高い声が出ない原因とは?無理なく高音を出すための練習方法
「歌うと高い声だけ出ない」「高音になると声が苦しくなる」「頑張って声を出しているのに、すぐ喉が疲れてしまう」
歌を練習している人の中には、このような高音に関する悩みを抱えている人が少なくありません。
高い声を出すためには、単純に大きな声を出したり、力を入れたりするだけでは不十分です。むしろ、喉に力が入りすぎると高音が出しにくくなることがあります。
この記事では、高い声が出ない主な原因から、無理なく高音を出すための練習方法、練習するときの注意点まで詳しく解説します。
高い声が出ない主な原因とは?
高音が出ない原因は人によって異なりますが、代表的なものには以下のようなものがあります。
- 喉に力が入りすぎている
- 地声で無理に高音を出そうとしている
- 正しい呼吸ができていない
- 声帯を強く締めすぎている
- 高音を出すための筋肉が十分に使えていない
- 自分に合った音域を把握していない
- 高音の練習量が不足している
ここから、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
原因1:喉に力が入りすぎている
高音を出そうとすると、「もっと頑張らなければ」と無意識に喉へ力を入れてしまうことがあります。
しかし、喉周辺に力が入りすぎると、声がスムーズに出にくくなります。
特に、高音になるにつれて顎が上がったり、首に力が入ったりする場合は注意が必要です。
高音は「力いっぱい声を出す」のではなく、余計な力を抜いて声をコントロールすることが重要です。
まずは小さめの声でも構わないので、リラックスした状態で高音を出す練習をしてみましょう。
原因2:地声だけで高音を出そうとしている
高音が苦手な人に多いのが、低音から高音まで同じような地声の感覚で歌おうとすることです。
声は音域によって発声の感覚が変化します。
高音では、地声だけで無理に押し上げるのではなく、裏声やミックスボイスなどを適切に使い分けることが重要です。
特に「高音になると声が怒鳴るようになる」「声がひっくり返る」という場合は、発声方法を見直してみるとよいでしょう。
原因3:呼吸が安定していない
歌において、呼吸は声を支える重要な要素です。
息を一気に吐き出してしまったり、息の量をうまくコントロールできなかったりすると、高音が安定しにくくなります。
高音だからといって大量の息を吐けばよいわけではありません。
むしろ、一定の息を安定して流しながら声をコントロールすることが大切です。
まずは歌う前に、ゆっくり息を吸って、一定の強さで「スー」と息を吐く練習をしてみましょう。
原因4:声帯を強く締めすぎている
高音を出す際に声帯を必要以上に締めてしまうと、声が詰まったようになったり、喉が疲れやすくなったりします。
「高音=声を強くする」と考えてしまう人もいますが、必ずしもそうではありません。
声帯を適切にコントロールしながら、必要以上に力まない発声を身につけることが大切です。
原因5:高音を出すための発声に慣れていない
高音は、練習すれば誰でもすぐに出せるようになるものではありません。
普段あまり使っていない音域を出そうとすると、声のコントロールが難しく感じることがあります。
そのため、いきなり自分の限界付近の音を練習するのではなく、無理なく出せる音域から少しずつ上げていくことが重要です。
無理なく高音を出すための練習方法
ここからは、自宅でも取り組みやすい高音練習を紹介します。
練習方法1:リップロール
高音練習のウォーミングアップとしておすすめなのが「リップロール」です。
唇を軽く閉じた状態で息を吐き、「ブルブルブル」と唇を振動させます。
その状態で低い音から高い音まで、無理のない範囲で声を動かしてみましょう。
リップロールのポイント
- 唇に力を入れすぎない
- 息を強く吐きすぎない
- 喉を締めない
- 無理に高い音まで上げない
喉に力が入りやすい人は、まずリップロールで声を出す感覚を身につけてみましょう。
練習方法2:「んー」から声を出す
口を閉じて「んー」と軽く声を出す練習もおすすめです。
鼻や顔の前側に振動を感じながら、低い音から少しずつ音程を上げていきます。
高音になると喉を押してしまう人は、声を前に響かせる感覚を意識するとよいでしょう。
ただし、強く響かせようとして力む必要はありません。
練習方法3:裏声を鍛える
高音を出すためには、裏声を安定させることも重要です。
まずは小さな声で「ふー」「ほー」などと発声し、無理なく裏声を出してみましょう。
裏声が不安定な場合は、いきなり大きな声で歌うのではなく、低めの音から少しずつ音域を広げていきます。
裏声をコントロールできるようになると、高音を出す際の選択肢が増えていきます。
練習方法4:サイレン発声
救急車のサイレンのように、「ウー」と声を出しながら音程を低いところから高いところへ移動させます。
そして、高いところから低いところへ戻します。
このとき重要なのは、声を無理やり押し上げないことです。
「低音→高音→低音」と声を滑らかにつなげることを意識しましょう。
練習方法5:半音ずつ音域を上げる
高音を伸ばしたいからといって、いきなり限界の音に挑戦する必要はありません。
自分が無理なく出せる音からスタートして、半音ずつ少しずつ音域を上げていきましょう。
例えば、
- 無理なく出せる音からスタート
- そこから半音上げる
- 苦しくなったら一度戻る
- 安定したらさらに半音上げる
というように進めます。
「昨日より1音高く出す」といった急激な目標よりも、少しずつ安定した音域を広げていくことが大切です。
高音練習でやってはいけないこと
高音を伸ばしたい人ほど、以下のような練習には注意しましょう。
喉を締めて無理やり出す
「あと少し高い音を出したい」と思って、喉に力を入れて押し出すのはおすすめできません。
一時的に高い音が出ても、喉への負担につながる可能性があります。
大声で練習する
高音の練習では、大きな声を出すことが必ずしも正解ではありません。
まずは小さめの声で正しい感覚を身につけ、その後に声量をコントロールできるようにしていきましょう。
毎回限界まで挑戦する
高音練習をするたびに限界の音まで挑戦する必要はありません。
むしろ、無理なく安定して出せる音域を少しずつ広げることが重要です。
喉に違和感があるのに練習を続ける
痛みや強い違和感がある場合は、練習を中止して休むことが大切です。
声の不調が続く場合は、耳鼻咽喉科などの医療機関に相談しましょう。
高音を出すために意識したい3つのポイント
高音練習では、次の3つを意識してみましょう。
1.力まない
高音になるほど、肩・首・顎・喉などに力が入っていないか確認しましょう。
2.息をコントロールする
息を大量に吐き出すのではなく、安定した息の流れを意識します。
3.少しずつ音域を広げる
自分の限界を毎回更新するのではなく、余裕を持って出せる音域を少しずつ広げていきましょう。
高音は「生まれつき」だけで決まる?
「自分は声が低いから高音は出せない」と考えてしまう人もいます。
確かに、人によって声帯の特徴や得意な音域には違いがあります。
しかし、高音の出しやすさは生まれ持った声質だけで決まるものではありません。
発声方法や呼吸、声の使い方を練習することで、現在よりも高い音を出しやすくなる可能性があります。
重要なのは、他の人と音域を比較するのではなく、自分の声を無理なくコントロールできる範囲を少しずつ広げていくことです。
高音が出ないときはボイトレで発声を見直そう
高音が出ない原因は、「声が低いから」という一言だけではありません。
喉の力み、呼吸、地声と裏声の使い分け、発声のクセなど、さまざまな要素が関係しています。
独学で練習していて「どうしても高音が苦しい」「何度練習しても声がひっくり返る」という場合は、自分の発声を客観的にチェックしてみるのもおすすめです。
ボイトレでは、自分では気づきにくい発声のクセを確認しながら、無理のない方法で声をトレーニングできます。
高音を出すことだけを目標にするのではなく、「楽に歌える」「長時間歌っても疲れにくい」「音程が安定する」といった部分も意識して練習していきましょう。
まとめ
高い声が出ない原因には、喉の力みや呼吸の不安定さ、地声で無理に高音を出そうとすることなど、さまざまな要因があります。
高音を出せるようになるためには、無理やり声を押し上げるのではなく、正しい発声を身につけながら少しずつ音域を広げることが大切です。
まずは、
- リップロール
- 「んー」の発声
- 裏声の練習
- サイレン発声
- 半音ずつ音域を広げる練習
など、無理のない練習から始めてみましょう。
毎日の短時間の練習でも、継続することで声のコントロールを身につけるきっかけになります。
「高音を出したいけれど、どんな練習をすればいいかわからない」という人は、専門のボイストレーニングで自分の発声をチェックしてもらうのも一つの方法です。

