こんにちは!ナユタス堺東校です😊
今回歌詞を考察するのは、ZEROBASEONEの『イグジステンス』。
「イグジステンス(Existence)」とは、
日本語で「存在」「実在」などを意味する言葉です。
このタイトルを踏まえて歌詞を読んでいくと
描かれているのは単純な「大切な人への愛」だけではないように感じます。
忙しい世界に合わせようとするうちに
少しずつ「自分」が分からなくなっていく主人公。
そんな主人公にもう一度、
「自分はここにいていい」
「自分は自分でいい」
と思わせてくれるのが「君」という存在です。
なぜ「君」は主人公にとって「好きな人」ではなく、“存在理由”にまでなったのか。
歌詞を追いながら考えてみましょう。
「シワだらけのシャツ」は余裕を失った主人公自身?
シワだらけ シャツと心
焦り抱え ドアの外へ
追いかける 忙しない 世界のリズム
冒頭から印象的なのが、
「シワだらけ シャツと心」
という表現です。
シャツだけでなく「心」までシワだらけ。
身なりを整える余裕もないほど慌ただしく、
精神的にも疲れている主人公の姿が浮かびます。
さらに注目したいのが、
「世界のリズムを追いかける」
という表現。
自分のペースで歩いているのではなく、先に進んでいく社会に置いていかれないよう
必死についていっているようにも読めます。
学校。
仕事。
人間関係。
周囲から求められる振る舞い。
「ちゃんとしなければ」と思えば思うほど、
自分の心とは違うリズムで生きなければならないことがあります。
『イグジステンス』は、そんな“世界に自分を合わせ続ける苦しさ”から始まります。
「僕を薄めた」という言葉が表す、自分を失っていく感覚
靴擦れや 着こなせない
言葉 仕草 価値観さえも
飲み込んで 僕を薄めた
ここは、この曲のテーマを考えるうえで非常に重要な部分ではないでしょうか。
特に印象的なのが、
「僕を薄めた」
という表現です。
周囲に馴染むために、本当は自分には合っていないものまで「飲み込んで」いく。
言葉、仕草、価値観さえも。
少しずつ周囲に合わせていった結果、社会には馴染めるようになったのかもしれません。
でもその代わりに、
「自分って、本当はどんな人間だったんだろう?」
という感覚が生まれてしまった。
「自分を失った」ではなく「薄めた」と表現されているのも絶妙です。
完全に自分が消えたわけではない。
ただ、いろいろなものを混ぜすぎて、本来の自分の色が分からなくなっている。
そんな主人公の状態が伝わってきます。
「君といた頃」だけは、ありのままの僕でいられた
ありのままで いれた
君と過ぎた 毎日のことを
羨んでは 時だけが過ぎていく
世界に合わせ続け、「僕」を薄めてしまった主人公。
そんな彼が思い出しているのが、君と過ごしていた時間です。
ここで重要なのは、
「君といたから楽しかった」
ではなく、
「ありのままでいられた」
と歌われていること。
つまり主人公にとって君は、単に好きな人・大切な人というだけではありません。
君の前では、無理に格好つけなくていい。
周囲に合わせなくてもいい。
自分を薄めなくてもいい。
だから主人公が恋しく思っているのは「君」だけではなく、
“君といるときの自分自身”
でもあるのではないでしょうか。
この視点が、後の「存在理由」という言葉へつながっていきます。
離れてしまった二人をつなぐ「曲がらないで」
バラバラの 道で君も
同じ気持ち 抱えていてと
千切れそうな夜に 願う
曲がらないで
曲がらず 生きるからさ
今、二人は同じ場所にはいません。
それぞれが「バラバラの道」を歩いています。
だから主人公には、君が今どう感じているのか分からない。
それでも、
「君も同じ気持ちでいてほしい」
と願っています。
そして続くのが、
「曲がらないで/曲がらず 生きるからさ」
という言葉。
これは単に「道を間違えないで」という意味だけではなく、
「周囲に合わせすぎて、自分自身を曲げないで」
というメッセージにも聞こえます。
冒頭では、世界に合わせるために自分を薄めてしまった主人公。
だから今度は、
君には君のままでいてほしい。
そして、
僕も僕のままで生きる。
離れていても、それぞれが自分を失わずに生きていれば
二人はどこかでつながっていられる。
そんな決意にも感じられます。
「君の声」が僕をもう一度“僕”に戻してくれる
ねぇ そばに そばに
ふたり どこに 居たとして
そばに そばに
ひとり 遠くで 泣いてたって
君の声で 呼ぶ名前で
ほら僕は また僕を
見つけ出せるんだ
この曲の核心ともいえる部分です。
主人公は、
「君が僕を見つけてくれる」
とは歌っていません。
君が自分の名前を呼ぶことで、
「僕は、また僕を見つけ出せる」
のです。
ここがとても面白いところ。
周囲の価値観を飲み込み続けて「僕」を薄めてしまった主人公にとって
「君の声で呼ばれる自分の名前」は、
“本当の自分”を思い出すための合図
なのかもしれません。
「君から見えている僕」がいる。
それによって、「ああ、僕はここにいる」と自分自身の存在を確かめられる。
だから物理的に離れていても「そばにいる」。
距離ではなく、自分の存在を確かめさせてくれることこそが
この二人にとっての“そばにいる”なのではないでしょうか。
「転生しても忘れたくない日」をBirthdayにしたい
もしも転生が あるとするなら
神さま ひとつ 願いを聴いて
(君が僕を 見つけ出してくれた あの日のことを)
忘れることがないように もう消え去ることがないように
(ボヤけた 命に君が 輪郭を くれた日のことを)
Birthday にして欲しいんだ 何度だって
個人的に、この曲の中でも特に美しい表現だと感じる部分です。
主人公が「Birthday」にしてほしいと願っているのは、
単純に自分が生まれた日のことではありません。
「君が僕を見つけ出してくれた日」です。
さらに、
「ボヤけた命に君が輪郭をくれた」
とも表現されています。
冒頭では「僕を薄めた」。
ここでは「輪郭をくれた」。
きれいに対になっています。
周囲に合わせ続けて、自分が何者なのか分からなくなっていた主人公。
そんな“ぼやけた存在”だった自分を、君が見つけてくれた。
だから主人公にとってその日は、
「本当の自分が生まれた日」
と言ってもいいほど大切なのでしょう。
生物として生まれた日ではなく、
「自分の存在を、自分自身が認識できるようになった日」。
だからこそ、その日を「Birthday」にしたいのではないでしょうか。
「理想像」を持てるようになったことさえ君のおかげ
「理想像」なんて 言葉が胸を
焦がしてるのも 「君のおかげ」で
本音ほど なんで 安っぽくなる
でも それが 僕の本音
曲の序盤に登場した主人公は、世界についていくだけで精一杯でした。
しかしここでは、「理想像」という言葉が登場します。
これは大きな変化ではないでしょうか。
ただ周囲に合わせて生きるのではなく、
「自分はこうなりたい」
と思えるようになった。
つまり主人公は、君と出会ったことで「自分」を取り戻しただけでなく
未来の自分まで考えられるようになったのかもしれません。
だからこそ、
「君のおかげ」
という言葉が出てくる。
本人も、
「こんなことを言ったらありきたりに聞こえるかもしれない」
と思っているのでしょう。
それでも飾った言葉ではなく、
「でも、それが僕の本音」
と言い切ります。
難しい言葉ではなく、最後に残ったのはとてもシンプルな感謝なのです。
「君は僕の存在理由」――タイトル『イグジステンス』の意味
陽射し みたい
灯り 宿した 声で
いまに 明日に
僕に 意味が 帯びて行く
君は僕の たったひとつだけの
揺るがない 存在理由なんだ
ここでタイトル『イグジステンス』につながります。
主人公にとって君は、
ただ一緒にいたい人でも、
ただ好きな人でもない。
「自分という存在に輪郭を与えてくれた人」
です。
世界に合わせるうちに、
「自分は何者なのか」
「何のために生きているのか」
が分からなくなってしまった主人公。
しかし君の声で名前を呼ばれると、
「僕は僕だった」
と思い出せる。
君と出会った日を「Birthday」にしたいと思える。
そして今度は「理想像」を思い描き、明日へ向かって生きていける。
だからこそ、
「君は僕の存在理由」
という強い言葉にたどり着くのでしょう。
『イグジステンス』というタイトルは
単純に「君という存在が大切」という意味だけではなく、
「君によって、僕は自分自身の存在を見つけられた」
という、この曲全体の物語そのものを表しているように感じます。
まとめ|『イグジステンス』は「君を愛している」だけではなく「君がいるから僕は僕でいられる」という歌
ZEROBASEONE『イグジステンス』を歌詞から読み解いていくと、印象的なのが、
「薄める」→「輪郭をもらう」→「僕を見つけ出す」→「存在理由」
という流れです。
最初の主人公は、忙しい世界についていくために
言葉も仕草も価値観も飲み込み、自分自身を薄めていました。
そんな主人公に「輪郭」を与えてくれたのが君。
だから君の声で名前を呼ばれるだけで、
「僕はまた僕を見つけ出せる」。
そして、君と出会ったことで現在の自分だけではなく、
「こんな自分になりたい」
という未来まで描けるようになった。
そう考えると、この曲で歌われている「存在理由」は
「君がいなければ生きられない」という依存だけを表しているのではなく、
「君が僕を見つけてくれたから、僕自身も僕を見つけられるようになった」
という意味にも感じられます。
誰かに大切にされることで、自分自身のことも大切にできるようになる。
誰かが自分を見つけてくれたことで、自分の人生にも輪郭が生まれる。
『イグジステンス』は、そんな「人との出会いによって、自分自身の存在を取り戻していく物語」なのかもしれません。
『イグジステンス』の世界観を歌で表現してみよう!
『イグジステンス』のように、歌詞にストーリーがある楽曲は、
ただ音程を正確に歌うだけではなく
歌詞の意味をどう声に乗せるかによって印象が大きく変わります。
例えば、
「僕を薄めた」の苦しさ。
「また僕を見つけ出せるんだ」の安心感。
「揺るがない存在理由なんだ」に込められた強い想い。
同じ声量・同じ声色ですべてを歌うのではなく、
言葉に合わせて息の量や強弱、声色を変えることで
より歌詞の世界観が伝わりやすくなります。
NAYUTAS堺東校では、マンツーマンレッスンだからこそ、好きなアーティストや歌いたい楽曲に合わせて、発声・音程・リズムはもちろん、歌詞の伝え方や感情表現までじっくり練習できます。
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