歌の上達を目指すとき、多くの人が「声量を増やしたい」「高音を楽に出したい」と考えるのではないでしょうか。もちろん発声練習や呼吸法の練習は欠かせませんが、それらの土台となるのが“体幹”です。体幹とは、胸やお腹、背中、骨盤まわりなど、体の中心部の筋肉群を指します。この体幹がしっかりしていると、声が安定し、表現力もぐっと高まるのです。
今回は、歌と体幹の関係、そして日常生活でも取り入れられる簡単なトレーニング方法をご紹介します。
体幹が弱いと歌はどうなる?
体幹が安定していないと、呼吸が浅くなりがちです。息が十分に支えられないため、声がブレたり、高音で喉に負担をかけたりしやすくなります。さらに、長いフレーズを歌うときに息が持たず、最後まで歌い切れないという悩みにもつながります。
一方で体幹がしっかりしていると、呼吸が深く安定し、腹式呼吸も自然に行えるようになります。結果として、声量が増し、音程が安定し、表現力豊かな歌声を届けられるようになるのです。
歌に役立つ!簡単体幹トレーニング
難しいトレーニングは必要ありません。ちょっとした習慣の中に体幹を鍛える動きを取り入れるだけで、歌のパフォーマンスは変わります。ここでは、歌う人に特におすすめのトレーニングを3つご紹介します。
① プランク(板のポーズ)
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うつ伏せになり、肘とつま先で体を支える
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頭からかかとまでを一直線に保つ
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呼吸を止めずに30秒〜1分キープ
シンプルですが、体幹全体をバランスよく鍛えられます。
② ドローイン呼吸法
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仰向けに寝て膝を立てる
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息を吐きながらお腹をへこませる
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そのまま浅い呼吸を繰り返す
お腹まわりのインナーマッスルを刺激し、腹式呼吸の感覚を身につけるのに効果的です。
③ 片足立ちバランス
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足を肩幅に開いて立つ
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片足を軽く持ち上げてバランスを取る
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30秒キープしたら反対の足も
体幹の安定性を養うだけでなく、ステージでの立ち姿や姿勢の美しさにもつながります。
体幹トレーニングを続けるコツ
最初から長時間行う必要はありません。大切なのは「毎日少しずつ」続けること。朝起きたときや寝る前、歌の練習の前など、自分の生活に組み込みやすいタイミングを見つけると習慣化しやすいです。
また、トレーニング中は呼吸を止めないことが重要です。呼吸と筋肉の連動が、歌のパフォーマンスにも直結します。
まとめ
体幹は、歌の“隠れた楽器”とも言える存在です。見えない部分だからこそ意識が向きにくいですが、しっかり鍛えていくことで声の響きや安定感が大きく変わります。
「もっと伸びやかに歌いたい」「声が安定しない」「高音が苦しい」——そんな悩みを感じている方は、まず体幹から見直してみてください。
当校では、体幹を意識した呼吸法や発声トレーニングも取り入れながら、一人ひとりの声に合わせたレッスンを行っています。歌う楽しさをさらに広げるために、ぜひ体験レッスンで体幹を活かした歌の感覚を体験してみませんか?