歌うことは全身を使う運動に近い行為ですが、とりわけ大きな負担がかかるのが声帯です。発声練習や歌い方には気を配っていても、「歌った後のケア」を習慣化している人は多くありません。しかし実際には、歌唱後のケアこそが声を長く健康に保つための鍵になります。本記事では、歌後ののどケアの重要性と具体的な方法を分かりやすく解説します。
声帯は「使えば疲れる筋肉」である
まず理解しておきたいのは、歌うと声帯には目に見えない疲労が蓄積するということです。声帯は非常に薄く繊細な粘膜で、長時間の発声や大声、高音の連続使用によって乾燥や軽い炎症が起こりやすくなります。ライブやカラオケ、長時間の練習の後に声が出にくくなるのは自然な反応です。
この疲労を放置すると、声枯れ・慢性炎症・声帯結節・ポリープといったトラブルにつながる可能性があります。つまり歌後のケアは「回復のためのクールダウン」であり、スポーツ後のストレッチと同じ役割を持っています。
基本ケア①:常温の水でしっかり水分補給
歌唱後に最も重要なのは水分補給です。声帯は直接水を飲んでも濡れるわけではありませんが、体内の水分量が十分であることが粘膜の健康を保ちます。
ポイント
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常温〜ぬるめの水を少しずつ飲む
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カフェイン・アルコールは避ける
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一気飲みではなくこまめに補給
冷たい飲み物は筋肉を収縮させ、熱すぎる飲み物は刺激になるため避けるのが理想です。
基本ケア②:沈黙(ボイスレスト)の時間を作る
歌った後は声帯が疲労した状態です。理想は30分〜1時間ほど大きな声を出さず休ませること。これを「ボイスレスト」と呼びます。
特に注意したいのがささやき声。優しそうに聞こえますが、実は声帯に強い摩擦を与えるため逆効果です。歌った後はなるべく会話量を減らし、静かに過ごす時間を確保しましょう。
基本ケア③:加湿で声帯を回復させる
乾燥は声帯の最大の敵です。歌唱後は意識的に湿度を上げましょう。
おすすめの方法
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加湿器を使う
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蒸気吸入(湯気を吸う)
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入浴で喉を潤す
特に冬やエアコン環境では、加湿を習慣化するだけで回復スピードが大きく変わります。
基本ケア④:首・肩・呼吸のクールダウン
発声には首・肩・胸の筋肉が深く関わっています。歌唱後は軽いストレッチで緊張をほぐしましょう。
簡単なクールダウン
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首回し・肩回し
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胸を開くストレッチ
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ゆっくりした腹式呼吸
筋肉の緊張が取れることで呼吸が整い、声の回復がスムーズになります。
違和感は「休むべきサイン」
声が出にくい、痛い、かすれが数日続く――これらは過度な負担のサインです。この状態で無理に歌い続けると、慢性的なトラブルに発展する可能性があります。
「少し休む勇気」が、長く歌い続けるための最大の予防策です。
歌後ケアは練習の一部
歌った後のケアは特別なことではなく、日常に取り入れるべき習慣です。
重要なポイント
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水分補給
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ボイスレスト
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加湿
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ストレッチ
この基本を続けるだけで、声は確実に長持ちします。声は消耗品ではなく、正しく扱えば一生使える楽器です。歌うことを長く楽しむために、歌後のケアを「練習の一部」として大切にしていきましょう。
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