公開日:2026年9月18日
最終更新日:2026年9月18日
こんにちは。ボイストレーニング&ダンスNAYUTAS宇都宮校です。
「声が低くて、歌える女性曲が少ない」
「サビになると高さが足りない」
「好きな曲を原曲キーで歌いたい」
今回ご紹介するのは、こうした悩みからレッスンを始めた40代会社員女性の実例です。
※実在する生徒さんの経過をもとに、個人が特定されないよう一部の表現を調整しています。変化の程度や期間には個人差があります。
受講前|女性曲のサビが苦しく、選曲が限られていた
もともと声が低いことに悩みがあり、「好きな女性J-POPを歌いたい」という目標で受講を開始しました。
サビの高音になると声が続かず、歌える曲が限られている状態でした。
受講前にレッスン内でピアノの音を鳴らしながら確認したところ、地声でロングトーンとして出せた最高音はmid2G(G4)でした。
講師が確認したこと
確認できた課題は2つありました。
1つ目は、裏声が弱いこと。
地声で高い音を出すことばかり意識していて、裏声そのものを使う機会が少ない状態でした。
2つ目は、高音になるほど息を多く使っていたこと。
高い音を出そうとして、息の量で押し上げる傾向がありました。
歌声は「息をたくさん出せば高くなる」ものではありません。音声医学の総説でも、歌声は呼気・喉頭・声道の調節が組み合わさって作られ、地声と裏声では声帯の振動様式も異なると整理されています。
そのため、地声だけを強くする練習ではなく、まず裏声から取り組むことにしました。
高音で力みやすい方は、こちらの記事も参考にしてください。
最初の3か月は裏声だけ
最初の3か月は、地声の高音を狙わず、裏声の練習だけを続けました。
「高い声を出したい」という目標に対して遠回りに見えますが、裏声が出せないまま地声を上へ伸ばそうとすると、息と力で押し上げる歌い方が続いてしまいます。
裏声そのものが出しにくい方は、こちらの記事を参考にしてください。
実際に行った練習
月3回のレッスンでは、次の内容を継続しました。
1. 裏声の発声練習
無理のない高さから、裏声を出し分けるところから始めました。
2. リップロール・ハミング
息を強く出さずに音程を動かす感覚を確認するために使いました。「高い音=強く出す」という感覚を減らすことが目的です。
3. 地声と裏声を行き来する練習
裏声が出せるようになってから、低い音から高い音へ滑らせる練習を加えました。
4. 曲に合わせたキー調整
無理に原曲キーへ合わせるのではなく、現在の声域で歌いやすいキーも確認しました。
5. ピアノを使った音域の確認
定期的に同じ方法で確認し、現在どこまで出せるかを把握しました。
自宅では週3〜4回、レッスンで確認した裏声練習とリップロール・ハミングを続けました。
12ヶ月後|地声の最高音はhiCまで確認
12ヶ月後、受講前と同じようにウォームアップ後にピアノで音を確認しながら発声したところ、レッスン内で地声のロングトーンとしてhiC(C5)まで確認できました。
裏声も以前より安定しています。
また、高音で息を強く出す傾向も減り、以前より楽に高い音へ移れるようになりました。最初の課題だった2つが、どちらも変化しています。
選曲についても、サビの最高音がC5の曲を、原曲キーで歌えるようになりました。以前は避けていた女性曲にも取り組めています。
キー調整の練習も続けていますが、今回選曲の幅が広がった主な理由は、音域そのものが広がったことでした。
ただし、注意していただきたいこと
hiCがレッスン内でロングトーンとして出せたことと、「どの曲でもいつでもhiCまで安定して歌える」ことは別です。曲のテンポ、歌詞の母音、直前のフレーズによって、歌いやすさは変わります。
また、今回の変化には月3回のレッスンだけでなく、週3〜4回の自主練習も関係しています。
同じ期間・同じ回数で、誰でも同じ音域まで広がるわけではありません。現在の声域、歌ってきた経験、練習頻度によって変化の仕方は異なります。
なお、高音が苦しい原因は人によって逆のこともあります。NAYUTAS宇都宮校には、高音を地声のまま押し上げていた30代男性の実例もあり、こちらは音域を広げるより、地声と裏声の切り替えとキー設定の見直しから進めました。
よくある質問
Q. 40代からでも音域は広がりますか?
A. 年齢だけで決まるものではありません。ただし、どこまで広がるかには個人差があり、全員が同じ変化をするとは言えません。
Q. 裏声の練習をすると、地声の高音も出るようになりますか?
A. 必ずそうなるとは言えません。今回の生徒さんの場合は、裏声が弱く息で押し上げる傾向があったため、まず裏声から進めました。原因が違えば、優先する練習も変わります。
Q. 12ヶ月は長いですか?
A. 期間の受け取り方は人によって異なります。今回の生徒さんは月3回のレッスンに加えて、週3〜4回の自主練習を継続していました。
Q. 音域が広がれば歌は上手くなりますか?
A. 音域は歌唱の一要素です。音程、リズム、発声の安定なども関係します。
Q. 自分の最高音はどうやって確認できますか?
A. 体験レッスンでは、実際に歌っていただき、現在の声域や高音での力みなどを確認します。
参考文献
参考:斉田晴仁「歌声の調節機構―発声状態を客観的に評価するための3ステップ―」『音声言語医学』64巻3号、2023年、150-159頁
https://doi.org/10.5112/jjlp.64.150
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/64/3/64_150/_article/-char/ja/
最終アクセス:2026年9月18日
スクール情報
ボイストレーニング&ダンスNAYUTAS宇都宮校
〒321-0953 栃木県宇都宮市東宿郷2丁目5-3 MYビル1階
TEL:028-689-8166
営業時間:10:00〜22:00
定休日:なし(年末年始など除く)
JR宇都宮駅東口から徒歩4分
LRT東宿郷駅から徒歩1分
音域だけを広げることが目的ではありません。今の声域や好きな曲との相性を確認したうえで、必要な練習を整理します。
監修
ボイストレーニング&ダンスNAYUTAS宇都宮校
本記事は、NAYUTAS宇都宮校で実際に行っているマンツーマンレッスンと、実在する40代女性の生徒さんの経過をもとに構成しています。

