanguage/11/0/11_47/_pdf
最終アクセス:2026年6月9日

歌でも、単音の上手さだけでなく、流れの作り方が大切です。

4. ビブラートを入れた方が良い曲、減らした方が良い曲

ビブラートが合いやすい曲には特徴があります。

たとえば、

・バラード
・昭和歌謡
・ミュージカル系
・R&B
・声量をしっかり聴かせる曲
・ロングトーンが印象的な曲

このような曲では、ビブラートが感情表現として強く働きます。

一方で、ビブラートを減らした方が良い曲もあります。

・テンポの速いJ-POP
・K-POP
・ラップ調のメロディ
・話すように歌う曲
・透明感を重視する曲
・リズムのキレを出したい曲

この場合、語尾を揺らすより、まっすぐ置いた方が歌詞が伝わります。

つまり、ビブラートが悪いのではありません。
曲に合わないビブラートが、歌の印象を崩すのです。

上手い人は、ビブラートを使える人ではありません。
使う場所と使わない場所を選べる人です。

5. 自宅でできる「ビブラートを減らす」5分練習

ビブラートを練習する人は多いですが、ビブラートを減らす練習をする人は意外と少ないです。
でも、ここができると歌の完成度はかなり上がります。

まず、好きな曲のサビを1フレーズだけ選びます。
そして、語尾を3パターンで録音してください。

1つ目は、語尾にビブラートを入れる。
2つ目は、語尾をまっすぐ伸ばす。
3つ目は、語尾を短く切る。

録音したら、必ず聴き比べます。

このとき見るポイントは、上手いか下手かではありません。

・歌詞が伝わるか
・曲調に合っているか
・重く聞こえないか
・感情が過剰になっていないか
・サビの流れを邪魔していないか

この5つです。

特にスマホ録音で十分です。
むしろ、自分の耳だけで判断するより、録音した方がかなり冷静に聴けます。

NAYUTAS宇都宮校でも、録音による客観確認を重視しています。
歌っている最中の感覚と、実際に聴こえている印象はズレることが多いからです。

6. やりがちなNG例

ビブラート練習で一番多い失敗は、語尾を全部揺らしてしまうことです。

特にカラオケで高得点を狙ってきた方ほど、語尾に自動的にビブラートを入れるクセがついている場合があります。
もちろん採点ではプラスになることもありますが、実際の歌唱表現では「毎回同じ処理」に聞こえてしまうことがあります。

もう一つのNGは、喉で無理に揺らすことです。

喉だけで揺らそうとすると、音程が不安定になったり、声が震えているように聞こえたりします。
ビブラートは、喉をガタガタ動かす技術ではありません。
息、声帯閉鎖、ピッチ、共鳴のバランスで自然に生まれるものです。

最後に、「ビブラートを入れない=表現がない」と思い込むのも危険です。

ストレートに伸ばす声にも表現はあります。
むしろ、まっすぐな声だからこそ歌詞が刺さる場面もあります。

7. NAYUTAS宇都宮校では“使い分け”までレッスンします

NAYUTAS宇都宮校では、ビブラートを単独のテクニックとして見るだけではありません。

・曲のジャンル
・歌詞の内容
・声質
・リリース
・ブレスコントロール
・マイクに乗ったときの印象
・カラオケでの聴こえ方
・発表会での伝わり方

これらを含めて、どこで使うべきかを一緒に確認していきます。

ビブラートを増やすのではなく、必要な場所にだけ置く。
これができると、歌は一気に大人っぽく、今っぽく、聴きやすくなります。

 

また、NAYUTAS宇都宮校は宇都宮駅東口から徒歩4分、LRT東宿郷駅から徒歩1分の通いやすい立地なので、学校帰りや仕事帰りにも通いやすい環境です。

YAMAHA防音室でのレッスンやレコーディング確認もできるため、自分の歌を客観的に見直しやすいのも特徴です。

 

8. よくあるQ&A

Q1. ビブラートができないと歌は下手に聞こえますか?

いいえ。ビブラートができないだけで下手に聞こえるわけではありません。
音程、リズム、発音、声の安定感、歌詞の伝わり方の方が重要な場合も多いです。曲によっては、ビブラートなしのストレートな歌い方の方が魅力的に聞こえます。

Q2. ビブラートを入れすぎると何が悪いですか?

毎回語尾が揺れると、表現がワンパターンに聞こえます。
また、曲によっては重く聞こえたり、古い印象になったり、歌詞の自然さが失われることがあります。特にK-POPや最近のJ-POPでは、抜け感を邪魔する場合があります。

Q3. ビブラートを減らす練習は必要ですか?

必要です。
ビブラートを「かける練習」だけでなく、「かけない練習」も行うことで表現の幅が広がります。録音して、揺らす語尾、まっすぐ伸ばす語尾、短く切る語尾を比較すると、自分に合う歌い方が見つかりやすくなります。

Q4. カラオケではビブラートを入れた方が点数は上がりますか?

採点機能ではビブラートが評価項目になることがあります。
ただし、点数が上がる歌い方と、人に自然に届く歌い方は必ずしも同じではありません。カラオケ大会や発表会で印象に残る歌を目指すなら、曲に合わせた使い分けが大切です。

Q5. NAYUTAS宇都宮校では初心者でもビブラートを学べますか?

はい、初心者の方でも大丈夫です。
いきなりビブラートだけを練習するのではなく、息の使い方、声帯閉鎖、ピッチの安定、リリースの作り方から順番に確認します。ボイトレ、ボーカルレッスン、K-POP、洋楽、話し方など、一人ひとりの目的に合わせてレッスンできます。

まとめ

ビブラートは、歌を上手く聞かせるための大切な表現です。
ただし、すべての曲に必要なわけではありません。

大切なのは、

「ビブラートができるか」ではなく、
「どこで使うか」
「どこで使わないか」
を選べることです。

その選択ができるようになると、歌は一気に洗練されます。

「ビブラートができない」
「入れているのに上手く聞こえない」
「自分の歌が少し古く聞こえる気がする」

そんな方は、技術そのものより、歌い方の設計を見直してみると大きく変わるかもしれません。

【校舎情報】
ボイストレーニング&ダンス NAYUTAS宇都宮校
〒321-0953
栃木県宇都宮市東宿郷2丁目5-3 1階
営業時間 10:00〜22:00
JR宇都宮駅東口徒歩4分
LRT東宿郷駅徒歩1分
《体験レッスン申し込み24時間受付中》